作品紹介・あらすじ
サマンサは家族の事情で長い間家から出ることなく生活をしていた。一大決心をして戸外に出たところで、馬にぶつかられそうになる。馬上の男性は心にも傷を抱えたナポレオン戦争の帰還兵ベネディクト。最悪な出会いをした二人だったが、少しずつ距離が縮まってゆく。そして二人でウェールズへと旅に出ることになるのだが、それは別れを前提とした約束の下の出発で・・・・・・傷ついた人々の救済を描く感動作。
感想・レビュー・書評
絞り込み
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戦争の辛い出来事から生き残った「サバイバーズ・クラブ」のシリーズ。負傷した夫の看病を長年した後で彼を看取った未亡人が出会ったのは……。「サバイバーズ・クラブ」のシリーズは仲間がほんとうに気持ちよくて読んでいて楽しい。今回は、カップルの小気味よいくすくす笑っているようなやりとりが楽しかった。
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【ネタバレ有り】
サバイバーズ・クラブ第三作
足を負傷した元軍人の准男爵×元陸軍大尉(伯爵家息子)の未亡人
心に傷を負ったヒューゴ、盲目のヴィンセント(ヴィンス)に続き
三人目のメンバーはベネディクト(ベン)。
対するヒロイン・サマンサは母方の祖母がジプシー、母方の祖父はウェールズ人、母は女優で父は紳士階級、
家族に恵まれず、容姿に恵まれた伯爵息子と結婚するも……という境遇。
しかも、嫁ぎ先の伯爵家は超がちがちという。
ポーシャ・ハントの家よりも酷い?
相変わらずのバログ節で、ヒーローヒロインが賢明に自分たちの道を切り開いていく展開で、ほっとします。
個人的にはヒロインのウェールズ人の祖父が魅力的に感じたり。(人たらしだと思う)
ヒーローが自分の障害を柔軟に受け入れてゆく姿も、ヒロインの(前述とかぶりますが)賢明さも好もしい。
ところでp394にマリ・プリチャードの名が出てきますが
この人物はイヴ(ベドウィン次男エイダンの妻)の大伯母と同一人物なのか、名前がかぶったのか?
本作では教師の妻とあるけれど、イヴの物語ではマリ大伯母は炭坑の仕事をしていたので。
何にせよ、メンバーが多いと誰が誰やらになりますが
話が進むと一人ずつイメージが形成されるので助かります。
あとは言語障害のフラヴィアン(ポンソンビー子爵)と
ラルフ(ベリック伯爵)、イモジェン(レディ・バークリー)、ジョージ(スタンブルック公爵)の話の邦訳を待てばよいのかな。
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