ミルデンホールの宝物 (ロアルド・ダールの傑作童話)

ダール，R．（ロアルド） ステッドマン，R．（ラルフ） 中村妙子

• 評論社 (2000年1月1日発売)

感想・レビュー・書評

[root3さんの感想 · 2011年8月12日]

凄い本を発見した～ゴードン・ブッチャーは陸軍に志願したが，熟練の耕作者として兵役を免除され，１９４２年サフォーク州で麦の刈り入れが済んだ畑を砂糖大根の為に深く耕していた。トラクターに犁を付けていた木製の杭が外れ，木の根が引っ掛かったのかと思ったら，大きな金属の皿だった。元請けのフォードに知らせると，二人で３４点の遺物を掘り出したが，雪が降って凍えたため，掘り出したものをフォードに預け，ゴードンは忘れていたが，フォードはこれを秘匿し，密かに磨き続けた。１９４６年考古学者に銀のスプーンが見つかっても，シロメだと言い続けたが，いずればれると覚悟して，すべて差し出した。法に反したことは咎められず，ブッチャーとフォードは共同発掘者として１０００ポンドの報償を得た。法によって届けていれば，ブッチャーは５０万から１００万ポンドを得ていたかも知れないのだ～１９４６年新聞にローマの銀製遺物が発見された報を見て，取材に出掛け，一人に迎え入れられ，一人に拒否され，アメリカの雑誌のために短編を書いて，取材協力者に原稿料の半金を渡した。勿論，協力者はブッチャーで，拒否者はフォード。アメリカで子ども向けの本を書く前の作品。凄い絵で，この絵がなかったら，この本の価値は１／３になる