ビッケと弓矢の贈りもの (評論社の児童図書館・文学の部屋)

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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566013827

作品紹介・あらすじ

今から千年ほど昔、スウェーデンやノルウェーの海岸には"バイキング"とよばれる人たちが住んでいました。ビッケ少年と仲間のバイキングたちは、今回の旅で、なんとアメリカ大陸にたどりつきます。そこで出会った人たちは?!ゆかいな物語第四弾。

感想・レビュー・書評

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  • フラーケ地方の家に帰ろうとしたビッケとフラーケバイキング。
    しかしその航海は簡単には進まなかったのです。

    海に住むハリケーンたち。
    大きなハリケーンは威張り、小さなハリケーンをいじめていました。
    しかしある日小さなハリケーンは大きく育ちました。
    そして今までの腹いせとばかりに大暴れします。
    そこにいたのは航海中のフラーケバイキング船。
    五隻の船は大風に吹き飛ばされ、波に打ち付けられ、ついにビッケは船から空に舞いあげられてしまいました!
    大空の上でビッケはあらゆる知恵を使います。ぼくを心配するお父さんのところに戻らなければ!
    そして一緒に飛ばされた船の帆と柱をうまく使い空を飛んで、見知らぬ土地に到着していたフラーケバイキングと再会します。

    この島には、体を赤く塗り、羽飾りを付けた人たちが住んでいます。
    彼らは自分たちを「ずっと南のインカからやってきて、ここではビンカ人と呼ばれています」と言いました。
    ビンカ人はとても友好的で優しく親切です。彼らにとって弓矢は相手に贈り物を届ける道具です。刀も持っていません。
    バイキングはどこかへ行ったらりゃくだつするのですが、ここまで善良な人たちから物を奪うなんてできません。
    友好を結んだフラーレバイキングとビンカ人ですが、ある日大きなバイキング船が二十隻ほどやってきたのです。
    乗っているのはビッケ達と同じスウェーデン人のなかでも野蛮で評判の悪いスベーダラの大首領のスノッベ!
    スノッベは、自分を追い出そうとした他の首領を焼き殺し、自分を馬鹿にしたといって法律家を半殺し、命令に従わない部下は殺してしまうようなやつです。
    そしてとてもおしゃれで、まっすぐな髪を棒に巻き付けカールし、飾りのついた美しい服を着て、眉毛を整え、腋の下を洗い、週に一度は風呂に入り、三日に一度は靴下を取り換え、その清潔さを部下にも強要させる怖ろしい奴です!(※現代感覚で「風呂や靴下は良いじゃん」と突っ込むところ(笑))
    そんなおそろしいスノッベは交流や交易なんてしません。ビンカ人の物を略奪しに来たのです。

    フラーケバイキングはビンカ人を守らなければいけません。
    そんな時に頼りになるのがビッケの知恵。ビッケの頭に素晴らしい考えが浮かぶと星が飛びます。
    ビッケは、洒落者スノッベのお洒落を落として、戦意喪失させるのでした。

    ***
    ついにアメリカ大陸まで来てしまったかスウェーデンバイキングたち。
    原住民たちと素晴らしい友情を交わしますが、実際の歴史は厳しいよな~とは思ってしまいます。
    冒頭ではハリケーンの弱い者いじめ問題、本題は他国との理想的な交流、最後の闘いでは悪い奴はきっちり罰を受けると、今回もメッセージ性が高いです。

  • いやいや、今回もビッケの冒険&戦いは最高でした。
    今までに比べるとバトルの回数も少ないけれど、とにかく凶悪な海賊の追い払い方が面白いのなんの。
    現実の人間たちの争いが、これくらい平和裏に終わればいいのになあ。

    それにしても、のちのちアメリカの先住民族たちが虐げられた歴史のことを考えると、ここで描かれている、ビッケたちとビンカ人たちとの友情もどこか物悲しく思われます。
    ビッケたちは今回、彼らの名誉と財産を守るために奮闘して、すさまじく凶悪な海賊と戦うんですよ。

    そして今回の後半戦では、アニメの主題歌にも登場する「海賊スベン」が遂に出てきます。
    前は炎の弓矢で追い払ったフリース人の海賊たちが、再登場するのです。
    さあビッケは、凶悪なフリース人とその頭領のスベンをどうやっつけるのか……?
    これも見ものです。

  • タイトルと表紙の絵が鍵。ハリケーンのいたずらでバイキングたちは今回アメリカ大陸へ。 現地の人々はとても友好的。理想的な国際交流が行われる中、過度にお洒落で残忍なスノッベが攻めてきて…。大好きなお父さんハルバル、詩人のウルメ、剛力のゴルム、ちょっと狡いスノーレ、愛すべきアザラシのヤルマルにフルダ。魅力的な人物がたくさん。会話が楽しく、どんどん読み進められました。他の巻より道徳観が多い気がしました。力や戦いではない解決策にいつも心打たれ、爽快な気持ちになります。

  • 小さな海賊ビッケの第4巻。

    今回のビッケは、ハリケーンに飛ばされてまだ見ぬ大地へ。そこで出会ったのは、心優しいビンカ族の人々。
    アメリカ大陸到達の4巻です。

    レイフのおっちゃんより先に到達してしまいました。
    記録に残っているのが、レイフのおっちゃんというだけで、おそらくビッケたちのように流れ着いていた人はいたんでしょうね。流石に、ハリケーンに飛ばされてはないでしょうけども。
    一足遅かったね。

    互いの文化を尊重し、対等に付き合うことの大切さ。ビッケたちとビンカ族の出会いは、それにつきます。

  • しんだふりがおもしろかった

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