天才ジョニーの秘密 (海外ミステリーBOX)

  • 評論社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566024298

作品紹介・あらすじ

一九二九年のイギリス。やせっぽちでいじめられっ子のジョニーに、ある日、天才的なアイデアがひらめいた。苦労がたえない母さんを助けられたら-最初はそんな気持ちで始めた仕事だったのだが…思いもかけない事件にまきこまれ、おまけに母さんが「殺人犯」にされてしまった。どうする、ジョニー。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で。
    なんか児童文学みたいなミステリー。あまり貧乏で切実って感じがしないんですがそれは何故だろう…?

    それにしてもジョニーの金儲けはもう少し早くどこだかが摘発しそうな感じですが…そうでも無かった。こういうお話も落としどころが大変そうだなぁ…。
    後はちょっと警察もずさんすぎる気がしないでもないんですが昔はこんなもんだったのかなぁ~

  • 2013.12.5

  • 図書館のYAコーナーにて、新品の様に綺麗だったので借りてみました。発行は去年の冬になっているので、やはり図書館に入ったのは最近なのでは。

    物語の舞台は1929年 英国。主人公は11歳の少年、ジョニー。よくある母と二人、貧乏暮らしの痩せて背の低い虐められっこと言う設定。

    ですが、この後の展開が普通のベタなYA小説と違うところでしょうか。ジョニーは実体験から画期的な商売を思いつきます。

    いやまさかそこから殺人ミステリーになるとは。

    全体的に、気分の塞ぐ様な時代感、人物描写なのですが、筆者がユーモアのある人なんですかね、どん底まで暗くなるシーンは重要な二、三シーンくらい。ジョニーの悪知恵が作品全体のトーンを三割増しくらい明るくしてるかな?!

    ジョニーのママ、ウィニーと、ジョニーのバイト先の主人、ハッチさん、それから引退した医者のラングフォード先生。この三人の人柄。その魅力で完読できたのかも。

    出番は少ないですが、グリフィン警部も気になる存在。

    ミステリー作品はネタバレ無しで感想書くの難しいですが、とにかく“殺人事件容疑者とその家族に対する世間の冷たさと悪意”と言うのは恐ろしいですね。けれども人って容疑者として逮捕されたと言うだけで真犯人と決めつけてしまいますよね…
    早く捕まって欲しいと言うのもありますが。

    人の性根、心根、本性みたいなもの。
    また、周りの評判に流されてしまう弱さ。

    その辺り考えさせられます。

    何て嫌な奴なの?!

    ってシーンが多すぎて。胸が痛みますが、果たして自分はどうか?
    恐らく行動は起こさないものの、傍観しているだけなんだろうな、と。強いて擁護もしないでしょうね。

    でも容疑者の家族に関しては被害者だと思います。

    しかしジョニーもまたなかなか小狡さのある子どもなんですけど…

    たとえ容疑が晴れて、その後で良くしてくれたとして、一度犯人と決めつけて酷い仕打ちをしてきた人を、受け入れられるかしら。許せる? いや、そのことは許せたとしても、もう心を許せないだろうなあ。

    何箇所か翻訳が古臭いな、と感じたりしたけれど、まあ舞台が1929年ですしね。
    でもなんて言うか、うーむ。あだ名の訳し方が微妙だった…

    ミステリー部分に関しては、YAですしこのくらいでいいのかな。多分YA世代にもちょっと易しい気がする…
    犯人はよく語るもんです。
    真犯人の動機などを考えると、ちょっと大人向け? どちらも本心なんだろうなあ。

    あまり書くとネタバレしてしまうのでこの辺で。

  • 第1次大戦後のイギリス、結核が猛威をふるっていたころのイギリス、11歳のジョニーは戦争未亡人の母親とつましく暮らしている。
    チビのジョニーは、学校ではからかわれてばかり、背が高くなるといううたい文句の広告に見事だまされ、なけなしのお金を無駄にしてしまう。ところが、それをヒントにジョニーは、自分も新聞の3行ほどの広告を載せ相手をペテンにかけてお金を稼ぎ始める。
    次々と広告のアイディアを思いつき、小さなウソで周囲をごまかし、うまくいっていると思いはじめたころ、母親に殺人の容疑がかかってしまう。
    母親を救うため、ジョニーはいなくなった被害者の奥さんを捜す。

    前半は、ジョニーの広告に載せるアイディアのの楽しさに、後半は母親を救うための奮闘に、ドキドキしながら読ませてくれます。
    現代のように国際的な情報網が整っていない二十世紀初頭の話、BCGの発見と普及など、今では考えられない状況下ですが、人の社会の心は良くも悪くも変わらないものを感じます。
    人の容姿でいじめられる子どもたち、人殺しの子どもと村八分にされる、一人ぼっちになったジョニーを心配して面倒を見てあげる郵便局兼雑貨屋の客足が減る…。

    でも、この本が楽しいのは、犯人探しの謎解きがちゃんとしている事よ納得できる結末にあるといえます。

  • 小さな体に知恵と勇気を持って奮闘するジョニーが愛しかった。

    全体的に王道を行くようなストーリーと非常に読みやすい翻訳で、読んでいてとても安心して読めた。
    (もちろんハラハラドキドキも)

    最後も「こうなるといいな…」と思っていたそのままで、ちょっとベタだけど微笑ましい。

    ジョニーの仕事の“回答”には、気付けば心の中で「上手い!」と合いの手を入れてしまった(笑)。

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