日本を創った12人 前編 (PHP新書 5)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569553412

感想・レビュー・書評

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  • 日本の現在は歴史の延長線にある!
    過去の偉人が現代へ与えた影響を読み解く本。
    聖徳太子の宗教観、織田信長が持っていた国家意識、徳川家康が望んだ安定等、現在の日本を考えてなるほどと思わされることが多かった。

  • 歴史教えなきゃいけないので。

    というか・・・
    光源氏はこのなかに入れていいのか?というのがすごく疑問なんですが(;´Д`A ```

  • 日本のことを知ろうということで、この一冊。

    前篇では聖徳太子、光源氏、頼朝、信長、三成、家康。
    武士四人は概説的な話でつまらなかった。もう少し緩急つけて書いてほしかった。

    聖徳太子が今の日本の宗教事情を作ったというのは面白かった。

    2013.3.1(金)

  • 聖徳太子(好いとこどり文化の始まり)、光源氏(上品は政治家の誕生)、源頼朝(武家と公家の分離、二重権力構造の発明)、織田信長(天下統一)、石田光成(大いなる企て)、徳川家康(成長から安定へ) 時代のトレンドを創ったと思われる方々。司馬遼太郎の世界と重なる、堺屋版、日本の歴史であります。

  • <内容>
    1.日本の風土
    ① 温暖気候から米作農業が発展。「遊牧・牧畜時代」なし。
    ② 狭くない海。隣国の文化が発展。大量の軍隊が押し寄せるには広い海。文化摂取には都合が良い狭さの海。
    ③ 本土、北海道、四国、九州などが独自に独立の主張を一切しない。外国からの侵略もない。

    <12人>
    ① 聖徳太子
    ①日本固有の神道 ②中国から伝来した仏教 ③中国の生活規範的道徳律である儒教
    「神・仏・儒の習合」=宗教は対立するものではなく、
     聖徳太子の業績:
    1. 仏教の研究と普及(仏教を普及しつつ、神道にも理解、援助)=宗教対立なし
    2. 「十七条憲法」「和をもって貴しとなし、さからう事なきを宗となす。人皆党有(ひとみなたむらあり)」・「冠位十二階の制」などの国家制度
    3. 遣隋使の派遣などの外交。「日出づる処の天子、書を日没する処の天子に致す」と書いた国書
    「ええとこどり」=古いものを捨てずに新しいものを受け入れる

  • 日本と日本人の特徴、日本社会の特色を創りあげてきた根源には「風土」と「人物」がある。特に風土においては地勢と気候、国際的な位置、そして国土のまとまりの三条件が日本の歴史に大きな影響を与えてきたことは自明であるため、風土論が好まれる傾向があるが、実はそれだけではその時々の時勢、政情、感情といったものまでを語るのには無理がある。

    むしろ特定の人物、あるいはそれに象徴される階層や集団から受けた影響は小さくなく、今私達が当たり前だと思っている常識・習慣・制度はいつかの時代で誰かが起こした行動によって生まれているであろう側面から、この国がどう創られてきたかを考える一冊。
    私達が義務教育を経て知っている歴史に潜む幾つかの誤解をつぶさに解きほぐしていきながら、著者の知りうるありったけの知識で挑んでくるため驚きと新鮮さに満ち溢れた本だった。

    前置きが長くなったが、ともかくこの本、誰もが知っている著名な人物の誰もが知っている著名な出来事はもちろん、当時の細かな事実に至るまでを引っ張りだしてきて「当人がその時何を思ってどう行動したか」を徹底的に考えぬいているため、当時の情景をありありと思い浮かべながらのめり込んでいくことができる。

    そして恐らく、それらの考察は確からしい。どれも今の私達の生活・社会にあまりにも自然に溶け込み、根付いている習慣・制度が萌芽する理由が合ったし、それらの人物がそれを創る必要があったことに納得せざるを得ない。

    前編の6人は聖徳太子に始まり光源氏、源頼朝、織田信長、石田三成、徳川家康とどれもあまりにも有名すぎる人物が登場する。この中で唯一“光源氏”だけが“?”となる(架空の人物である)こと必至だが、これまた今の日本を創った重要人物の1人で有ることには間違いがない。
    なぜそうであるかは是非本著を紐解いていただきたいと思う。

    個人的には、本著を通じて聖徳太子と織田信長に対する大きな誤解を思い知らされたのだが、改めて畏敬の念を抱かざるを得ない、やはり大物であった。そして「日本型プロジェクト」の基本の型を創った石田三成の話は20~30代の若手ビジネスマンにおいては必読かつ勇気の出るものと感じた。

    文句なしにオススメの1冊である。

  • 前編・後編読了。

    タイトルからイメージしていた内容からいい意味で裏切られました。

    切り口が面白いです。
    前編は誰もが知る歴史上の有名人ばかり登場。
    後編は・・・へー?と自分は思う人物が登場しています。

    が、どれも読むと納得。
    もちろんここに登場する12人のみで歴史が作られたとは思いませんが
    確かに彼らの為したことが現代の日本に受け継がれていると感じます。

  • 上巻は、
    聖徳太子、光源氏、源頼朝、織田信長、石田三成、徳川家康
    の6人です。

    非常に面白い切り口で、夢中になって読みました。

  • 歴史上の人物12人から現在の日本の習慣になっている点を示している本。
    その習慣がその人物によってできたものではもちろんないが、このような習慣が過去から続いていたんだなと考えてみると歴史のロマンを感じる。

  • 面白かった。特に
    ・神/仏/儒教とそれぞれええとこどりの風土を行った聖徳太子
    ・世界史史上初の絶対王政を目指した織田信長
    ・偉くない人がプロジェクトを動かす形の元祖の石田光成
    の話が秀逸。世界と比べて異質に見える日本人らしさの土壌を説明する形式の本の楽しさを知ることができました。後編も楽しみです。

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著者プロフィール

堺屋太一

一九三五年、大阪府生まれ。東京大学経済学部卒業。通商産業省(現経済産業省)に入省し、日本万国博覧会を企画、開催したほか、沖縄海洋博覧会や「サンシャイン計画」を推進した。在職中の七五年、『油断!』で作家デビュー。七八年に退官し、執筆、講演、イベントプロデュースを行う。予測小説の分野を拓き、経済、文明評論、歴史小説など多くの作品を発表。「団塊の世代」という言葉を生んだ同名作をはじめ、『峠の群像』『知価革命』など多くの作品がベストセラーとなった。一九九八年から二〇〇〇年まで小渕恵三、森喜朗内閣で経済企画庁長官、二〇一三年から安倍晋三内閣の内閣官房参与を務めた。一九年、没。

「2022年 『組織の盛衰 決定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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