あの偉人たちを育てた子供時代の習慣

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569627984

作品紹介・あらすじ

つねに本を読みふけっていたリンカーン、食事のたびに議論をしていたJ.F ケネディ、いつも父のスウィングを見ていたタイガー・ウッズ、『不思議の国のアリス』を暗誦していたジョン・レノン…彼らの子供時代を探れば、親が子供に何を教えるべきか、おのずと見えてくる。

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  • ・家庭は習慣の学校(体と心の習慣)
    子どもを出来るだけ外で遊ばせ、家事を分担させる
    ・子どもの頃の遊びがその人のライフワークになる
    幼い頃の興味、関心が、その人の人生を左右する大きな要因
    ・勉強する親を見て子どもも勉強するようになる
    (勉強、ゴルフ、絵、芸しかり)

  • 習慣が人を作る。良い事ばかりじゃない、悪しき習慣の功罪もあり、よい事ばかりじゃないなと思った。

  • 人間生活の主導者であり、心身に大きな影響をおよぼす習慣は、若い頃に始まる場合にもっとも完全であるから、この頃によい習慣を身につけることを、教育と呼ぶのである。

    「しつける」「しつづける」から来た「躾」は、何度も同じことを繰り返すことによって、立居振舞や言葉遣い、ものの考え方が、人間の心と体にセットされることである。

    家庭は習慣の学校であり、父母は習慣の教師である。

    ものを考える力と議論する力を子供たちに身につけさせたいと思ったケネディの母親は、子供の目につく場所に置いた掲示板に、新聞や雑誌の切り抜きを貼っておき、食事の時に話題にできるようにし、また食事中は質問を出したり論評したりして、巧みに会話をリードした。

    「意地わる」などマイナスのイメージがつきまといがちな「意地」という言葉だが、英語ではbackboneと訳され、ある辞書では「精神的な実行力。自分の考えを押し通そうとする心」と定義されるように、本来はむしろプラスイメージの言葉であり、ダーウィンなどはまさにこの「意地」を通すことで、進化論を提言するに至った。

    有名な「人民の、人民による、人民のための政治」という名言も、実はたまたま目にしたある牧師の演説集の言葉を言い換えたものであったように、リンカーンの演説は彼の旺盛な読書によって支えられていた。

    逆境にあったがために、幼いころから努力して、いつか名を挙げようと、そのことばかり考えていた伊能忠敬だから、はじめて日本全土を測量して地図を作るという大事業を成し遂げることができた。

    関心の度合いと動員されるエネルギーは比例するから、教育内容が生徒の関心に訴え、生徒の欲求に対応しさせすれば、その生徒は無限により良い成績を得るにいたるであろう。

    生まれて初めて羅針盤を目にしたアインシュタイン少年が、その針の動きに心を奪われたように、驚きを感じる心の作用が子供にとってもっとも大切であり、さらに肝腎なのはそこでその原因を考えることである。他人から教えられたことはすぐ忘れるが、自分で考えたことは、場合によっては、生涯、忘れることがないのだから、このような時に、親は子供から訊かれるまでけっして何も教えてはいけない。

    「自分自身の誤りは凸レンズをつけて見、そして、他人のそれは凹レンズをつけて見よ」(ガンジー)



    最後は大好きな戦国武将二人の言葉で。これはしびれる。

    「子の善悪邪正は、親の仕付けに寄る事なり。三歳以後は言語を教え、五歳以上は起居動静を指南し、七歳より手習いを勧め、八歳より読書させ、十歳に至りては、自他の応対送迎の礼式を合点さすべし。貴賤ともに、性は善なるものなれば、成長以後の行跡は、くわしき幼年の教導による事なり。」(武田信玄)

    「堪忍の事、身を守る第一に候。何事の芸術も、堪忍なくしては、いたし覚え候事もならぬものにて候。天道に叶う身の、我儘を致さぬ堪忍、天地の理に叶いて、先祖よりの一群一城を失い申さぬ堪忍、人和を得ても、我が気随をいたさぬ堪忍、その外身体悉く堪忍を用うる事に候。」(徳川家康)

  • 著者木原さんの視点を通して

    「偉人たちが子供のとき
    どんなかかわりを家族ともっていたのか?」

    「だから・・・どんな力が養われたのか?」

    ということを解説している一冊。


    偉人たちの家族とのかかわりには

    善悪が共存し、

    それを
    善として子供に残すか?
    悪として子供に残すか?
    あるいは
    子供に?成り行きに?任せるか?

    親の(あるいはその子供にかかわる人の)意思次第なのだなぁと感じた。

    親の行為の良し悪しは

    その子供と家族とのかかわりや
    そのときの時代背景や文化、
    子供の活動世界で
    それぞれであって、

    親の行為そのものから判断することは簡単ではないが、

    大切にしたい重要な親としての意思は定めることができるように思う。

    子供を持つ親として、
    部下を持つ上司として、

    自分の向ける意思、

    すなわち
    育てる相手への対面の姿勢を探す
    ヒントになる一冊かもしれません。

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著者プロフィール

1941年、東京に生れる。東京大学文学部ドイツ文学科卒業。著書に『ルイス・マンフォード』(鹿島出版会)、『大人のための偉人伝』『天才の勉強術』『人生を考えるヒント』『ゲーテに学ぶ幸福術』『人生に効く漱石の言葉』『死亡率百パーセントを生きる』(以上、新潮社)、『孤独の研究』『人生最後の時間』(PHP研究所)、『ぼくたちのマルクス』(筑摩書房)、『ゲーテ一日一言』(海竜社)など。訳書に、マンフォード『権力のペンタゴン』『解釈と予測』(共訳、河出書房新社)、『聖書の暗号』『ロゼッタストーン解読』(新潮社)など。

「2014年 『大人のための日本の名著50』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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