目からウロコのコーチング―なぜ、あの人には部下がついてくるのか? (PHP文庫 は 46-1)
- PHP研究所 (2008年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569670201
作品紹介・あらすじ
せっかくコーチングを学んだのに、現場へいくと「あれ?ケーススタディが役立たない!」-こんな人が多いのでは?本書では、多くの経営者・管理者を指導してきたカリスマ講師が、「実際に使うための」コーチングを平易に解説。「銀座NO.1ホステスに見るコーチング」など、ユニークな視点が満載で、類書につまずいた人でも「これなら使える!」こと請け合い。コーチング入門書の決定版、ついに文庫化。
感想・レビュー・書評
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部下の中に既に答えはある、上司はその事を信じて、部下が自分で答えに辿り着くことをサポートする。それが、コーチング。
正に、目からウロコでした。
上司の100%の答えよりも、部下が主体的に考え・行動した50%の答えの方が価値がある!
私も、部下を信じる事から始めようと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
プレイヤーから部下を持つようになり、どう仕事をやってもらえば良いかと日々頭を悩ませていた。自分の理想は部下が主体的に動いて成果を上げてもらうことで、自分がとにかく指示を出して部下を動かそうとは思っていなかった。そうはいっても行き違いが多くなかなかうまくできずにいた。そんな時、コーチングという言葉を知り本書を手にした。
上司は部下の中にある答えを引き出し、ゴールへ向かうサポートをするのが本来やるべきこと。コーチングとはそれを行うために、相手とのコミュニケーション方法を示したもの。コーチング能力の一つは相手にとって話を聴いてもらいたい人になること。相手に「聴く」ことが大事で自分の考えを相手に押しつけることではない。相手が持っている答えこそ一番の正解なのだと。上司は部下を自分より有能な人間に育てることが仕事である。
本書はコーチングスキルの具体的な方法などが載っていた。一番大事なのは相手を変えようとせず自分を変えることだと述べていた。自分のこれまでの上司像とは全く違っていた。自分の一番の気づきは、Iメッセージを使って伝えること。Iメッセージとは「わたしは~だと思う」「わたしは~だと感じた」といった、今ここでの自分の気持ちを伝えること。「あなたは~だ」は相手に拒絶されるし、傷付けてしまう。
本書でおもしろかったのは、銀座のホステスMさんを例に説明している所。なんの関係も無さそうだが、そのコミュニケーションスキルがコーチングになっているのだと気づかされた。人気のあるホステスには優れたコミュニケーションスキルが備わっているんだなぁと思った。
自分も部下に考えを聴き、答えを引き出し、受け入れ、ゴールにたどり着くサポートをすることを実施していきたい。自分が発言する際は、意識してIメッセージを使いたい。 -
部下は社内顧客である、という考え方が印象的だった。
指導するのではなく、ひたすら相手の話を聞く。相手の潜在能力を引き出せるような質問をする。 -
何となく知っていたコーチングだけど、ちゃんと本を読んだのはたぶん初めて。
「答えは、その人の中にある」というスタンスがまず大前提かつ最重要だなと思った。だからまずは相手の話を聞く、全部聴く、受け止める。そして質問を投げかける。アドバイスは求められたらするけれど、相手の行動を自発的に促すのがコーチング。伝えるのは、相手にこうしてほしいということではなく、自分がどう感じているか、というIメッセージ。コーチングの主体はあくまでも相手で、自分じゃない。わかっているつもりでもなかなかできてないことがたくさんあるので、この本でコーチングの基本を知ることができて良かった。 -
これは文句なしに素晴らしい本。KINDLEにしようか、紙の本にしようか迷ったが、紙にしておいて良かった。何度も読み返したい。
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内容は、すごく合理的で、なるほどということが多いのだけれども、本質とは離れるお話的な記述も多く、少しもったいないなと感じる。
もっと簡潔に記述すれば良いのに。 -
【コーチングを具体的な例まで出して説明】
コーチングに関する本の3冊目。これまでレビューした「コーチング」の本の中では、トップの一冊。コーチングとはなにか?という基礎のところから、実際コーチングを行っている中でぶち当たるであろう壁についても説明してくれている。
そのおかげもあってか、読み終わったあとに「自分でもできそうだな」という根拠のない自信を持つことが出来る。
「3分コーチング」と比較すると、この本はコーチングのやり方、ステップについて書いてあるものの、日頃どのように行うべきかについてはあまり書かれていない。それに比べると、3分コーチングは、こういう風にコーチングを初めて見るのがいいですよ!と書いてあるので、初めの一歩が踏み出しやすいというメリットがある。
結論から言えば、どちらも読み、上手く使い分けるほうがよさそうである。 -
相手の立場に立つことは愛、鏡になることが必要
復唱、相手の話を遮らない 聴くことは、相手の中に答えがあると考えている。
しゃべりながらじぶんの考えに気がつく
あなたとは異質ではないと理解させる。
コーチングは部下の心の状態にフォーカス
目標の設定と映像化、コーチが目標を設定しない。 -
コーチングとは相手の優れた能力を引き出し、前進をサポートし、自発的に行動することを促すコミュニケーションスキルであり、「答は、そのひと(相手)の中にある」という前提に立つことが重要であると本書は説きます。
コーチングでは、エゴイズムは捨てて、目先の効率にとらわれずに、相手を操作・誘導しようとしない心構えが必要だということがよくわかりました。
質問して、聴いて、受け入れるだけ。ただそれだけ−−。
ただそれだけができないことの背景もしっかりと触れられており、現役の管理職者にとっては、目からウロコというより、耳の痛い話も多いのではないかと思います。
つまらない威厳を振りかざして得意気になってしまう前に、そんなコーチングを妨げる管理職の幻想をもってしまう前に、できるだけ早く、若いうちに読むべき一冊、ではないか思います。
<目次>
1 コーチングとは何か〈注目される背景〉
2 部下を伸ばすコーチング
3 聴くことと受け入れること
4 承認〈褒めることと叱ること〉
5 Iメッセージの力
6 聴くことと信じる能力
7 コミュニケーションから生まれるエネルギー
8 ペーシングはコミュニケーションの入り口
9 コーチングを妨げているもの
10 達成目標のビジュアライズ
11 質問をクリエイトする
12 コーチングにおけるアドバイス
13 エネルギーロスを自覚する
14 コーチングのストラクチャー(構造)
15 相手の人生を主人公にする -
コーチングについて興味を持った人が最初に読むとよいと思う本。コーチングという枠組みにとどまらず、人のコミュニケーション全般に応用できる考え方やあり方が書かれているので、どんな人にも役に立ちます。
コーチングの良いところはスキルに偏らず、本当に心からの姿勢に重きを置くことです。小手先の技では体裁を為すだけになってなってしまいます。そうならないことをコーチングは大事にしています。
また、文章が難しくなくとても読みやすいので堅い本が苦手な方もぜひ。銀座のママを対比に使っている点がユニークです。