- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569691060
作品紹介・あらすじ
日本人が心に刻むべき、「処世の道」がここにある。悠々自適の心境と、現実を生き抜く術を語る人生書の古典を、心に響く言葉で翻訳、解説。著者のライフワーク、ここに結実。
感想・レビュー・書評
-
オーディオブックで聴取
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「菜根譚」は、前集225、後集135、合計で360の短い文章の集まりである。
その内容は、似通ったもの多いため、抜粋版やエッセンス版が多く出版されている中、本書は、「決定版」と銘打っているだけあって、そのすべてが載っている。そして、そのすべてに、原文、読み下し、平易な訳文、コメントがある。まさに「決定版」と名乗るのにふさわしい出来栄えと言えるだろう。
菜根譚を読むなら、抜粋版ではなく、初めから本書を読むのがお勧めである。
菜根譚自体は、短文なので、直喩や暗喩を含んでいると深読みすれば、いかようにも解釈することもできる。数が多いので、悩みのある時に読めば何かしら得るものはあるだろう。一方、平時の時に読めば、さほど得るものはないのではないだろうか。問題を抱えていたり、悩んだりしている時にお勧めの本であると言える。 -
明の洪自誠が説く儒教、道教、禅。
三つの教えが渾然一体となった古典。
菜根譚は中国よりも日本で人気が高いといいます。
四半世紀を経て、語釈が加わり解説がついた決定版です。
暇なときでも、ぼんやり時を過ごしてはならない。その効用は、多忙になったときに現れてくる。休んでいるときでも、時間をムダにしてはならない。その効用は、仕事にかかったときに現れてくる。人目につかないところでも、良心をあざむいてはならない。その効用は、人前に出たときに現れてくる。
閒中に放過せざれば、忙処に受用あり。静中に落空せざれば、動処に受用あり。暗中に欺隠せざれば、明処に受用あり。 ー 102ページ
最高に完成された文章は、少しも奇をてらったところがない。ただ、言わんとすることを過不足なく表現しているだけだ。
最高に完成された人格は、少しも変わったところがない。ただありのままに生きているだけだ。
文章は極処に做し到れば、他奇あるなし。只だこれ恰好のみ。人品は極処に做し到れば、他異あるなし。只だこれ本然のみ。 ー 119ページ -
過去に一読したことはあったけど、久しぶりに読んでみたくなったので読んでみた。昔読んだときはあまりピンとこなかった項目も多かったけど、今読み直して見ると、年齢が中年になったオイラ的には、割と参考になる話が多かった。
中庸を目指したり、足るを知る、というのは人生を生きていく上で大切なんだよな、と改めて思ったりした。このタイミングで読んで正解でした。また、昔の人の悩みも今の人の悩みも同じだよなぁ、と安心したりしました。
10年後くらいに読み直してみると大きく印象が変わるんだろうな、と思う。そのときの自分自身が益になる文章が確実に読めると思うので。 -
短いフレーズに解説が連続し、抽象的なので若い人には退屈だと思う。中年以降だと、いろいろと思い出すきっかけになると思う。知識を得るというよりもツールだと感じた。
-
処世術に関するつぶやき集です。
名声を得た人や成功した人への自戒、どん底に落ち込んだり失敗した人への助け舟、となる本です。
書いてある内容すべて実践すると矛盾した人間になります。なので、この本の中らか納得いく部分だけつまみ食いするのがいいかと思います。
1.この本を一言で表すと?
・読むたびに深みがでてくる「生き方」本
2.よかった点を3〜5つ
・前集13 一歩下がって道を譲る
→謙譲にも綿密な計算が必要という視点は初めて聞いた。
・前集110 新しい友人より古い友人
→最近、SNSで古い友人と会うことが多く、その大切さを感じている。
・前集151 無理をしない
→苦しみを取れば自然と楽しくなる、という考えは前向きになれる。少し肩の力を抜いてくれる言葉。
・前集220 口は心の門
→発言には慎重になりたい。
・後集29 退くことも考える
→常に最悪の自体を想定することが被害を最小にできる。コンティンジェンシープランと同じ考え。
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・前集93 私恩を売るだけでは
→著者解説が、いいように期待しすぎ。
・前集179 正しい道につかせる
→私には難しい。著者解説のとおり、避けるのもありではないか。
3.実践してみようとおもうこと
・歳をとった時に再度読み直したい
4.みんなで議論したいこと
・どれくらい実践できていますか?
5.全体の感想
・後集のほうが、レベルが高く、私はまだまだ到達できない感じがしました
・どれも短く簡潔に書かれた文章でよみやすい
・作者の洪自誠は、儒・仏・道の三教に精通していたそうなので、それぞれのいいとこ取りをした感じがする -
経営者の方々が、教えを示す読む本としてあげている菜根譚。SBIの北野会長は中国古典に教えを請う、菜根譚を良書にあげていた。45を超えた、熟年度を増して来た今、人として尊い生き方をしたいといっそう思うようになって来て読んだ。原文のままだと、深い理解は難しいと思う。守谷氏の解説がわかりやすい。前半は生き方の知恵 実践編、後半は、人生における謙虚な心の持ちよう というように分けられる。というのは、特に後半は、同じような教えの言い方を変えただけのものが続く。例えば、粗末な住居に住んでいても、心の持ちようで心を豊かに出来る等々。だから後半は少し飽きが来るし読み飛ばしがちになった。
-
折に触れて数編づつ読み進め、およそ1年ほどかけて通読した。
その時々の気の持ちようによって、しみじみと感じ入ったりピンとこない時など様々。
しかし、あくせくした日々で思うに任せぬことも多い中、凛として生きていこう、目の前を見つめて日々過ごそうと思い至る時間が得られただけでもよかった。
一読して終わりの本ではないので、また日々手に取ってみたい。 -
評判倒れ。書いてあることはありきたりすぎて、読む価値はない。ただし私は齢50を迎えようとしている人間なので、そのように感じるだけかも知れない。人生経験がない若い頃に読んでいたらもっと違う感想になったとも思うが、いずれにしても今の私は何も感銘を受けることがなかった。特に守屋氏が一つ一つの文章につけているコメントがあまりに陳腐。少なくともコメントは読む価値なし。