全一冊 豊臣秀長 ある補佐役の生涯 (PHP文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (761ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569763439

感想・レビュー・書評

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  • 歴史小説の面白さを教えてくれた一冊。

  • 豊臣秀吉の実弟にして補佐役を務めた豊臣秀長の人生を描いた歴史小説。とても面白かった。小説の書き手としての素晴らしさもさることながら、著者の歴史に対する丁寧な理解と豊臣秀長への愛着が伝わる的確な思考に触れ、「この人は日本史、豊臣秀長が本当に大好きなんだな」と思い、好印象を覚えた。

    そして、豊臣秀長。数ある文献の中でも、その名が記されているものは少ないそう。それでも、その貴重な記載から浮かび上がる補佐役としての優秀さ、兄を支える影の存在に徹底し、面倒で厄介な仕事を粛々とこなす肝と力量。輝かしい実績を持つ人の裏には、いつもこういった人がいるんだろうなと、妙に納得してしまった。

    好きな戦国武将(?)リストに、豊臣秀長の存在がしっかり刻み込まれました。

  • 菅総理の座右の書と見たので購入。

  • 豊臣秀吉の弟で、たぐいまれな補佐役だった豊臣秀長に光を当てた作品。分冊文庫もあるけど1冊版を買ったら760ページ以上で片手で持って読むのもしんどい(笑)、ポケットにも入らない(笑)。長くて重い本だったけど面白かった(^^

    大河ドラマ「秀吉」の原作にもなっているだけに読んでいても登場人物が竹中直人だったり、高嶋政伸に見えてきます。

    強力なリーダーや指導者に優秀な補佐役。軍師より参謀に近いと言えますが、この物語での秀長の立ち位置は参謀よりやはり補佐役が似合っている感じです。

    じゃ、完全に補佐役かと言うと、むしろ最近のリーダーシップのひとつとして挙げられるようになった「サーバントリーダーシップ」(リーダーはまず相手に奉仕し、その後相手を導くものである)の素養があったと言えるでしょう。「支配的なリーダー」ではなく「支援的なリーダー」と言う事で、この男がいたから秀吉は天下を取れたと言うテーマに則った作品です。

    とは言え、この時代のことですから織田信長の天才ぶりにもことあるごとに触れています。ある意味、もっとも支配的なリーダーの見本のような織田信長と、その家臣(秀吉)の家臣である支援型リーダーの典型である秀長を対比させることで、より秀長のサーバントリーダーぶりが際立っている演出かもしれません。

    大河ドラマ「秀吉」をまた見てみたくなる1冊。

  • 思い切ってもう少し想像的なエピソードを入れてフィクション寄りにしてもよかったのでは。
    ほとんど信長の史実紹介のようになってしまって残念。

  • 800ページ近いので、文庫カバーがきつきつだった。
    ボリュームに負けない内容で、読み応えアリ。秀吉の弟がこんなに凄かったとは。

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著者プロフィール

堺屋太一

一九三五年、大阪府生まれ。東京大学経済学部卒業。通商産業省(現経済産業省)に入省し、日本万国博覧会を企画、開催したほか、沖縄海洋博覧会や「サンシャイン計画」を推進した。在職中の七五年、『油断!』で作家デビュー。七八年に退官し、執筆、講演、イベントプロデュースを行う。予測小説の分野を拓き、経済、文明評論、歴史小説など多くの作品を発表。「団塊の世代」という言葉を生んだ同名作をはじめ、『峠の群像』『知価革命』など多くの作品がベストセラーとなった。一九九八年から二〇〇〇年まで小渕恵三、森喜朗内閣で経済企画庁長官、二〇一三年から安倍晋三内閣の内閣官房参与を務めた。一九年、没。

「2022年 『組織の盛衰 決定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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