県知事は小学生? (カラフルノベル)

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569789125

作品紹介・あらすじ

悪徳知事がぼくの身体に入ってきた件! 飛行機事故をきっかけに小学生と県知事の人格が一つの身体に同居して……学校は? 県政は⁈

感想・レビュー・書評

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  • 悪徳県知事の心?魂?が小学生の体に同居しちゃう!
    そんなの読まずにはいられないー!
    ただの政治家じゃなくて悪徳!気になり過ぎる!
    表紙の可愛さもあり、ドタバタコメディなんだろうなと開いてびっくり、米軍基地や原発といった社会問題をガシガシ入れて来る。
    選挙とは、住民投票とは、といったことが小学生にもわかりやすく伝わる。
    大人はもっと学んで参加しなきゃと背筋が伸びます…。
    知事がそこまで悪徳じゃなかったのはちょっと肩透かし(まあそんな悪い政治家、子ども向けに書けませんよね…)だったが、面白かった。

  • 米軍基地のある町に米軍ヘリが墜落し、県知事と小学生が巻き込まれたあと、知事の意識が小学生の中に入り込んでしまう話。

    事故などをきっかけに、人格が入れ替わる話は過去にもあるけれど、この話には、オスプレイや原発再稼働、主人公が母子家庭で、母親は正職員じゃないから貧乏だと言ったり、現実の問題がそのままの言葉で書かれていて、それはこういう小説にはどうなんだろう、とも思います。

    特に、米軍ヘリ墜落というと、私はどうしても、過去に横浜の民家に墜落した実話を読んだことが忘れられないので、人格が入り込むきっかけを普通の交通事故ぐらいにしてほしかったなあと個人的には思いました。

  • 高学年向き
    社会問題や政治を考えるきっかけになる本

    事故をきっかけに現職知事の人格が小学生男子の体に宿っちゃってどうなる⁉︎
    原発やアメリカ軍基地など社会問題について考える話。住民投票など、政治の勉強にはなるけどお話としてはおもしろみにかける。

  • 県知事と一緒に事故にあった小学生に、県知事のたましいが乗り移るっていうのがおもしろかった。
    県知事は、最初感じの悪い人だったけど、小学生と話しているうちに、格差でいうと下の方の人の生活や考えがわかってきて、少しずつ変わっていった。
    小学生の体のまま、着ぐるみを着たりボイスチェンジャーを使ったりして、記者会見を開いた場面は、正体がばれちゃうと思って、すごくハラハラした。
    政治家って悪い人ってイメージがあるけど、いろんな人がいて、いろんな見方があって、政治って難しいなって思った。(小5)

  • コロナ禍になり、ニュースなどで目に耳にする機会が増えた‘知事’。

    そんな‘知事’が何をしている人達なのかをわかりやすく紹介する…という訳でもないようだ。

    中立・公正な視点でないことが何よりも残念。

    政治家=金に汚いイメージを出す意図だろうが…、杉田から受け取った百万は結局何に使ったのか?

    米軍基地問題、オスプレイ導入、原発再稼働問題、貧困格差問題。それらを取り上げるのは良い。
    が、この本を通して何を子供たちに伝えたいのか?見えてこない。
    全部知事のせい、全部やめちまえばオールオッケー、という事を筆者・編集者は言いたかったのか?


    1刷
    2021.1.18

  •  米軍ヘリの墜落事故に巻き込まれた県知事と6年生の尊憲。病院で目覚めると、尊憲の脳内になんと県知事の声が!
     知事の体は病院で意識不明状態で、意識だけが尊憲の体に入り込み、二人の意識は眠るたびに交替で表に出るらしい。こんなこと誰にも信じていもらえるはずがない!

     学校でバレないかとヒヤヒヤする尊憲の気持ちをよそに、言いたい放題の知事。幼なじみの和奏に疑われ始めてしまう。

  • 黄川町で米軍ヘリが墜落。
    大井県知事が負傷。
    ほかの重軽傷者5名には小学生も。
    (Xネットニュース 4月9日午後8時配信)

    事故に巻き込まれた6年生の中林尊憲の中に
    いっしょに事故にあった県知事大井政作の意識が入り込み
    眠るたびに話したり行動したりする主体が入れ替わるようになってしまう

    評判が悪い“悪徳知事”の大井は尊憲の学校生活に戸惑い
    尊憲は入れ替わりを隠し変装して県知事の記者会見に臨む

    よくある入れ替わり譚とは異なり
    一人の中に二人の人格が同居する奇妙な二人三脚生活が向かう先は……

    原発、基地、格差、選挙などリアルな社会問題がとりあげられ、社会と政治に目をむけるきっかけになる

    高学年の社会科学習、公民教育にも役立つ濱野京子の社会派エンターテインメントはPHP「カラフルノベル」レーベルから

    主人公「尊憲」、尊憲の幼なじみが「和奏」で尊憲の母親が「民世」
    登場人物の名前に著者の意思があらわれている

  • ある事故に遭遇した、悪名高い県知事と普通の小学生男子、中林君。
    中林君が目覚めると、県知事の意識が自分の中にある?!
    設定だけでもぐっと引き込まれた!
    中身には、原発問題だったり、貧富の格差問題だったりが取り上げられて。
    しかも、友情や愛情も描かれていて。
    最後は、うっかり泣きそうに。

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著者プロフィール

熊本県に生まれ、東京に育つ。『フュージョン』でJBBY賞、『トーキョー・クロスロード』で坪田譲治文学賞を受賞。主な作品に『トーキョー・クロスロード』(第25回坪田穣治文学賞受賞)、『この川のむこうに君がいる』『with you』(ともに青少年読書感想文全国コンクール課題図書選出)、『石を抱くエイリアン』『南河国物語』『Mガールズ』ほか、「レガッタ! 」シリーズ、「ことづて屋」シリーズなどがある。

「2023年 『金曜日のあたしたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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