挫折力―一流になれる50の思考・行動術 (PHPビジネス新書)
- PHP研究所 (2011年1月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569791968
感想・レビュー・書評
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ストレスに慣れていくうちに、ストレス耐性が強くなる
あらゆる運命を受け入れる
自分自身の人生を生きる
困難に陥った時に必要なのは足し算よりも引き算詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
挫折に関する考え方も勉強になるが、組織の中の人間関係についてとても勉強になった。
刺さった言葉「人間は感情と立場の奴隷」 -
東京大学法学部を卒業し、司法試験も受かった著者が歩いたいばらの道。祖父、父のという身近な存在の生き方も壮絶だ。そんな著者の挫折をものともせず、楽しめという箴言。
彼の経歴が言わしめる迫力。正しいか正しくないか、それは読者が信じるか信じないかだ。
冒頭、内村鑑三氏の「最大遺物」が紹介された。
志ある若者が、この本を読み、わが人生を「最大遺物」する可能性を高めることを望んで止まない。 -
いい人のリーダは、会社全体の未来の為には、創業の同志、社員、OBからの憎悪を一身に受けてもかまわないという覚悟がない。だから、情に流されて決断のタイミングを逃す。その結果、倒産に至り、より多くの人の人生を壊すはめになる
学校の試験では、正解は基本的に一つだ。そして、それ以外の答えはすべてXになる。それが高ずると、あらゆる問題には唯一絶対の正解が一つあり、それ以外はすべて間違いなのだという意識が芽生えてしまうのだ。インテリほど罹患率が高く、しかも本人にはその自覚がない
城山三郎 広田弘毅 風車、風が吹くまで昼寝かな
最低限飯が食えて、夜露がしのげる場所があれば、人間は基本的に行きていける。いや、そのことのありがたさが見に染みていれば、たいていの失敗や挫折は受け流せるものだ。挫折や不遇をそうやって受け流してみると、生きていくことに不思議と自身が湧いてくる。とくに左遷なんていうのは、ある意味、責任のない立場への島流し。人生においては格好の充電、神様がくれた学び直しのチャンスである
安藤忠雄 連戦連敗
負け戦に直面している困難な状況における決断は、失敗における焦りや問題状況からくるストレスから開放されたりあまりに拙速に決断してしまうケース、逆に決断する勇気がないという理由だけで不合理な先送りをするケースのどちらかが大半だ
ユダヤの格言 人生の最後に自問すべき命題として、「お前はお前自身の人生を行きたか?」
厳しい状況にあってほとんどの人間が剥き出しにするのは、「性において弱い」という本性だ。そう「性弱説」に立って人間を見つめるのが私は正しいと思う
どんな格好のいいことをいっても、難しい議論を展開しても、現実の人間は、性格と自分自身の根本的な動機づけ要因からは自由になれない。この2つに人間は弱い
鬼平犯科帳 長谷川平蔵 人間というものは、良いことをしながら、悪いことをしている
善悪一如 人間の悲劇の多くは、善良なる動機づけからもたらされる
悪い情報、耳の痛いことを、本当に大事な局面で伝えてくれる友こそが、本当の友である
最も困難なことは捨てる決断なのだ
撤退戦はなるべく早期に始めなくてはならない。まだまだ勝機があるようにみえるのに撤退するというのは、スタッフには受け入れがたい。撤退を決意したリーダーは社内では叩かれ、下手をすると経済誌など社外でもたたかれることもある。それでも組織のためを思えば、リーダーは捨てるを選択しなくてはならないのだ。
撤退戦が見事だったのはインテル(アンディ・グローブ)。半導体メモリから撤退し、その資源をCPUに集中。CISCからRISCかというときRISCに集中
西郷は改革時のリーダとしては限界があった
選択と集中の本質は捨てることであり、それは心の強さが求められる。若いうちから心を鍛えておけ
捨てることが出来ない人には、捨てることは自由になり、新たな希望を手に入れることと考えて、その恐れを排除していこう
自由とは失うものが残っていないことの代名詞(ジャニス・ジョプリン)
変化に対応できない人の口癖 あのころはよかった
もしあなたが知らず知らずのうちに、「あの頃は」「昔は」という言葉をつかっていたら注意すべきだ。変化に対応する力が鈍くなっているかもしれない
「昔はよかった」「今の若い連中は」と言い出したら、それはヤキがまわりだした証拠である
注意すべきは、「好きか嫌いか」と「向いているか向いていないか」は全く別物であるということだ -
挫折力とは、自分の能力以上のこに挑戦した証拠である
弱小、内紛まみれのダメ組織の中で育った人間ほど、権力を操るマキャベリズムと、権力に破壊されないアート(術)を身につけられる -
本書は著者の体験談から挫折力という一風風変わりな考え方を示す一冊である。
著者は、IGPI代表の冨山氏であり、3度目の挑戦で司法試験をパスしたが、コンサルという道として、BCGに入った後に、再建案件を手がける。途中でスタンフォード大学にてMBAを取得するという、風変わりでありながら、とてつもなく超エリートなコースであり、次元が違うと思ってしまう。しかし、著者は挫折を経験することでそれが力になるという。華やかな経歴の持ち主でありながら、裏ではものすごく努力もしているし、ものすごく危機的な状況を経験しているのである。
リーダになる人間は、挫折をバネに、失敗をバネに伸ばしている。メンタル的にも強くならなければならないと教えてくれる内容である。恐れ入った。 -
要は、若いときの苦労は買ってでもしろということの理由を、理論立ててかつ作者自身の経験と紐付けて説明している本です。
ただ、苦労したくてもそもそもそういう環境になかなか出くわすことができないので、その辺をどうにかする方法も教えてくれよと思いました。
あとタイトルが恥ずかしい。別に一流になりたいわけではないので、安っぽい副題はやめてほしいです…。 -
・挫折力=挫折を愛し、乗り越え、活かしていく力。
・「挫折をしない人生ほど窮屈でつまらないものはない」「挫折をした人だけが、実り多い豊かな人生を送れる」「積極的に挫折を体験し、それを乗り越えることで、これからの時代に通用する力を身に付けよう」
・挫折とは、ある意味、能力以上のことに挑戦した結果である。それが人としての伸びしろとなる。挫折すれば、反省し、学習もする。けなされ、叩かれ、厭味をいわれるし、人間同士のヒリヒリした場にも身を置くことになる。それは一時的には辛い経験であっても、長い目でみれば悪い経験ではない。むしろ、難所を切り抜ける貴重な経験になる。
・松下幸之助をはじめとする日本の大経営者たちも、さらには劉邦、カエサル、ワシントン、毛沢東、レーニン、チャーチルと、世界史を飾る有名人たちも同じ。彼らの若い時代は、ほとんど敗北につぐ敗北、命拾いにつぐ命拾い。挫折の繰り返しが、彼らをして後年、現実の改革や大事業を成し遂げる闘争能力を培ったのである。
・敗因分析は多くの人が「なるべく失敗は振り返りたくない」という心理が働いて苦手としているところだ。そこで思い切り都合よく、過去の失敗した自分は今の自分とは違う人間、別人格だと考えて自己観察する方法は以外と気楽にできる。
・ストレス耐性をつけるのは、年ととればとるほど難しくなる。厳しさに慣れる能力はどうしても低下するし、いろいろなものをたくさん背負うようになっているので、ストレスそのものが大きくなってしまう。できれば若いうちから慣らしていくことが望ましい。
・挫折と折り合っていくうえで、「挫折仲間」を自分の身近にもっていることは大事である。おそらく社会的地位や富とは関係なく、人生のいろいろな失敗やつまづきについて、深い経験をもつ人を友人でも、師でも、あるいは家族でも持つことが、いざというときに大変な救いになる。
・メメント・モリ=死を忘れるな。死はすべての人間に平等にやってくる。この地平に立つと、運命の女神に嫉妬すること自体が馬鹿げてくる。いや、大抵のこだわりや煩悩が実はどうでもいいことだと気がつく。きっと気持ちはぐっと楽になり、物事を見る目は透徹になってくるものだ。すると世の中の評価とか、他人との比較よりも、自分自身の人生を生きることことそが大切だという、シンプルな真理が自然に見えてくるものだ。苦しい状況で何を選び、何を捨てるかの優先順位も見えてくる。そうなるとストレスの原因の大半を占めるトレードオフや板挟みの苦悩からも解放されるのである。
・「選択と集中」の本質は捨てることであり、それは起ころの強さを求められる。若いうちから心を鍛えておけ。