- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569800776
作品紹介・あらすじ
「神奈川県からエネルギー革命を興す」ことを旗印に、実際に知事として選出された著者。「脱原発」を唱え、原子力発電に依存しない社会づくりをめざす。そのために、太陽光発電や風力発電、水力発電などの再生可能エネルギーの普及を促進させるという。また、エネルギー効率を高め、環境への負荷を低下させたスマートシティの方向性を打ち出す。「圧倒的なスピード感」を県庁に浸透させ、県民の総力戦を訴える。「創エネ・少エネ・蓄エネ」というフレーズで解説した自治体発の「エネルギー革命」宣言の書である。
感想・レビュー・書評
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全体的に情報が浅い。
幅広い分野を取り扱おうとしているから、全てがつまみ食いで情報が、アバウト、しっかりとした分析が出来ていないから本質が見えず、比較・議論の対象にならない。
EV車とガソリン車との比較については、自分もどちらが本当に環境に良いと言えるのだろうと思っていたため、話題にあげてもらっていて勉強になった。しかし例が極端。大型特殊車などの特殊用途車まで全てひっくるめて換算してしまうのはどうなのか?
長距離且つスピードが求められる業務用長距離トラックなどは、今のEV技術では到底乗り換えることは出来ない。
もちろんこの点には本の中でも言及しているが、例えば半分が置き換わるとしても原発15基って、ちょっと乱暴過ぎないか。
しかし逆に言えば、現存するエネルギーを網羅しており、全てに著者の考えを主張しているため、読んでいて自分も考える切り口にはなる。
読者は本書を世の中のエネルギー知識の目次として読み、その中で特に興味をもてたものについてより深く勉強する、そういった役割として使える本だと思った。
EVについて。
結局温暖化防止なのか、省エネなのか。「何のために」何を一番の目標とするかをまず決めることだと思う。温暖化防止のためにEVにしたとして、EV車を作る過程で火力発電所を大量に増設しフル稼働した場合はどちらのほうが環境に悪影響を与えるのか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分とこの知事が言ってることの断片くらい知っとこうと思い、読んだ。
エネルギーの基礎入門書と言えそう。
要勉強 -
神奈川県の黒岩知事が書かれた本です.神奈川県におけるエネルギー施策に関して詳細に書かれています.分かりやすく,元気をもらえる本です.学生さんが読んだりするのにちょうどいいかな?
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「地産地消のエネルギー」とは別の本。
中身は殆ど太陽電池の話。知事になるまでのやりとりだとか、各種再生可能エネルギーの解説メインで、やや拍子抜けです。
エネルギーの本の姿を借りた立場の宣伝に見えます。各エネルギーの解説も、ちょっと不十分かな。 -
本書は、原発事故後の今後のエネルギー転換を見通す内容で、よく整理された構成と簡潔な説明で再生可能エネルギーの「創エネ」、スマートグリッドなどの「省エネ」、蓄電池やEVなどの「蓄エネ」の内容を理解する入門書として最適です。各種のデータや情報を集めているので、コンパクトなデータ集や事例集として手元に置いておくのもよいかもしれません。
個人的には冒頭部分の知事就任までのストーリーはあまり斬新さを感じませんでした。その意味でも創エネ・省エネ・蓄エネの解説をしている後半が有用だと思います。また、全体として歯切れの良い内容ですが、最後の送電分離論などは電力会社(東電)や産業界に配慮した姿が行間に垣間見えます。 -
神奈川県知事。県知事選には投票に行ったはずなのですが、あまり知事の県政の方針は知らず…(誰に投票したかも覚えていない)。蓄電のことを棚において論じられていたような気がするのが、少々気掛かりです。趣旨には強く共感します。
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どんな技術にでもリスクはある。
神奈川県からがんばって新しいエネルギー革命を起こしてください。
IT空間は仮想空間なのだが、リアルの世界では電気エネルギーで成立している。クラウドはものすごい電気を消費する。
データセンターもトラヒックも半端ではない。 -
元「報道2001」キャスターで、今年4月より神奈川県知事を務める黒岩祐治氏が、神奈川県からのエネルギー革命「かながわソーラーバンク構想」を紹介する。
ソフトバンクの孫正義氏や多くの都道府県などを巻き込んだプロジェクトに、ちょっと感動した。
「創エネ・省エネ・蓄エネ」という観点から、最近の「地産地消型」のエネルギーの現状等を紹介しながら、さまざまな「脱原発」(「反原発」ではなく)のためのプロセスなどを示す。
素人でもすぐに理解できる良書だと感じた。 -
「創エネ・省エネ・蓄エネ」をコンセプトにする神奈川県のエネルギーに対する取り組みを、現職の県知事が紹介する。反原発ではなく、「脱原発」であることを強調しながら、太陽光発電を中心に、水力、揚水、LNGコンバインドサイクル、地熱、温泉熱、風力、バイオマスなど、様々な再生可能エネルギーにも言及する。横浜市が、経済産業省の提案する「次世代エネルギー・社会システム実証地域」4都市の中でも最大の事業規模を誇るだけあって、スマートシティ構想など、次代の電力供給のしくみやライフスタイルのあり方といったリアルタイムの話題についても熱く語られている。