空海は,すごい 超訳 弘法大師のことば

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569816814

作品紹介・あらすじ

この人を見よ、空海の仏教こそ世界最強の宗教であった――空海の遺された言葉を厳選収録し、即身成仏、悟りの思想の本質を説く。

感想・レビュー・書評

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  •  相変わらずプロフィールがめちゃくちゃ長い怪物だけれど、わかりやすいし、面白い。今は、科学の知識も情報の世界も容易に想像できるので、悟りを理解できるのはたやすく、むしろ悟りからはじめようと述べているのは共感する。「悟り」というものを、どこまでいっても辿り着けないものとしてしまい、それによって、悟りを使って人をマインドコントロールできたりすることが可能なのだから、洗脳されずに、「悟りとはちょっと勉強すればできる」ことなので、むしろ「悟ってしまってください」と彼は言う。悟りのハードルを永遠の彼方にするのではなく、例えば、親鸞と空海の共通性=念仏だの修行の量ではなくて、仏を受け入れられるのかどうか、や、縁起=この世に完全なものなどない、生起するものに実体はないというものは、今であればキリスト教や超ひも理論などの簡単な概略の知識があれば何となくわかる・・・・・・悟りを宗教の本来に戻そうとしているのが苫米地氏の仕事ではないかと思う。
     論語を洗脳法と彼が言っているように、儒教的な、師の絶対性、辿り着けない境地というものを、ぶっつぶすことが苫米地氏の自己啓発の目的だと思います。アンチ自己啓発ではなく、「アンチ・アンチ・アンチ・・・・・・自己啓発」な人です。

  • 世界宗教における密教の位置づけや、空海の思想が、全くの密教初心者にもわかるように解説されている。
    著者は原典を読んでいるだろうし、キリスト教や仏教等の世界宗教をも研究しているから書けるのだと、頭が下がる。
    実はこれ1冊で宗教研究者の頂点にたてるのではという程の知識量ですから、読む価値ありでしょう。

  • 苫米地氏の怪しげな経歴とメディア出演時の「ドヤァ感」が苦手な人も一定層いるんでしょうけれど、
    密教とはということを体系立ててスッキリと書かれていて、
    また、他の真言宗や空海の書とは違って大胆な親鸞やキリスト教との比較を踏まえて、
    宗教とは…そして世界的に見ると相通ずる点があること…も踏まえて解説してくれます。
    他の真言宗の本に比べてわかりやすい。

    そしてもっと知りたくなる。

    良書だと思いました。

  • 一朝一夕で密教を理解するなんて不可能だとは思うが、もう少し深いところまで語られているかと期待してしまった。密教に関して知識ほぼゼロの自分にとっては「続き気になる」感が湧いてきた。これをきっかけに他の密教系の本、読んでみようかなぁという気になった。
    汎神論に関して特に気になった。

  • キンドル版を購入した

  • 「超訳」の名にふさわしい大胆で明快な解説。ベースがしっかりしていて高いところから俯瞰できているのが良くわかる。
    このような宗教観と自身で数多出版している成功本とで、スタンスがぶれてないのが筆者の怪人たる所以か。

  • ★★★★☆

    仏教には興味があって、自分のレベルに合ったものからちょっと背伸びしたものまでいろいろ手を出してはいたんだけど、日本の宗派仏教に関してはあまり興味が持てなかった。

    どうも釈迦の教えとは違う、というかだいぶ離れちゃっているんじゃないかという印象があったから。

    苫米地英人が空海についての本を出すと知ったときも最初はあまり食指が伸びなかったのだが、あるときふと「最近苫米地要素が足りてないな」と思ってそんなに期待しないで購入してみた。

    おみそれしました。

    なるほど、空海はそういう意図でこういうことをしていたのか。

    僕が釈迦の教えに興味を持ったのはそれが宗教っぽくなくて、どちらかといえば哲学に近かったからだ。

    つまり、キリスト教のような「まず無条件で信じることから始めないと神の痕跡は見えないよ」みたいな信仰の跳躍を必要としないところが良かったのだ。

    ただ、哲学的であるのはそういうことに興味がある人にはわかりやすい半面、一般の人には敬して遠ざけられやすい。

    著者いわく、空(くう)とか縁起(えんぎ)なんていうことをいくら話しても庶民の興味を引くことはできない、と考えた空海が、知恵を絞った結果が、象徴としての大日如来や、実践し易いさまざまな儀式だったというのだ。

    さらに空海がすごいのは、それまで世界は地・水・火・風などの要素でできているといわれていたが、そこに空(空間の意)と識(意識)の2つを加えたことだ。

    特に重要なのは識の方でいうなれば、これは情報空間のこと。

    哲学好きな友人に聞いたところ、アリストテレスからこっち、物理空間と情報空間を別個に論じる人はいても、それらを統合して世界を論じた人は結構後の方にならないと出てこないので、この時点でそういう考え方ができていたとすると空海は相当すごいのだそうだ。

    例によって僕のレベルでは、少し専門的な話になるとついていけなくなるところもあるが、これは読んで損はない、というか相当得する本といえるだろう。

  • 自分が十代の頃「映画 空海」を映画館へ観に行って、描かれた「真魚」まなさんに、「やさしさ」を、教えてもらった記憶があります。その後は、書家弘法大師様、自分の罹病体験から、祖母が「鏡島弘法」に、孫の「病気平癒」をお祈りしていた事実を「耳にする」ことによって、「なむだいしへんじょうこんごう」を知り、現在は、「高家寺」に寄せていただく「ご縁」を有難く感じています。とにかく、空海さんが好きなのです。苫米地さんの「とらえかた」、好きです。

  • 空海の高い業績を示し、その思想に触れさせてくれる。
    世界宗教としての一神教⇒汎神教という点や、他力本願により仏教を世界宗教のレベルに高めた親鸞を踏まえた上で、真言密教の大日如来=法身=識(意識)、即身成仏、現世利益、悟りからはじめよ、などが説明される。
    空海のすごさを理解している著者は、インドの密教寺院の僧院長でもあるということで、苫米地さんもすごいと思った。
    14-70

  • 空海について、世界の宗教について知る入門として、難しい内容をできるだけ易しく案内された。
    他の空海本も読んで、もっと理解を深めていきたい。

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著者プロフィール

認知科学者(計算言語学・認知心理学・機能脳科学・離散数理科学・分析哲学)。
カーネギーメロン大学博士( Ph.D)、同 CyLab フェロー、ジョージメイソン大学C4I&サイバー研究所研究教授、公益社団法人日本ジャーナリスト協会代表理事、日本外交政策学会会長、コグニティブリサーチラボ株式会社CEO 兼基礎研究所長。マサチューセッツ大学を経て上智大学外国語学部英語学科卒業後、三菱地所へ入社、財務担当者としてロックフェラーセンター買収等を経験、三菱地所在籍のままフルブライト全額給付特待生としてイェール大学大学院計算機科学博士課程に留学、人工知能の父と呼ばれるロジャー・シャンクに学ぶ。同認知科学研究所、同人工知能研究所を経て、コンピュータ科学と人工知能の世界最高峰カーネギーメロン大学大学院博士課程に転入。計算機科学部機械翻訳研究所(現 Language Technologies Institute)等に在籍し、人工知能、自然言語処理、ニューラルネットワーク等を研究、全米で4人目、日本人として初の計算言語学の博士号を取得。帰国後、徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長、同ピッツバーグ研究所取締役、通商産業省情報処理振興審議会専門委員、早稲田大学研究院客員教授などを歴任。また、晩年のルー・タイスの右腕として活動、ルー・タイスの指示により米国認知科学の研究成果を盛り込んだ最新の能力開発プログラム「 TPIE」、「 PX2」、「 TICE」コーチングなどの開発を担当。その後、全世界での普及にルー・タイスと共に活動。現在もルー・タイスの遺言によりコーチング普及及び後継者として全世界で活動中。一般財団法人サヴォイア王家諸騎士団日本代表、聖マウリツィオ・ラザロ騎士団大十字騎士。近年では、サヴォイア王家によるジュニアナイト養成コーチングプログラムも開発。日本でも完全無償のボランティアプログラムとして「PX2」と並行して普及活動中。

「2023年 『新・夢が勝手にかなう手帳 2023年度版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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