- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569843698
作品紹介・あらすじ
国民国家、宗教紛争、帝国主義、世界大戦、移民問題……。フランス史を知れば、世界史や現代社会の問題がわかる。現代人必読の教養書。
感想・レビュー・書評
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フランス旅行前に頑張って読んだ。
世界史にある程度精通している人なら楽々読めるのかもしれないけど、恥ずかしながら無知なので難しい部分もあった。それでも大体の部分は理解でき、たまに挿入されている地図や絵画なども良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
このシリーズの中国史が分かりやすく、ではフランス史も…と思っていたがどうしても分からない…。
文化なのか似た名前が多いからなのか…出直す必要がありそう。 -
マリーアントワネットの日記を読んで、フランス史に興味が出て購入。
ケルトからEU成立までの2000年を超える歴史が400ページほどでつらつらと綴られている。
高校で世界史を学んでいたが、人名や地名といった固有名詞を記憶していただけで、いざ説明をするとなると「ナポレオンはすごい人」「ルイ16世とマリーアントワネットは悪い人」ぐらいしか言えなかったので、そういった覚えているだけの固有名詞たちに本書のおかげでたくさんの情報を紐づけることができた。本はいつもノートをとりながら読んでいるのだが、40ページを超えたぐらいだ。
読んでて楽しかったのは中世から絶対王政が始まる前。人名は「○○何世」しかいなくてややこしく、出来事は冷静に考えてみたらむちゃくちゃしてる感じが大好き。百年戦争や聖バルテルミの虐殺あたりが勢いあっておすすめだ。
学生の時は苦行だった中世が楽しく読めたのは、本のはじめに「一国の歴史の集まりで世界史をみないように」と著者が注意してくれたからだ。繰り返し警告してくれているが、国のかたち、政治のありよう、人々の常識が今と昔とでは全く違うことを念頭に置くことでこんなにも昔の時代を読むのが楽しいものなのかと読み進めながらびっくりした。
読み切るのに2週間近くかかってしまったが、その2週間は知識欲が満たされてとても幸せだった。興味のある方、ぜひ手にとってほしい。
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Ⅵ(第16章〜第19章)は飛ばし読み。
しかしそれ以外は熟読。
私にはとても面白くてわかりやすくて、非常に興味深く読ませていただき、とても良い本だった。
最後の方を飛ばし読みしたことは、きっと著者の福井先生は許してくださるだろう。
なぜなら、著者は「はじめに」と「おわりに」に以下のようなスタンスを書いてくださっており、また、私はまさに歴史研究の素人だが興味の対象が芋づる式に広がって本書に辿り着いた口だから、以下の対象者であるからだ。
『ピンポイントでフランスについて関心を持っておいでの方』『テーマやきっかけはいろいろでしょう』『そうした関心を持つ方々に(中略)という提起をしたいわけです』『歴史研究のプロでなくとも、それぞれの興味や考えに歴史的な深みや広がりを備えていただくことは可能ですし、それが実現できれば、著者としては望外の幸せです』『明瞭な概説書の公刊は、研究のプロではない市民たちに対して、プロの研究者が負っている「責務」の一つではないのか』『参考文献には、また参考文献がついていることが一般ですので、どうぞ芋づる式に関心を広げていただければ、と思います』
素晴らしい!
著者略歴から、著者はフランス史のプロ中のプロでいらっしゃるわけで、本書に書かれている内容も本当はものすごく細かいはずなのに、ど素人の私に大変わかりやすかった。(本書は、著者が語ったことをプロのライターが文章化し、著者が確認と修正をしたとのこと)
現代を生きる者としては何ヶ所も納得できない事象が出てくるのだが、そういう箇所では決まって「この頃の情勢や考え方はコレコレだったのだから、現代の感覚で捉えてはいけないよ」と教えてくださるのもとてもありがたかった。
ついつい現代の感覚で読んでしまうので、そういう思考をその当時に引き戻してくれる(遡る)ことによって、きちんと理解できるからだ。
これだけありがたく吸収して教養を得たはずだが、私はたぶんすぐに忘れる。
でもまだまだこれから、広く浅く芋づる式に、知りたいという欲求は続く。 -
政治、経済、歴史、文化、芸術、思想、宗教、料理、建物、街並み、国民性。
知的関心の全てが詰まっていると言っても過言ではない一冊。
王政→共和政→帝政とたびたび転換する中で徐々に形作られていった今の政治体制、パリコミューンに代表される市民の政治への参加、議会政府とカトリック教会の分離、国民主権、国民国家の概念、主権は国民にあると高らかに宣言した憲法の制定、ナポレオンによる文化財の蒐集、ナポレオン法典に始まる民法の制定、オスマンによるパリの街づくり計画、法治国家(人間の不可侵にして譲渡できない権利の普遍的価値を尊ぶ国家 p.410)、中央集権的支配体制、西欧列強諸外国との緊迫と協調の繰り返し、などなど、いまの世界秩序、ヨーロッパ的世界観はいまのフランスという国がたどってきた歴史そのもの。世界を俯瞰する上で避けては通れない国、フランス。
p.412
個別の問題をいくら積み重ねても、全体的な歴史像、ないしは時代蔵の再構築には直結しません。個別の問題は、他の諸問題との関係においてしか、その歴史的位置づけを明確にすることはできないからです。問題の連関、要素連関を問うこと、解釈することが大切なのです。
ですから、多様な個別の要素を含みこみ、ある期間を通して現実化していた歴史を大きく捉え、描いてみることも、欠けてはならないことです。時代の全体的な状態を描かなければ、その中に個別の問題を置いてみることもできないでしょう。
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フランス通史。
2000年を一冊で語るのだから割愛する点が多くなるとは思うが、やはりどうしても「ここをサラッと飛ばすのか!?」と思う箇所がいくつかあった。
また、文章が時系列を行ったり来たりだったり、何を主張したいか分かりづらく、自分には合っていないと感じた。
ともかく、フランスの通史を概観するという目的は達成できたので、今後さらに深掘りできる書籍に取り組みたい。 -
著者ご自身によるフランス史のレクチャーを編集者やプロライターが再構成した、という体裁らしいです。
なので、講義を聞いているようでとてもわかりやすかったです。
図版も豊富ですし、フランス史のはじめの一歩としてオススメ。 -
2000年以上に渡るフランスの歴史を読み解いた一冊。フランス革命とその後のナポレオンの与える印象が強いが、どうやらフランス人も同じように思っているのでは、と思いを馳せるまでにはなった。バスティーユが元々要塞であったことが印象的。
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正確にはフランスという国と言うよりも、フランス辺りの歴史という感じでしょうか。
入門書としてとても分かりやすく、雑然としていた頭の中の情報を整理できた。 -
フランス史を軽く浚うのに適した入門書。百年戦争やフランス革命、二つの世界大戦などのメジャーなトピックについてはその背景やプロセス、影響さらには他地域との関係など多くを学べた。フランス革命とその後の度重なる政治体制の変遷は特に興味深く、王制への反対が当初かられほど圧倒的な意見ではなく立憲制を求める声も多かったことを知った。この辺りに関してはより深く別の書籍で知りたいと思う。文化的な側面についても紙面が割かれていたが全体的には政治史がメイン。もう少し年表があるとより分かりやすいと感じた。