- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569850382
作品紹介・あらすじ
●巨大過ぎる牙のマンモス、体長より眼が離れたシュモクバエ……
●不合理に見える進化の謎は「オスとメスの生物史」で解ける!
●性と進化にまつわる驚きの事実が満載の「全く新しい進化論」!
生物の進化を語る上で欠かせない「自然淘汰」。そんな自然淘汰の中でも、特徴的なのが「性淘汰」だ。これは「繁殖に有利な」種、つまり異性を巡る競争に有利な種が生き残り、そうでない種が滅びるというものである。
しかし、「繁殖に有利な特徴」は、必ずしも「生存に有利な特徴」とは限らない。したがって、「異性を巡る競争には有利だが、生存には不利な特徴」などの、「世にも不思議な進化の数々」が現れてくるのだ。
そもそも、無性生殖をしていた生物は、なぜ有性生殖をするようになったのか? オスとメスの関係は進化にどのような影響を与えてきたのか? そこには、想像をはるかに超える壮大な生物史のドラマがあった――。素晴らしくも不思議な「性の進化論」について、その根本から丁寧に解き明かす!
感想・レビュー・書評
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あまり新しい情報なかった。わかり易い例を使い、自然淘汰を説明している。
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性がなぜあるのか。
結局、答えはよくわからない。
今何かの役にたつからといって、
それが起源だとは限らないから。
進化は目的をもたない。
将来の備えのために進化はしない。
自然淘汰って、すごい力だな、
と改めて思わせてすれる。
個体間に差があって、子供の数が多いだけで
働き出すのだから。
結果、これだけの多様性が生まれているのだから。 -
過去の同じ著者の本と比べて、かなり真剣に読んだつもり。そうでないと、理解できないから。もっとも、読んでいる場所はいつも通り電車の中で、途中でうつらうつらすることも多かったのだけれど。一番印象に残っているのはオーストラリアに住むカエルのウペロレイア。カエルはオスが鳴いてメスをひきつけるが、身体が大きいほど低い声になるはずなので、なるべく低い声が選ばれると予想できるが、それがそうとも言えないらしい。ウペロレイアのメスは、決まって自分の体重の70%くらいのオスを選ぶらしい。このカエル、メスとオスがペアになると、メスがオスを背中にのせて泳いでいく。そしてメスが卵を1粒生むと、そこにオスは精子をかける。あまりにオスが重すぎると、産卵の途中でメスが力尽き、おぼれ死んでしまうことがあるらしい。自然界にはまだまだ知らないことがいっぱいあるわけだ。ヒトの女性が男性の汗臭いTシャツをにおい、どのにおいを好むかを調べてみる。そうすると、自分とは対立する遺伝子を多く持つ男性を選ぶことが多いという。そうすることで、遺伝子の多様性を保ち、絶滅することを防いでいるのかもしれないけれど、これはどうなんだろう。いっしょに暮らしていると、細菌などをふくめて、同じものを共有することが多くなって、においが似てくることはありそうだけれど。まあでも、ペアを組むにあたっては、視覚や聴覚より、味覚や嗅覚の感じ方が似ている方が大事な気はするなあ。同じ臭さでも、あまり気にならないものと、もう本当に耐えられないものがあるから。