5000日後の世界 すべてがAIと接続された「ミラーワールド」が訪れる(「世界の知性」シリーズ) (PHP新書)

制作 : 大野 和基 
  • PHP研究所
3.62
  • (17)
  • (37)
  • (39)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 444
感想 : 48
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569850504

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 来るべき「ミラーワールド」とはどのような世界か。

    それは、スマートグラスなどを通して覗いた現実の風景に、バーチャルの映像や文字が重ねられた世界で、これにより人間ははじめて機械を通して世界を認識し始める。
    世界中の情報はすでにインターネットによってデジタルに変換され検索可能になっている。
    身の回りのモノはIotだなんだとネットにつながっていたけれど、意味付けまでは行なわれてこなかった。

    しかし今後は、あらゆるものが、電池の入ったチップを介して電気的にモノ同士がつながるという形ではなく、意味的につながりはじめる。
    つまり、電流によってではなく意味による接続だ。

    じゃあ誰が、その意味付けを行なうかというと、AIが私の部屋を覗いて、個々のものを認識し、ブランド名や製品番号なんかを認識する。
    単に冷蔵庫の中の食品の種類や賞味期限が把握されるだけではない。
    このモノがここにあるということは、という位置づけによっても意味付けがなされる。

    いゃーん、便利というか、それって大丈夫かと心配になる。
    別に監視社会で、中央に集中的に管理されるということがではなく、意味付けをAIが行なうこと、そのものが。
    意味の持つ豊穣さが失われるのではないか、と。
    意味ってそんな簡単にラベル貼るみたいに簡素なものでもなければ、中立的なものでもないぞ、と。

    「大丈夫、大丈夫、私は楽観的です。なぜなら、テクノロジーが引き起こした問題を解決するのもテクノロジーだから。絶対にテクノロジーをやめましょうとはならなくて、必ずそれよりも優れた、より多くのテクノロジーで対処しましょうとなるんだから。
    ただ、"預言者"だなんて言われているけど、何が起こるかなんて見通せないよ。だって発明者にさえ、自分の発明品がどんな使われ方をするか予測するのは難しいんだからね。インターネットなんて、最初は図書館での検索や研究に使えると言われたのを思い出してみてよ。
    いまネットの利用用途の大部分は、ゲームとポルノでしょ。闇サイトによる無差別殺人やイジメなど、発明者の意図を超えて、こうした最下層での使われ方を見て行くことでしか、テクノロジーの進む先を見通すことはできないよ。
    しかもこうした変化は加速するだけでなく、変化の変化という連鎖まで起きている。だからいま事象に対応するために学んだ知識は、すぐに陳腐化してしまい、無用の長物になっちゃうから、我々は何度でも学び直し続ける必要がある。
    だったらあらかじめ対象を限定してしまうより、幅広く網を広げ、学び方を学ぶスキルが必要となってくるんだ」

    まあ、ざっと著者の言いたいことはこんなところで、この本もスティーブ・ピンカーに代表される「世界はより良く進歩しているし、そうなりうる」という信念に連なる著作だった。
    わかるんだけど、いまいち釈然としないものが残るというか、それでいいんだろうかという気にもさせられる。
    コラムで紹介されたアーミッシュの人たちって、最新のテクノロジーも追わず、本もろくすっぽ読んでないんだけど、いざ仲間が困っているとなったら、全力で皆が協力して助け合う。
    変化や刺激は皆無で退屈かもしれないけど、コミュニティ内の安心感が凄まじい。

  • 5000日後の世界

    世界はミラーワールド化する。

    複数を移動するリキッド化する。
    繋がってるようで、本質は繋がってない。
    Q.その時人々のつながりはどうなる?
    ーオキシトシン出てれば人のふれあいなくていい?

    T.古地図屋や歴史を知る事が大事になる?古本屋の買収してデータをオープンソース化する?
    知識の洪水化?

    ゲームは常にテクノロジーが培養される場所。
    ビデオ会議のシステムは変化してないが、安価になり使いやすくなって誰もが使って慣れてきた。→これはミラーワールドの先駆け?

    情報のデジタル化→人間関係をリーダブルに→物理的な全世界をデジタル化

    チップを通してでなく、意味で繋がる。

    Kickstarterは代替でなくalternativeなのでは?

    ー第二章

    アルファゴーは認知能力を人工的に作った。
    事例を学習させ知識移転をしている。

    汎用AIはしばらく出てこなく単機能なものになる?

    オートメーションによる2次的な影響は?
    車の登場によるラッシュアワーの発生。

    大企業への規制はかえって対応できる資金がある彼らを強化する?GDPRなど

    データ管理の取次会社が来る?

    会社、政府、NPO、そしてプラットフォーム

    ー3章

    空飛ぶ車は通勤などしか使われないのでは?
    騒音問題がある。30年は使われなそう。
    基本的には借りるものになりそうなのでリースや保険のビジネスチャンスがある?

    アフリカは道が整備されてないのでドローンの需要が大きい。

    パイロットがいない飛行機はドローンの拡張系。

    お金の未来は銀行の機能の仮想化

    ブロックチェーンは配管のようなもの。
    後ろにいて世界を変えるのを手伝っている。

    人生の商品化計画。
    将来の自分の収入の何%を払います。
    vcの人生化。
    Q.どうトラッキングするか?

    値が下がるとしてもNFT買うの?
    いいの?toアーティスト

    ー教育
    人種差別を軽減するためのAR
    理屈でなく、他者がどう言う反応をするかを経験。

    四章ーアジアの世紀とテック地政学

    個人主義より社会契約を重視する世界。

    大きな都市と周辺の食糧生産の平地、自然になる?

    産業に特化した都市のクラスターが出来る。

    都市圏が出来るが東京はどうやって勝つ特徴ある都市になる?

    カリフォルニアの話やEUのデータ規制に合わせる話。都市が力を持つ。

    アーミッシュのテクノロジーの取り入れ方

    テクノロジーは自分のなりたい方向に向かうか、家族やコミュニティーを良くしてくれるか。

    6章
    ーお金がないことはクリエイティブになるすない。
    何も買えるお金を持っていなかったら別の方法で目的に達するしかない。

    成功とは何かを知るために、何かうまくいかないものに挑戦しなくてはならない。

    新しい発見のために最適化とは反対のことをしなければならない。

    イノベーションは中央主権でなく分散化。
    会社を買ってもイノベーションを買ったのではなくソリューションを買った。

    カオスをサーフィンする。隙間のスイートスポットを滑り続ける。

    人生を年単位でなく日単位でカウントする

    スチュワートブランド、成し遂げるのに5年

    編集者として多くの雑誌を読む、雑誌が編集者の個性を拡張したもの。

    若者はお金ない生活を続ける。

    書いてみるまで自分が何を考えてるかはっきりしないが書いてみるとまるで自分語りわかってない事に気づく。

    正しいことを問うていくと言う事に価値が生まれる。それがイノベーションと呼ばれるもの、探索やサイエンス。

    ムーアの法則が止まったら?20倍の速さになったら?

    未来の半分はアイデア、残りはエビデンスとやり方

    産業革命が物理的な世界の再配置、これから起こる変化はほとんど精神的。

    テクノロジーを減らすのでなく、テクノロジーを良いものにしていく。

  • リアリティーが半端じゃない。
    言語化するために幾つもの仮説を立て、検証したのだろう。

  • 分かるような分からないような。
    でも、そうなるのは分かっていたこと。
    視野を広げるのには良い本だと思います。

  • GAFAが出始めてまだ10年やちょっと。
    一強時代が続くのではなく、徐々に衰退し、NEXT GAFAと呼ばれるものがさらに10年の内に出てくるであろう。キーワードはAIやビッグデータ、メタバースのようだ。
    テック系の本はいくつも読んではいるが、要因と例を出して解説してくれている良書だと思った。
    技術の進歩をとらえると 次の技術がわかってくる。
    技術の良し悪し 原子力 を例にとってもわかりやすかった。
    クリーンミート、AR、農業に関する説明もよい
    つぎは流し読みしてみたいな。

  • 先見の書ではあるが、語られていること自体はあまり目新しいものではないように思う。

  • 雑誌「WIRED」共同設立者であり、「フリーミアム経済」といったテクノロジーがもたらす未来予測で定評のある著者が、AIを始めとするテクノロジーが今後の社会や経済にもたらすインパクト等について語ったインタビューの内容をまとめた一冊。
     
    著者は、人々がAR(仮想現実)空間で「デジタルツイン」を活用し、物理的な限界を超える規模と速度で協働する「ミラーワールド」を、インターネットとSNSに続く「第3のプラットフォーム」と位置づけ、そこでは社会や組織、個人の内外に存在するあらゆる境界線が曖昧になり、現実世界と仮想世界、人間の脳と機械のAI、企業とコミュニティ、仕事と遊びといった、これまで相互不可侵だった次元が有機的につながることで、様々な産業において新たな価値が生まれる「プロトピア」の出現を予測する。
     
    「テクノロジーに耳を傾ければ未来がわかる」という著者は、「『スマート〇〇』という言葉はすべて『ハッカブル〇〇』に置き換えることが可能」というように、新たなテクノロジーにはリスクがつきものであることは認めつつ、「テクノロジーは良い面が51%、悪い面が49%」と割り切って、悪いテクノロジーを理由に拒否するのではなく、良いテクノロジーを増やすことを提唱する。気軽に読める新書ながら、著者の優れた洞察から多くの示唆を得ることができる。

  • <目次>
    はじめに
    第1章百万人が協働する未来
    第2章進化するデジタル経済の現在地
    第3章すべての産業はテクノロジーで生まれ変わる
    第4章アジアの世紀とテック地政学
    第5章テクノロジーに耳を傾ければ未来がわかる
    第6章イノベーションと成功のジレンマ
    あとがき 楽観主義者であるということ
    訳者解説

    すべてはAIと接続されたミラーワールドが訪れる

    P84食の未来ークリーンミートが変える食、バイオテック

    P128アジアの世紀が到来するー東アジア人は個人主義
    より社会契約を重視する文化、アメリカ人は自己中心的

  • WIREDを共同設立しスティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾス等を取材してきたケヴィン・ケリーへのインタビューによりコロナ以降の近未来社会を見通す。「テクノロジーに耳を傾ければ未来がわかる」に集約されるケヴィンの思考法により、全てのものがAIと接続されたAR世界「ミラーワールド」を描き出す。聞き手の大野和基はコーネル大学で化学、ニューヨーク医科大学で基礎医学を学び米国で活躍してきたジャーナリスト。

全48件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

現在は雑誌「Wired」の「上級一匹狼」という役職についている。1993年にWiredを共同で設立し、その創刊から1999年まで編集長を務めた。最近の著書としては、バイキング/ペンギン社から“What Technology Wants”という本を2010年10月18日に出版した。また、毎月50万人のユニークビジター(重複を除外した利用者数)があるウェブサイト「Cool Tools」の編集者兼発行人でもある。1984年から1990年まで非正統的技術情報の専門誌「Whole Earth Review」の発行人兼編集者だった。今も続くハッカーズ・カンファレンスの共同創設者であり、また、1985年に始まった先駆的なオンラインサービス 「WELL」 の設立に関与した。ベストセラーとなった書籍“New Rules for the New Economy”(邦訳『ニューエコノミー勝者の条件―ウィナー・テイク・オール時代のマーケティング10則』1999年、ダイヤモンド社)、分散化した創発的システムに関する古典的作品“Out of Control”(邦訳『「複雑系」を超えて―システムを永久進化させる9つの法則』1999年、アスキー)などの著書がある。
※ケヴィン・ケリーのブログ(http://www.kk.org/biography.php)で公開されているプロフィールを堺屋七左衛門が翻訳

「2012年 『ケヴィン・ケリー著作選集 1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ケヴィン・ケリーの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
マシュー・サイド
クリス・アンダー...
劉 慈欣
アンデシュ・ハン...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×