- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569850979
作品紹介・あらすじ
「ご苦労さま」「お疲れさま」どっちを使う?
「よろしかったでしょうか」は間違い?
普段使っている日本語でも「これでいいのかな?」と迷ってしまった経験、あなたにもあるのでは。SNSで日本語警察に「間違い」を指摘されて、「自分の日本語は変かな?」と不安を感じたこともあるかもしれません。
でも、心配ご無用。日本語をこわがる必要はないんです。
本書では、『三省堂国語辞典』の編集委員が、日本語を使うコツを分かりやすく説明し、あなたのモヤモヤを解消してくれます。
ひとつひとつの話題はコンパクトで、文字も大きく、誰にでも読みやすい文章。話の最後にはまとめもついています。
「『普通においしい』って、どんな意味?」「『こんにちわ』か? 『こんにちは』か?」など、誰もが一度は戸惑う日本語の問題が、本書を読めばすっきりと理解できるはず。長年のモヤモヤが晴れて、気持ちがラクになること請け合いです。
感想・レビュー・書評
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飯間先生は、言葉に対してとても寛容だ。
新しい表現や誤りだと指摘されがちな言葉についても、そう表現されるに至った理由や使われ始めた時期などを基に、きちんとした専門家らしい根拠を示されているので信頼できる。
さらに、日頃よく使うが、使い分けがあいまいな言葉や、正解かどうか悩ましい表現についても、丁寧な解説と共に使い方の技をやさしく伝授してくれる。
言葉は厄介だ、でも伝えたいことがあるから、おっかなびっくり言葉を使う。
そんな我々に飯間先生は「日本語はこわくない」とそっと背中を押してくれる。そういう頼もしくも優しい一冊です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
辞書を編纂する立場である著者が、日本語の使い方に対して非常に寛容なのは面白い。ことばとは変わりゆくものであり、誤った使い方とされたものが定着して正しい使い方になっていくのを、身をもって知っていらっしゃるからなのだなと思った。
メール文章を丁寧に書こうとするあまりに、いつも謎表現を繰り出してくる部下にこの本を読ませたい。 -
「あー!これいつも気になっていた!」という例が多数。
これは正しい、あれは間違っているという話ではなく、自分が使う言葉に意識を向けるヒントが示されているとても優しい一冊。イラストも相まって温かな雰囲気。
最後の一文に飯間さんのスタンスがよく表れていて素敵だなと。 -
失笑の「失」は、「もらす」ということだから、相手をばかにしてふっと笑いがもれるのが失笑、とか、景色、風景、光景の違いとか。
言われてみればなるほど!と思うことも多く、日本語って面白いな〜!と改めて思える本だった。
敬語も尊敬語、丁寧語、謙譲語とあるし、助数詞の種類も多いし、ほんと面白い言語だよね。
小学生くらいの子供と一緒に読んでも面白いだろうなと思う。 -
「日本語警察」を恐れてストレスを感じている人たちが多い現代
・「ご苦労さま」「お疲れさま」の心構え
・「受け付け」の「け」はいる? いらない?
・「こんにちわ」は認められているか?
・「到着次第」か「到着し次第」か?
・「景色」「風景」「光景」似ているようで違う
日本語の問題をどんなふうに捉えればいいのか、肩の力を抜いて平明に解説する
《長年の謎がスッキリ!
『三省堂国語辞典』の編集委員が語る、ことばを楽しむ41編》
月刊『PHP』の連載「なるほど! 日本語術」(2018年8月号〜2021年12月号)を再編集して単行本化、2021年12月刊
〈どのことばが正しいかを決めるのは、結局、あなた自身です。〉
「日本語恐怖症」を解消するために、さらっと読めて奥深い一冊 -
三省堂国語辞典の編集委員である著者が、現代人がつい迷ってしまう日本語の使い方について柔らかくアドバイスしてくれる本。
「お疲れさま」と「ご苦労さま」、「なるほど」の使い方や、言い方にためらうシーンのアドバイスなど、読んで安心する部分が多い。要は、言葉は生きているのでよほどの間違いでなければ気にしなくていい、ということが書かれている。
「普通においしい」や「全然OK」「よろしかったでしょうか」のような、本来の使い方ではないのではないかと気になっている日本語も、実は昔からある表現であり、日本全国で受け入れられて定着しつつあるならば正しいらしい。生きている日本語を常に追いかけている辞典の編集者ならではの意見で、国語学者からしたら看過できない意見かもしれない。ただ、これまでも言いやすい方向に徐々に変化してきたことを考えると、日本語は随分と寛容な言語のようだ。
現代では、SNSで「○○という言い方は誤用」といった決めつけや「日本語警察」と呼ばれる人々の監視が厳しく、日本語を使うことが怖くなっているが、どちらも過剰に反応しすぎということがわかった。
本来の意味を知っている方が良いこともあり、個人的には、静的な「景色」、広い意味の「風景」、動的な「光景」の違いを知って、特に印象に残った。 -
「三省堂国語辞典」の編集委員の1人である飯間氏による著書。
様々な言葉の説明を通して、日本語の過去・現在を温かく見つめる飯間氏の姿勢が伝わってくる本だと思います。
もちろん、日本語の将来を見据えたコメントもあります。
国語辞典の編集者というと、「あるべき日本語を守る頑固な人」のようなイメージがあるかもしれませんが、飯間氏は「今ある日本語を見守る柔軟な人」だと思います。
たとえば、「変わりつつある言葉」や「目新しい言葉」についても、突き放すことなくしっかりと受け止め、変わりつつある理由や新しさの妥当性を考察しており、新しい言葉も古い言葉も共存(使い分け)できるような日本語のあり方を目指している印象を受けました。
自分自身は、「日本語はこうあるべき」と考えがちなのですが、飯間氏を見習い、「日本語について、もっと寛容になろう」と思った一冊でした。 -
社会人になってから、ずっと言葉の使い方を指摘され続け、何が正しく、何が間違っているか、わからなくなってしまった。人によって、正しさが異なると、言ってくれてありがとう!と言いたくなりました。