- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569901206
作品紹介・あらすじ
女子高生・澪は旅先の京都で邪霊に襲われる。泊まった宿くれなゐ荘近くでも異変が…。「後宮の烏」シリーズの著者による呪術ミステリー。
感想・レビュー・書評
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目新しい感はないものの、面白かった。『後宮の烏』の白川本、読みやすい。蟲師(まじないし)の家系に生まれて、呪いの輪廻を繰り返す(前世の記憶はない)澪と、同じく輪廻し(前世の記憶あり)千年以上生きる千年蠱の高良との話。多分壮絶なラブストーリーなんだとは思うが、こじれ系。登場人物が爽やかで、職神が良い。狸好き。すでに2巻も刊行されているようなので、続きも読みたいと思う。
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「後宮の烏」シリーズ作者・白川紺子さんの新シリーズ。
現代を舞台にした呪術物で、本巻はその第1巻にあたる。
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主人公の澪は長野に住む高校一年生。
蠱師(まじないし)の一族に生まれたものの、幼い頃に“両親”が他界し、“叔父夫婦”にひきとられて育った。
澪には蠱師の力はないものの、邪霊をひきつける体質があり、ふたつ上の“従兄”である蓮が、過保護なほどに澪を守っている。
邪霊は澪にささやく。
「おまえは二十歳まで生きられない」と。
叔父からは頑なに「長野から出るな」と言い渡されていた。
しかし澪は友だちの誘いに乗り、叔父たちに黙って京都へ出かけてしまった。
そこで邪霊に襲われた澪を助けたのは、高良という高校生だった。
高良は澪のことを知っているようで、「なぜ京都に来たのか」と問う。
二十歳まで生きられないという呪いを解く鍵は、高良のいる京都にあると感じた澪。
叔父たちの反対を押し切り、京都の姉妹校へと転校し、蠱師たちの下宿であるくれなゐ荘で暮らすことにする。
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中華風ファンタジー小説だった「後宮の烏」に比べ、こちらは現代物のためか、文章も設定もいくらか読み解きやすい。
しかし登場人物たちの名前がだいぶ個性的で、蠱師(まじないし)などのキーワードなどにスルッと変換できない漢字が使われていて、小難しく感じることもあった。
澪は「二十歳まで生きられない」と邪霊にささやかれ続けて育ったわりには、死への恐怖みたいなものはあまり感じていない様子。
また、なせ澪が京都に自分の呪いを解く鍵があるとおもったのかも、今ひとつ腑に落ちなかった。
澪と高良の関係性は1巻にて明かされるけれど、まだ秘密はあちこちに置いてありますよ〜というシーンが、いくつもさしこまれていた。
澪の家族関係も実はなかなかに複雑で、そこにどんな真実があるのかもこれからの謎、という感じだ。
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謎の高校生・高良も、澪を突き放そうとする割には澪のピンチにはどこからともなく現れて助けてくれたりと、高良の本当の目的はまだ見えない。
高良は澪に関する“記憶”を持っているけれど、澪はもっていないというところを読んで、なんだか「ぼくの地球を守って」の輪と亜梨子を思い出した。
2巻まで刊行済みのようなので、これからの展開に期待してみたい。 -
邪霊を惹き寄せやすい澪。幼なじみの漣。
澪にかかった呪い、謎の人物高良の正体を知った時驚きでした。
邪霊を祓えるのかもドキドキでスラスラ読めました。 -
面白かった!
歴史が絡んで読みづらいかと思ったけどラストに向けて読むスピードが上がってた! -
2021年5月PHP文芸文庫。書下ろし。シリーズ1作目。不思議と謎と人の想いを結構ハードな展開で綴ってあって、少しびっくりしました。澪についてきた職神たぬきの照手はかわいいし、澪の学友やくれなゐ荘の人たちの織りなすさまが楽しいのですが、主人公二人の繰り返してきた運命に慄然とします。続きが楽しみです。
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シリーズ化が前提みたいな造り。今回は第一作ということで、そのへんが曖昧なのだけれど、次作以降は(出れば)短編連作のフォーマットにきちんと収まっていくような気がする。ただ殊に前半に顕著なのだけれど、基本設定を説明するのに急で、筋の展開がかなり強引。で、その無理を全部ヒロインの無知やワガママに押し付けているので、彼女の言動は相当ひどい。これを勝ち気や可愛げがないで済ますのは無理があるだろう。後半は、そう言った点は目立たなくなるので、次作以降が出ないとヒロインが可哀想かな。
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二十歳まで生きられないって小さい頃から言われ続けられたらやっぱりやだよね
京都に行って呪詛をどう断ち切るのか
凪や兄とどう向き合うのか