猫が足りない

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 126
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575238747

感想・レビュー・書評

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  • +++
    就職が決まらない知章はスポーツクラブに入会した。会員の女性たちに頼まれて近隣の猫虐待を調べると、意外な事件が明らかに。
    真相究明に一役買ったのは会員の四元さんだった。その後、猫がらみで騒動を引き起こす彼女に振り回される知章。
    就職はどうなる?四元さんの悲願とは?端正かつ大胆な筆の運びが魅力の連作ミステリー。
    +++

    周りがどんどん内定を取る中、なかなか就職が決まらない知章は、父の方針でアルバイトも禁じられ、身分不相応なスポーツクラブの会員証を渡される。することもなく毎日スポーツクラブに通ううちに、ラウンジに集いおしゃべりをする年上(高齢?)の女性たちの輪になんとなく入っていて、その情報収集力や意外に取れている統制にちょっと驚くのである。そして、その知章が勝手に名づけている<おしゃべり会>からは少し距離を置く四元さんが、猫が足りない故に物語の中で大切な役割を果たすのである。おばさんたちのおしゃべりに端を発する日常の探偵物語にしては、死体も出てきたりして物騒でもあるのだが、<おしゃべり会>の面々や四元さんと知章の関係が微笑ましくもあり、心温まる物語でもあるのである。知章と<おしゃべり会>のこれからも見てみたいと思わされる一冊である。

  • 完全にタイトル借りだけど、普通に読めた。

  • 題名と裏腹に、登場人物が癖だらけのゆるめなミステリー。物語の序盤の登場人物の暴走に耐えられれば面白い作品であると思う。

  • 話は面白かった。
    が、四元さんは破天荒で身近にいたら絶対に近寄ろうと思わないしかなり滅茶苦茶だし常識知らずだしで知章くんがところどころ不憫で仕方なかったので色々思う所があったな…
    ラストで知章くんの就職が決まって親のように喜びました。良かったね…平和に暮らしてね…

  • タイトルに惹かれ、表紙も良い雰囲気だったので読んでみた。
    ふんわりした雰囲気かと思いきや、登場人物たちがガチャガチャした感じで、特に四元さんの暴走している様子が合わなくて途中で断念。

    2章目の半分くらいまでしか読んでいないけれど、四元さんのは猫を大事に思っているんじゃなくて猫への思いの押し売りで、読んでてしんどくなってしまった。

    途中リタイヤは久しぶりだけど、読む本は厳選していきたいのでやむなし。
    返す返すもいいタイトルなんだけどなぁ。

  • スポーツクラブでの個人情報のやり取りを
    微笑ましいと見るのかどうか

  • あまり読んだことない作者だけど面白かった。(猫が完璧な動物) に同感。

  • めちゃくちゃな行動をする人をほっとけない主人公が探偵まがいのことをしていくストーリー。けっこうおもしろかった。

  • 沢村凛さんの作品の登場人物は「とことん極める」人がでてきますね。
    どうしようもなく突き抜けていて、ふと我が身を振り返りなんと茫漠としているのかと感じます。
    『おしゃべりの会』の面々の世間知にも好感がもてます。
    おばさんの延々と続く長話にひそむ魅力に気がつくなんて、さすが沢村さん。
    ただ、やっぱりファンタジーが読みたいです!

  •  最初はちゃんと読んでましたが、途中から、あまりのつまらなさに飛ばし読み。結局きちんと読まずに、途中で図書館に返しました。
     他のレビューを読んでいると、真剣に読んでも時間の無駄みたいだし、これで良かったようですね。
     浴槽、猫砂、のシーンは気分が悪くなりました。(別に生々しい表現ではないけれど、猫砂をそんなことに使うなんて……。と言う猫飼いの憤怒みたいなものです)

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著者プロフィール

1963年広島県生まれ。鳥取大学農学部卒業。91年に日本ファンタジーノベル大賞に応募した『リフレイン』が最終候補となり、作家デビュー。98年、『ヤンのいた島』で第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。骨太な人間ドラマで魅せるファンタジーや、日常のひだを的確に切り取るミステリーなど、様々な世界を展開している。その他の著作に『瞳の中の大河』『黄金の王 白銀の王』『あやまち』『タソガレ』『ディーセント・ワーク・ガーディアン』『猫が足りない』「ソナンと空人」シリーズなど多数。

「2023年 『旅する通り雨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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