- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575245431
作品紹介・あらすじ
高校生の茜寧は、友達や恋人に囲まれ充実した日々を送っている。しかしそれは、「愛されたい」という感情に縛られ、偽りの自分を演じ続けるという苦しい毎日だった。ある日、茜寧は愛読する小説の登場人物、〈あい〉にそっくりな人と街で出逢い――。 いくつもの人生が交差して響き合う、住野よる初の青春群像劇。
感想・レビュー・書評
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この作品は私には向いていなかったと読了して思いました。
もっと若年層の方とか住野よるさんのコアなファンの方向けの作品ではなかったかと思いました。
この作品は糸林茜寧(あかね)という高校生がライブハウススタッフの女装した男性である宇川逢のことを『少女のマーチ』という小説の登場人物に似ていると言って自分を主人公に見立てて、小説をなぞってみることを始めたことからスタートします。
でも、茜寧が小説の中を現実とだぶらせてしまうほどの生きる辛さとか、人から愛されたいという欲求とかが、私はもういい大人なのでよく理解できず、共感できませんでした。人から愛されることよりもっと大事なこともあることを私は知っているつもりです。
茜寧と逢の関係性はよかったと思います。
この作品のテーマは何だろうと考えてみました。
1小説にのめり込みすぎることの危険性。
2本当に人を救うのは小説ではない。他の誰かもしくは自分自身である。
3しかし、小説に救われた人がいれば嬉しい。
などが思い浮かびましたが、違っているかもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
娘と暇つぶしに書店に行ったとき、煌びやかな表紙と作者が「キミスイ」の住野よるさんなので「読みたい」と言うので買う。
一言で言うと青い小説だなぁ、と。
読みづらい部分はあったけど、僕はまあまあ楽しめた。
しかし、ひとのレビューを読んでみると、評価はいまいちだ。
「みんなの愛する自分は作りもの」だなんて悩みは、やっぱり若者ならではのもの。人生のキャリアを積むと、皆んなその過程で愛されるために自分を作りこむから、何の悩みでもなくなる。
愛されれば、なんでもいいじゃん、と。
そんな大人から読むとあまりおもしろくないのかもしれない。
あと、この小説、個人は「分離不可能な自我」という前提があって成り立つ、と思った。
平野啓一郎さんの「分人」の考え方からすれば、人に愛されようとする自分もそれを認められない自分も両方とも本当の自分であり、併存可能だ。偽りの自分はないし、どちらかだけ選ばなければならないわけではない。
結論として、自分の多面性は認めたいなあ。
そのことが、ひとの多様性を認めることにも繋がる気がするし。
ちなみに、作者の住野よるさんは男性とのこと。最近知ってびっくり。
もしかしたら、作中の逢のような方なのかもしれない。そしたら、すてきやね。
この本、娘にもぜひ読んでほしい、と思った。
娘はどう読んで、どう感じるのだろう。
若い感性の感想を聴きたい。-
えーーー!?
住野よるさんって、男性なのですか!?
凄くびっくりしました。
物語も、筆致もどこか女性的で柔らかく、何の疑いも持たず...えーーー!?
住野よるさんって、男性なのですか!?
凄くびっくりしました。
物語も、筆致もどこか女性的で柔らかく、何の疑いも持たず女性だと信じきっていました。
凄くびっくりです。
断然興味出てきました。この作品も読んでみたいです(^^)2022/09/04 -
bmakiさん、おはようございます!
そうなんですよ。
僕も最近知って凄くびっくりでした。
乾くるみさんが男性と聞いた時と同じくらい驚きま...bmakiさん、おはようございます!
そうなんですよ。
僕も最近知って凄くびっくりでした。
乾くるみさんが男性と聞いた時と同じくらい驚きました。
住野さんの小説はどう読んでも女性的ですよね。
「腹を割ったら〜」もそうです。ぜひ読んでみてください。2022/09/05
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さすが住野よるさん!!いろいろな視点から物語が展開されていく。いつも、展開が気になる。しかも、心理描写がめちゃくちゃうまい。私の推し作家のひとりです!
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関わる人全てに愛されガールな態度を取っているが、そんな自分が大嫌いな糸林茜寧。ある日彼女は崇拝する小説から抜け出たような人物、逢と出会う。己の心のままに生きている逢と小説と同じ様に行動していけば、やがて自分も小説の主人公の様に救われると考える茜寧だったが…。最終的に本当の自分をさらけ出すまでの過程は丁寧で良いが、本当の自分はこんなんじゃない、と皮を被って苦しい思いをしている人はお前だけじゃないぞ、と斜めに見てしまった。年を取って擦れるって嫌ね。逢の押しアイドルの樹里亜が自分の立ち位置を理解した上で苦しむ姿も描かれるから余計に。樹里亜の苦悩の方が染みたよ。茜寧と同じ高校生位ならがっつり突き刺さるのかも。
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住野よるさんの作品は良いものもあるので、とても残念でした。作者のエゴの余韻でつらつら長編に付き合ってしまった。泣
何これ?何を伝えたいのか?敢えて文章を解りにく神秘性を持たせるなよ!って言うの今の心境です。ポエム的で読めば読むほど積読にしたくなりました。
どうしたら、こんなに面白くない構成を長編に出来るのか謎解きしたくなりました。
住野よるさんの作品では過去に積読した『この気持ちいつか忘れる』の再来にならない様に苦行のまま最後まで読みました。
本当に難行苦行のまま終盤に入りました。
読み終えた感想は『あー、、、腹を割っても血すら何も出ませんでした。はぁー。本当に疲れた。』
住野さんの作品は私はこれで卒業します。泣笑 -
時に相手を傷つけないよう、思っていることと逆のことをしてしまったり、本当にやりたい事が分からずもがいたり、人を傷つけることでしか自分を受け入れて貰える気がしていないといった、登場人物の個性や感情と本書を読みながら向き合うことで、「自分を受け入れること」の大切さを教えてくれるような作品でした。
設定が少しイビツな気がして、途中心が離れてしまいそうになったこともあったので評価は少し低めです。 -
読み始めて最初から引き込まれた。
主人公の憧れの人が変わった人物の設定かと思ったら後半で現実的な人になってきて驚いた。
主人公は現実にこれをできる人がいるだろうかという感じだけど、現代の若者に通じるところがあると思う。
最初から複数者の目線で描かれていたのが後半で混じり合っていくのが面白かった。 -
う〜〜〜ん…。
この小説は若い子には共感を覚えることができる類いのものかなぁ?
話はある小説の出来事を主人公?がなぞっていくという面白い展開方法。その元の小説の内容ももちろん我々読者は知らないのでまるで無理やり2冊読まされている感じがした。
話しはサクサク進んでほしいのだが、数人出てくる登場人物の描写が細かい。それがあるのがいいのかもしれないけど、ちょっと読んでいてめんどくさかった。またこの描写?って感じでとてもくどい。
途中で読むのやめようかとも思ったけど辛抱して読み続けたらようやくあと1/3という位でやっと話が動き出した。
全部読めたけど、これは、おばさんが読む本ではありませんでした。