悲鳴だけ聞こえない

  • 双葉社
3.27
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575245615

作品紹介・あらすじ

新米弁護士の木村は顧問先の企業からパワハラ調査を依頼される。だが、パワハラを訴える投書はあるものの、被害者も加害者もわからず、社員の聞き取り調査を始める。その事実はあるのに、苦しんでいる社員の悲鳴だけ聞こえない――。新米弁護士が敏腕の先輩に助けられながら難儀な依頼を解決する木村&高塚弁護士シリーズ第三弾。大ヒット『花束は毒』で注目を集める著者による、全話驚きの連作短篇ヒューマン・ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • 『花束は毒』を図書館で1年以上待っていて、まだ借りられない。
    その間にアンソロジーでだけ読んだことがある作家さん。
    『花束は毒』より先に本書を借りることができた。

    以前読んだ遺品整理士の方の著書で、専門外のことだからよせばいいのに、その方は代襲相続のことを知らずに間違った相続のことを書いていた。
    代襲相続は実体験ではないが、素人である私でも知識として知っていたのだが、あの遺品整理士の方の書いた本で間違ったことを鵜呑みにしてしまう読者もいるのではないだろうか。
    あのまま出版した出版社もいい加減だなと思っていた。
    本書を読んで「ほら、やっぱり!」と、自分の知識が間違えていなかったことを確認できた。
    やはり、餅は餅屋だ。
    以前、他の何かのハウツー本で、「これとこれは専門家に任せた方がいい」と丸投げしていたものがあったが、私はその書籍についてはそこが潔くていいと思ったものだ。

    ということで、弁護士が書いた弁護士ものだから本書は安心して読めた。

    本書の弁護士2人、つまりはそれを書いている著者は、いい弁護士さんだなぁと終始思った。
    弁護士さんだからと言ってどんな分野にも精通しているわけではないし、税金のことは詳しくないとも正直に書かれていて、物語の主人公はちゃんと事前に勉強したりしている。
    この2人の弁護士、もしくは彼らを生み出した著者…のような矜持の弁護士さんを頼りたいものだ。
    (実体験では、私は失敗している)
    この2人の弁護士シリーズは他に2冊あるようなので読んでみたい。

    ★を1つ減らしたのは、1話目と5話目が、種明かしより随分前から、読者である私が真相にたどり着いてしまったのがちょっと残念だったから。

  • お気に入りの作家さん。

    新米弁護士が主人公の、連作短編集。

    法律の知識も、もちろん大切だか、
    それ以上に、依頼人との信頼関係がいかに大切か、
    弁護士の仕事の大変さがしみじみ出ている。

    「悲鳴だけが聞こえない」と、
    「上代礼司は鈴の音を胸に抱く」は、
    なんとなく結末が予想できた。

    今まで弁護士さんに依頼したり、相談したりの経験はないが、
    木村弁護士のような、人情的な人だったら、
    何かあったら、ぜひ相談したい。


  • 悲鳴だけ聞こえない
    河部秀幸は存在しない
    無意味な遺言状
    依頼人の利益
    上代礼司は鈴の音を胸に抱く


    スマートで頼りになる先輩の高塚弁護士や
    相談しやすい小宮弁護、先輩からアドバイスと
    刺激を受けながら、主人公の新人弁護士が
    依頼人の希望や期待に真摯に向き合い一歩ずつ
    成長してゆく物語。

    弁護士はスーパーマンではなく、
    できることとできないことがある。
    そして最初からなんでもできる人はいない。
    緊張しながら初めての依頼に対面する様子に
    親近感を覚えます。

    ちょっと気弱で頼りない、でも真っ直ぐで
    誠実な主人公が魅力的なお話。

  • 【収録作品】悲鳴だけ聞こえない/河部秀幸は存在しない/無意味な遺言状/依頼人の利益/上代礼司は鈴の音を胸に抱く

    木村弁護士シリーズ。連作リーガルミステリー。木村の誠実な人柄が読み心地の良さをもたらしている。優先すべきは依頼人の利益というスタンスは、プロとしての矜持に繋がる。

  • 相続問題って大変だなと思う。というか、弁護士の仕事が本当に多岐にわたって、心労が絶えなさそう…。
    最後の話が一番好き。

  • タイトルからもっと物騒な話かと思ったがそんなことなかった。読み応えはあまり無かったがサクサク読めたし話も纏まっていてよかった。

  • シリーズ3作目と知らずに読んだ。
    過去2冊も読んでみたい。

  • 弁護士事務所に来る相談の短編集で、一番のお気に入りは「依頼人の利益」

    自己破産の仕組みについて知らない事ばかりだったので、勉強になりました。
    セレブ暮らしをしていた人が、生活基準を下げられないってのも判る気がしました。

    遺言状、自己破産、パワハラなど色々な視点で楽しめました。

  • シリーズ物と知らなくて読みました
    弁護士が主人公と言うことで、
    少し内容が読んでいて難しかった

  • 「悲鳴だけ聞こえない」「河部秀幸は存在しない」「無意味な遺言状」「依頼人の利益」「上代礼司は鈴の音を胸に抱く」
    シリーズ第三弾で、5話収録の連作短編集。

    前二作は未読だが問題なく楽しめた。

    この弁護士事務所には様々な依頼が舞い込んで来る。

    企業内パワハラ、弁護士名を騙った詐欺、遺産相続、自己破産、遺言書など、どれも切実な悩みだ。

    新米弁護士の木村と、広い視野を持つ先輩弁護士・高塚が協力し、丁寧な調査で問題を解決していくさまは読んでいて気持ちが良い。
    誠実を絵に描いた様な弁護士コンビ、実在していれば間違いなく依頼する。

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著者プロフィール

1980年イギリス・ロンドン生まれ。2013年、第14回講談社BOX新人賞Powersを受賞した『霊感検定』でデビュー。15年、第22回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞した『記憶屋』は、シリーズ累計35万部を超えるベストセラーとなる。その他の著作に『SHELTER/CAGE』『黒野葉月は鳥籠で眠らない』『301号室の聖者』『世界の終わりと始まりの不完全な処遇』『ただし、無音に限り』『響野怪談』がある。

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