- Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575513936
感想・レビュー・書評
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消防署を舞台とした青春お仕事小説かと思いきや、やはり「警官」シリーズをものする著者ならではの、登場人物それぞれにキャラが立ち、そしてサービス精神てんこ盛り、業界情報満載、一味も二味も違うエンターテイメントだった。
何しろ、売り言葉に買い言葉の勢いで「あくまで楽して得するためだけ」で、消防士になった元不良少年が主人公なのだから。そして、彼を取り巻く面々もそれぞれ過去を重荷に生きている。さらに、『そして、警官は奔る』でもテーマになった不法滞在外国人問題が絡んできて、入国管理官がキーとなる。
重い話や深刻な社会問題を取り上げながら、決して暗いストーリーにならないのは、主人公はじめキャラクターが魅力的だからだろう。
主人公の上司=隊長がまた、いい。彼が主人公に諭す。「どんな奴でも、どこかに必ずそいつに生きていて欲しいと願う人たちがいる。その人たちのところへ帰してやるために、もう一度やり直すチャンスを与える手助けをするために、そのために消防士はいる。」
続編も読みたくなる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何気なく読み始めてみたら大当たり!
分厚いけどさくさく読めました。
消防のことだけじゃなく
不法に日本にいる外国人の話とか
普段あまり気にしないことも言及されていて
いろんなことを考えてしまう一冊でした。
埋み火も読みます! -
※文庫本は未読のため、レビューは単行本にて。
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途中まで…というかほぼほぼ最後に近くなるまでは、第二弾はもう読むまいと思う程どうも主人公が合わなかった。
救急車や消防車来て文句言う人や避けない人、私見た事ないけど何でこんな風に言わなきゃなんないの?と思ったり。
呪っとくだの。
そして、警察の扱い。
あんな警官も見たことない。
まぁ、救急も消防も今まで家族も含めてお世話になったことないし、私が接したことのある警察も良いイメージしかないから、平和な人生を歩んできてるって言うことだろうけど。 -
ものすごくおもしろい。仕事さぼっても読みたい本。手ごたえ十分。
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すごい小説だ。小説の醍醐味である疑似体験がどっぷり。
消防士を中心に、警察、入管。言葉は知っているし、その職業についている人たちの職場の近辺もよく通過するけれど(入管は、空港くらいかな)そうなのか、こんな仕事ぶりなのか、とたっぷり体験。考えさせられることも多かったけれど、極力主観を持ち込まないように突き離し気味で読破。世の中の仕組みとして気になっていたこともいくつか解決。ありがとう、小説。 -
消防士だった父親。
休日でも、家族よりも、人命救助を優先した男。
幼いころは憧れていたのに、いつからか蔑むようになった。
そんな父親はアル中の男を救って亡くなった。
目標もなく、要領よくワルをしていたが、
父親が救出し兄弟のように育った男の言葉に反発し、
いまでは新人消防士。
やる気はないし文句は多いが、なんだかんだと
人助けしてしまう。
不法外国人の摘発に絡んだ連続放火事件に巻き込まれ、
今まで考えていなかった様々なことにぶつかっていく。
事件そのものよりも、登場人物たちの考えや言動が、
面白いです。
続編も読んでみたくなりました。 -
不法滞在の外国人が暮らす木造アパートで放火!現場に出動した新米消防士・大山雄大は“水をかけると広がる炎”に疑念を持ち、独自の調査を開始する。だが、やがて第二、第三の凶行が…。熱いハートを憎まれ口で隠し、火事も事件も正面突破。雄大のまっすぐな言葉と行動がでっかい感動を呼ぶ、青春消防ミステリー。