- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575519952
感想・レビュー・書評
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明るい農村 ( 幸せの条件)を読んだ後に、一転してダークな本書を読んだ。同じ作家でありながら180度違った内容。
内容はエログロが激しい。暴力と言葉で相手を支配する。相手が親だろうが甥っ子であろうが、殺さざるを得なくなる。死体の処理も、そこまでやるのかと言うほど目を背けたくなるやり方。あり得ない内容と思ったが、解説を読むと北九州市の事件を元にしているとのこと。実際の事件を調べて見ると、主犯は無罪を主張していたとか。あり得ないと思う。
事件と二人のカップルの話が並行して書かれていて、時系列が同じに見えて混乱する。最後の結末も数名の行方がはっきりせずモヤモヤする。ただ、一番終わりにたった一人の生存確認がホッとする。
凄惨な場面が多く、人によっては評価が分かれると思う。。
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H30.2.14 読了。
・町田監禁殺人事件という仮想の事件を描いた作品。監禁されていた人たちへの虐待方法が、読んでいて気持ち悪くなるぐらいにグロかった。
・「人間の理性と感情とは一体何なのか。どこに根ざしているものなのか。本書は、そんな深遠なる問題を根底から考え直させてくれる一作だと思う。」・・・解説より。
・「取り調べで情に訴えるのは常套手段だ。使い古された手法だが、だからこそ効果はあるのだと思う。実際、怒鳴りつけて脅かすより、自供が得られる確率は高い。誰にでも通用する論理、心理、情理。結局はそういうものが人の心を動かすのだ。」
・『学習性無力感』・・・長期間監禁され、暴力を振るわれ続けると、人は次第にそこから抜け出す努力をしなくなり、最終的には逃げる気力すら奪われてしまう、という学説。
・「確かに人は慣れる。楽しいことにも、苦しいことにも、優しさにも、憎しみにも。人を傷つけることにすら、人間は慣れていくのだ。」 -
誉田哲也『ケモノの城』双葉文庫。
文庫化されたので再読。
これまでの誉田哲也の作品とは全く風合いの異なる恐ろしい内容の小説。2002年に発覚した日本犯罪史上稀に見る凶悪事件である北九州・連続監禁殺人事件に触発されて描いた小説らしい。
再読してもなお、とてつもない恐ろさと不安を感じる物語だった。少しづつ明らかになる凄惨な事件の全容、期せずして事件に巻き込まれてしまう辰吾…
具合が悪くなるようなグロく、恐ろしい描写が続き、これが本当に誉田哲也の作品なのかと疑いたくなる作品だった。ここまで徹底的にサイコパスを描いたフィクションというのは、なかなか思い浮かばない。冨樫倫太郎の『SRO』で描かれる近藤房子も、新堂冬樹の一連の吐き気をもよおすような作品も全てぶっ飛ぶほどの恐ろしい作品であった。
そして、不安な余韻を残すラスト… -
信じられないほど淡々と語られる虐待の状況。ノンフィクションだなんて信じられない恐怖。ケモノっているんだ!怖すぎてグロ過ぎて読むのが止まらなくてそれもまた怖い。
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ミステリー?推理?スッキリ終わらないところはホラーかとも思うけど、いつも通り魅力的な警察官が登場するからやっぱり推理小説?
書評にあるように残酷な表現が多かった。
残虐な表現はあえて想像しないように、
辰吾の視点から読むようにしたらなんとか読めた -
読んでいて辛くなる凄惨さ。けど結末を知りたくて読んでしまう。登場人物の精神構造を知りたくなるほどの離人的行動。読んでいる自分がダメージを受けそうな威圧感。実話を元にしているという。
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グロテスクな表現に耐えれるなら一度は読んだ方がいいと思った。昔も今も変わらず周りにはいると思った方がいい
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面白い……といえば面白いのか。
とにかく気持ちが悪かった。
きっと、これだけ不快な感覚を文字だけで味わわせられるのは、筆者さんの表現力がすごいからなんでしょう。
食事前後には読めないです -
ミステリーと言うより、ホラーである。そして、恐怖感を増幅させるスパイスは、何より、これがノンフィクション仕立てで、実際に起こった事件を型取り、想起させるからだ。こんなエグい事が本当にあったのか。読んでいて気持ちが悪くなるから、要注意だ。実際、私はモデルとなる北九州・連続監禁殺人事件の書も読んだのだが、小説になる事で物語りに入り込んだ分、ダメージは大きい。R指定にしないといけないぐらいだ。