ジャッジメント (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
3.57
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本棚登録 : 1015
感想 : 96
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575521399

感想・レビュー・書評

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  • 思ったよりも救いがない展開だった。

  • なるほどなって思った。
    読みたいなって興味があって、先に知り合いに紹介してかるくストーリーを聞いて読むという不思議な読み方をした。

    2018.9.29

  • そこまで面白い…?

  • ★3.5
    「目には目を歯には歯を」な法律、"復讐法"。確かに、あまりにも酷い事件が起こった時、犯人が被害者と同じ目に遭えばいいのに、と思うことがある。そんな感情を巧く掬い取ると同時に、少年による凶悪事件、無差別な通り魔事件、家庭内での児童虐待等、現実にも起こっている事件が取り上げられる。が、被害者や加害者、遺族それぞれのドラマがあるものの、着地点は予想通りで真新しさは特に感じず。それでも、デビュー作にしては意欲的で、著者の今後の作品が楽しみではある。私的には、全5話のうち「サイレン」が一番印象に残った。

  • (だったらお前には巧く書けるのか、と訊かれたら絶対無理なんだけど)設定に惹かれて手に取りましたがなんというか稚拙で底が浅くて、うーん……って感じでした。

  • やや期待ハズレ。
    題材はいいんだけど うまく活かしきれなかったという感じか。デビュー作と考えたら 仕方ないのかな。
    難しい題材でもあるしね。
    主人公 鳥谷文乃の人となりが 最後の最後になるまで 全く感じられない。ストーリー上 この人を前面に出せないことはわかるけど キャラ立ちしてないので 全く引き込まれない。映像が浮かんでこないというか。
    ストーリーも どれもワイドショーか何かで聞いたような内容で深みがないし。
    ただ最後のジャッジメントは やっと人間らしい鳥谷文乃に会えた気がして 切なくも良かったです。
    星3.5

  • 次女の購入本。エンタメとして好きなジャンルですが、若干怖い。女性作家は痛い表現するよね。

  • 2018年94冊目。被害者遺族が加害者に対して直接被害者が受けた行為を行える復讐法。もしも実際にこのような法律ができたら?被害者遺族の立場になった時、復讐を選択するのか?選択したとしてそれを実行できるのか?そんな思いに駆られてしまうほど圧倒的な迫力を感じる作品です。

  • 小林由香『ジャッジメント』双葉文庫。

    著者のデビュー作らしい。犯罪者への刑執行の代わりに被害者遺族が復讐する権利を保証する『復讐法』を巡る物語。はっきり言って期待外れ。

    メッセージ性の強い作品にしようという意図は伝わるものの、結局のところ何を伝えたかったのか……最近、増加しているように感じる凶悪事件と人間の本質について考えるきっかけにはなったのだが……

    本作を読み、人間の本質について考えたことは次の通り。

    最近、テレビや新聞で伝えられる凶悪事件を見ると人間の本質は悪なのではないかと思うようになった。昔は性善説を信じていたのだが、最近は人間というものが全く信じられない。日本はいつの間にか、いつ他人に刃物で切りつけられ、いつ駅のホームから突き落とされるのではと常に気にしなければならぬ国になってしまったのだ。気にしなければならないのは、こうした物理的な命の危険だけではない。突然あらぬ噂を立てられたり、信じていた人間に裏切られたり、昔なら大したことのない言動がセクハラやパワハラ、差別と言われ兼ねない恐ろしい国になってしまったのだ。思うに権利や自由といった言葉の幻想が、昔なら非常識だったことが一夜にして常識や正論へと変えてしまったことで、悪と善の境界線が曖昧になってしまったのではなかろうか。

  • 従来の法か、「復讐法」か、どちらを選ぶか。

    虐待や凄惨な事件のニュースには必ずと言っていいほど、「犯人も同じことをされて死ねばいい」というコメントが並ぶ。
    この作品でも「復讐法」を選ぶことで無念な気持ちを晴らそうとする被害者親族たちが描かれるが、そこに刑を越えたコミュニケーションが存在することがこの小説のキーなのだと思う。

    以下、ネタバレ含むので注意。



    冒頭話「サイレン」では、息子をリンチ死させられた父が執行人として登場する。
    相手も少年で、彼に息子に関する質問をしては、答えられない時には暴行を加える。
    そして、一日の終わりには、加害者の母が待ち受けている。

    加害者の母に被害者の父が敢えて「知らせた」のは、そういう結末を予期していたからだ。
    けれど、それが「許される」ことは、そもそもこのシステムの破綻に繋がらないだろうか。

    その後もイレギュラーな形で、執行人の氏名の漏洩や、執行人自身が見える形での自死を選択するといった「ジャッジメント」が行われる。
    読んでいて、面白い作品に思ったが、こうも多くのイレギュラーな状況が生じると、どうしても都合良く感じてしまった。

    システムは冷たいものだ。
    そして、冷たいシステムだからこそ、人は無心に従えるのだということが、歴史的に何度も繰り返されている。
    大切な人を殺されたという感情の部分と、この冷たさがどのように「法」として練られていくのか、考えさせられる。

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著者プロフィール

1976年長野県生まれ。11年「ジャッジメント」で第33回小説推理新人賞を受賞。2016年、同作で単行本デビュー。他の著書に『罪人が祈るとき』『救いの森』がある。

「2020年 『イノセンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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