小説 星守る犬<新装版> (双葉文庫)

  • 双葉社
3.89
  • (33)
  • (54)
  • (33)
  • (7)
  • (0)
本棚登録 : 841
感想 : 43
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575525601

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 犬という生き物は、最後の最後まで人間に寄り添う生き物なんだと、改めて実感させられた一冊でした。そして、そんな生き物はこの世の中で唯一、犬だけだと思わざるをえませんでした。
    読んだ後から、感動のような、温かい愛情のような、なんだかそんな感情がじわじわとおそってくる、1人の人と1匹の犬の、愛しくなるお話でした。

    ***ネタばれ***
    お父さんの人生は、なんだか気の毒でかわいそうに思えたけど、でも、孤独死が多い世の中、大好きなハッピーが最期まで側にいてくれたお父さんは、奥津さんが言うように、とても幸せだったのかもしれない。そしてハッピーも、大好きなお父さんの側にずっといれて、最期はおとうさんが迎えに来てくれて、幸せだったことでしょう。そしてもう永遠におとうさんとハッピーは一緒なのだから。

  • お父さんと犬があまりにも気の毒です。お父さんの犬への愛情もたっぷりだし、犬もよく頑張った。幸せにのどかに暮らしてほしかった。
    でもきっとこれが現実。私も現場で働く心理師として本当に生きるのが大変な人が支援につながるように仕事していきたい。
    うちの犬もいよいよ家族みんな新学期や在宅ワークからの出勤などでお留守番になります。夕方帰ってきたらたくさん愛情も注ぎます。

  • 本作は、コミックを読んだ原田マハが感動して小説に書き下ろしたものとのこと。犬本にハマって色々読んできたが、どこかで我が家のアホ犬の可愛い部分に重なるところがあり、必ずウルッときてしまう。
    ちょっと悲しい結末だけど、幸せな人生と犬生だったのかも。

  •  マンガの小説化。

    寄り添い合って生きること。

    そばに居てくれる大切な人の為に出来る事。

    異国の地で争い苦しんでいる人達の為に出来る事。

     幸せに向かう為に出来る事。

  • 現実の日々がちょっとしんどくて、小説で泣かせてもらおうかな?と思って読んだら

    泣かせてもらいました。




    犬とは、なんと憐れな生き物だろう。ひたすらに飼い主を愛し、付き従い、見向きもされなくなったとしても、人間の足音が自分のほうへ近づいてくるのをひたすら待っているのだ。
    なぜ、そうまでして人間を待つのか。そうまでして、私たち人間を愛するのか。


    真っ直ぐなワンの愛に比べると、人間って雑念ばっかり。
    いや、私って雑念ばっかりで嫌になる。
    いやいや、ワン達と比べる事じたい、不相応なことだった!

    自分は、人間として生きていくんだなぁ。




  • 犬のハッピー目線で描かれた悲しい家族の人間模様がちょっと辛い。だからこその犬の健気さが際立って切なく感動を与えているとも言えると思うが。。
    お父さんが白骨化していく過程は、この物語の骨格となっている人間と犬との絆や愛情などと相反して少々リアルで、感動というより悲壮に思えてしまった。
    お父さんの全財産の財布を盗んでいなくなった少年がその後どうなったのかも、もやっとするところ。いなくなる直前にハッピーを抱いて泣いていたくらいだから、お父さんの優しさに触れその後はきっと後悔して曲がった人生を歩まずにすんでいるに違いないと想像するしかないのでしょう。
    感動するにはお父さんの人生があまりにも辛くて、貧乏でも慎ましやかにハッピーと静かに暮らしていける道はなかったのかと思ってしまうのは私だけでしょうか。。夢のない大人になってしまったのかなぁなんて自問してしまったが、ただ単に、離婚して1人になってしまったお父さんの幸せに暮らす姿を望んでいただけの私です。
    この小説は、原作者が別にいらっしゃいますが、マハさんの犬の話は『一分間だけ』がやっぱり感動的で好きだなぁ、と改めて思い出しました。

  • 物語の最初に悲しい予感がしました。読み進むうちに、やっぱり悲しいやん、、って。犬も家族。最後まで愛してあげましょ。おなじ後悔を味わった主人公が、二人の幸せを感じてあげたところが良かった。のぞみつづける事で、どんな人生もしあわせな時間はかならずある。そうおもわせてくれる本でした。

  • 一気読みして泣いた本。苦しくて切ない。
    犬と比べると人間って気まぐれで残酷だなぁと思う。動物を迎え入れて大切な家族の一員になるって奇跡のようなことだけど、その責任もしっかり持たなきゃね。私も胸を張って自分の小さな相棒は生涯幸せだったと言えるように、たっぷり一緒に過ごしてたっぷり愛す:)

  • 原田マハさんが好きで、手に取った一冊。
    私も犬を飼っているので、すごく感情移入して最後まで一気読みしてしまった。
    ただ一途に愛し続けること、ずっとその気持ちを抱きつつ、生きることは、実に難しく、だからこそ尊い。
    愛し愛されるそんな関係になれる存在に出会い、最期まで一緒にいられたら本当に幸せなことだと思った。

  • こんなにいい本、あるぅ?(惣流アスカの声で脳内再生が勝手に行われた)
    めちゃくちゃいい。
    ある白骨死体と、一緒に犬の白骨も発見された。それを巡る物語。
    犬(などのペット)を飼うはじめの時、少年少女は目を輝かせ、夢中になるけれど、彼らは大きくなる過程で必ず興味を失う。
    犬はどこまでも一途に彼らに寄り添う。
    終わりが圧巻で、さすが原田マハだなぁと思った、いつもこの人の本は最後に感動させられる。言葉選びもセンス良くてずば抜けてるなぁと、感動しながら読んでました。こんなに簡単な言葉で面白く書けるのって素晴らしい実力だと思います。

全43件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

原田マハの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
凪良 ゆう
小野寺史宜
宇佐見りん
原田 マハ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×