お父さんはユーチューバー (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 75
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575525830

作品紹介・あらすじ

宮古島のゲストハウス「ゆいまーる」のひとり娘、小学5年生の海香は絵を描くことが大好きで、将来は東京の美術大学に入りたいと思っていた。そんなある日、父親の勇吾が宣言した。「俺はユーチューバーになる!」 宮古島の自然とゲストハウスに集う人々を通じて描く家族小説。

感想・レビュー・書評

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  • 最近、読む本ほとんどに高評価をしている。通してみたら星2,3でも、部分的に感心したり、刺さるフレーズがあると、一気に評価が上がってしまう。歳をとって感情の振れ幅が大きくなった証なのかな〜
    それはそれとして、この本にも感動させられた。
    沖縄繋がりで読んだが、宮古島の美しい浜辺と「ゆいまーる」に集う心優しいやーでぃ。勇吾と海香の掛け合い。読み終わって思ったのだが、海香は正樹や元気のような優しい人を、それとも勇吾のようなはちゃめちゃな裏に信念を持つ人、どちらのタイプを将来選ぶのだろうか?

  • 以前、同じ作家の『シンマイ!』という作品を読んだことがあります。
    とても良かったので、今回この作品を書店で見つけた時は書名にも惹かれて即購入しました。
    感想を書くとネタバレになりそうなので簡潔に。

    良かったです。
    作品の舞台の宮古島の海。
    綺麗なんだろうな~。
    どこまでも続くコバルトブルー。
    広くて広くて、大きくて。

    そこでゲストハウスを営む親子。
    そこに集う人々。

    作品の後半に涙を流しました。

    素敵な家族の話でした。

  • “よしっ、決めた。俺はユーチューバーになるぞ”

    宮古島のゲストハウス「ゆいまーる」のひとり娘、小学5年生の海香の父勇吾は、そう決めた。

     宮古島の青い海を目の前にしたゲストハウス。勇吾と元気がゲストハウスを切り盛りし、虎太郎が自前のフルーツと肉を提供してる。海香はユーチューバーになる父に協力してあげる。

     みなさんの感想が「泣けた」というものだった。またまたーそうはいかないぞーとページをめくった。過去の経緯がわかったり、お父さんの告白があったり、うんうん、泣くよね、と余裕をかましていた。ら、最後にやられてしまった。まんまと泣いてしまいました!ああ、もお親子の話って、ね!泣けるんですよね!海香ちゃーーーーん!

    まっすぐな人の優しさを、まっすぐに受け止めたい。そんなタイミングに読んでよかった。

  • 浜口倫太郎『お父さんはユーチューバー』
    2022年 双葉文庫

    沖縄の宮古島が舞台ということで購入しました。沖縄や海という言葉に弱くて。
    タイトルからして楽しくてにぎやかな物語かなと思っていたけど、完全にいい意味で裏切られました。
    もちろん楽しくてにぎやかな部分もあるのだけど、これは〝無償の愛〟〝家族愛〟に溢れる感動作でした。
    家族愛と書くと、いわゆる一般的な家族をイメージしちゃうけど、家族にもいろんな形がありますよね。しかも沖縄、ゆいまーるの精神も持ち合わせているので、広い意味での家族愛の物語でした。
    特に中盤からラストにかけては温かな涙があふれてきます。
    個性的な登場人物の皆さんだけど、みんなが本当に心優しい人たちばかりで。
    まるで自分も宮古島の海と風を感じているような、心温まる作品でした。

    #浜口倫太郎
    #お父さんはユーチューバー
    #双葉文庫
    #読了

  • 「俺はユーチューバーになる」と宣言する父親と娘のお話

    絵を描くことが好きな小学5年生の海香
    将来は美大に行きたいと思っているが、父 勇吾はゲストハウスを営んでいるものの経営は他の人に任せっきり
    自分は色々な商売のアイデアを思いついては失敗している
    また、度々「東京に行ってくる」と数日間家を空けることがある
    そんな経済観念を持つ父親のため、進学費用はないであろうと見越している海香
    同級生の間で流行っているユーチューバーのヒカリンの収入の話題を父の前で話したところ、「俺はユーチューバーになる」と宣言する勇吾
    勇吾はユーチューバーとして成功するのか?そして、ユーチューバーとして有名になろうとする意図とは?


    YouTuberという仕事のものすごく単純化したお仕事小説の側面

    PVを稼ぐための工夫
    編集、テロップ、特色、流行の段階、事務所、コラボ
    ネタの過激化、そして炎上

    世の中に簡単に儲ける仕事はそうそうないというのがわかる
    勇吾のアイデアマンの特徴から、こち亀的な展開になるかもなぁとは思ったけど、まぁそんなもんでしょうねぇ

    所々から感じる勇吾への不信感
    事情があるにせよ、毎晩の深酒、海香の将来を顧みないようなお金の遣い方、海香との身勝手な関係の築き方、責任感の欠如が甚だしい
    あと、一休をここに連れてきたのに結局同じようなな激務に追い込んでいるように思えるところはどうなのよ?と思う
    こーゆー人ってやっぱり苦手


    YouTubeは失敗できる環境(炎上案件を除く)
    失敗するとわかっていても身をもって経験することの重要性
    なんだかんだ言い訳をしてやらない事への批判など
    実際に行動に移せる人や、それに結果が伴う人もそうそういないのではなかろうか
    そんな世間一般的な自己啓発本に書かれてある事も上手くストーリーに取り込んでいる


    ただ、そんな流行り物を扱ったお仕事小説なだけではなく家族の物語としての側面

    ミステリではないけどネタバレ禁止という前情報があったため、色々と序盤で推測できる
    元気の素性とか、勇吾の目的とか、海香との関係性など
    思わせぶりな描写も結構あったのでね

    勇吾がYouTuberとしてテレビに出る=有名になることにこだわっていた事や時々東京に行っていた事とか
    虎太郎を含めて昔のエピソードの年数を考えればねぇ?

    ただ、実際問題そんな簡単な手続きじゃないと思うんだけど、物語の本質とはズレるので言及はしない

    途中からは「はいはい、この手の話ねー」と展開が読める
    でも、わかっていても泣かされましたけど、何か?

    親の不器用な素振りに隠された想い、親と子の絆
    オチの演出としてもタイトルに相応しい展開でよい

  • 宮古島にあるゲストハウス・ゆいまーるで暮らす
    親子とその仲間たちのお話。
    どうしても沖縄舞台の物語は
    評価が激甘になってしまうんですが…
    こちらも読んで良かったなぁとなりました。
    お父さんの破天荒ぶりについて行くのがやっと
    なんだけど、何かあるんだろうなと思って
    読み進めて行くと、家族にまつわる素敵なお話でした!
    YouTuberって本当に誰1人も知らないんですけど、
    ちょっと知識がつきました。笑

    早く沖縄に行きたいいいいいい‼︎‼︎‼︎

  • 大切な家族。
    涙しました。

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著者プロフィール

1979年奈良県生まれ。2010年、『アゲイン』(文庫時『もういっぺん。』に改題)で第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞しデビュー。放送作家として『ビーバップ!ハイヒール』などを担当。他の著書に『22年目の告白-私が殺人犯です-』『廃校先生』『シンマイ!』などがある。

「2021年 『ゲーム部はじめました。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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