はぐれ又兵衛例繰控【三】-目白鮫 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
3.47
  • (4)
  • (3)
  • (7)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 73
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575670523

作品紹介・あらすじ

又兵衛の妻静香の前夫は火盗改の長官の息子だった――。偶然の再会を機に、前夫の差し金とおぼしき嫌がらせが続いたことを気に病んだ静香は、屋敷から姿を消してしまう。そんななか、火盗改の捕り物の助っ人に駆り出された又兵衛は、盗賊の頭を召し捕る手柄を挙げるが、捕らえた頭が牢破りをしたとの報が届き――。怒りに月代朱に染めて、許せぬ悪を影裁き。時代小説界の至宝、坂岡真が贈る、令和最強のシリーズ、激動の第三弾!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 勧善懲悪にして、爽やか、読むのが楽しいです
    目白鮫 ― はぐれ又兵衛例繰控シリーズの3作目 
    2021.05発行。字の大きさは…中。
    西琳寺の虎、目白鮫、暫の3話。
    南町奉行所例繰方与力で香取神道流を極めた剣客・平手又兵衛の活躍を描いた物語です。

    【西琳寺の虎】
    絵師・孫次郎が、座頭・宗竹から座頭金を借りて返済に困り利き腕を折られ、娘・おちよを女郎に売られる所を助けた又兵衛。その宗竹が殺された。そして孫次郎が、西琳寺(せいりんじ)に描いた見事な虎の絵が寺ごと燃やされた。怒った又兵衛は、杉崎検校と対決する。
    ――― 宗竹が、杉崎検校がお上に上納する金をごまかした裏帳簿を西琳寺に隠し、検校を脅した。この物語は、展開が早く、殺陣が多くて、読んでいても飽きません。

    【目白鮫】
    火付盗賊改方長官の嫡男で静香の前夫・琢磨と静香がたまたま再開した。静香が幸せなのを見た琢磨は、静香への未練からか又兵衛を貶めようと盗賊・弥源太と手を組み。静香を拐して又兵衛を殺そうとするが、謀りことが敗れて琢磨が捕まってしまう。
    ――― 勧善懲悪がいいですね。すぱーとしています。読んでいて気持ちがいいし、それでいて推理小説ぽい所もある。展開も速いし、殺陣が多くて、読んでいても飽きません。

    【暫(しばらく)】
    旗本の寺尾家に養子に出した息子・誠一郎が、13年前に謀に掛けられ切腹に追いやられた橋廻り同心・臼井誠左衛門は、又兵衛の力添いを受け犯人と黒幕を捕縛する。
    ――― この物語は、本当にしんみりとしてきます(涙)

    【読後】
    展開も速いし、殺陣が多くて、読んでいても飽きません。
    今作は、静香が、前夫にあらぬ噂をたてられ又兵衛への迷惑を考えて家出したり。攫われたりと大変な目に遭いました。最後に静香との披露宴を行い、晴れて又兵衛と静香が夫婦になったのは嬉しいです(笑顔)
    336ページ
    2021.07.24~25読了

    【豆知識】
    「例繰方(れいくりかた)」とは、江戸時代、町奉行所の一分課。判例を整理し判決録の保存を主任務とし、また、必要な場合には先例の調査にも当たった。南北町奉行とも各与力二人、同心六人。

    ※シリーズの感想と読了日
    鯖断ち ― はぐれ又兵衛例繰控シリーズの2作目 2021.03.28読了
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4575670278
    駆込み女 ― はぐれ又兵衛例繰控シリーズの1作目 2021.02.18読了
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4575670200

  • シリーズ3作目となり主人公のキャラが安定してきたようだ。それにつれて助ける人も増えてきた。
    1話目の「西淋寺の虎」では半目していた内与力から協力を求められた(拒否したが)。助けてきたのは切り結んだ敵方。2話目の「目白鮫」では因縁の火盗改との出会いで・・。3話目では部署の違う北町奉行所からの協力と、妻との祝言では南町の幹部達からと歌舞伎役者からも祝いが。協力者が増えるのは嬉しいが、看板の「はぐれ又兵衛」との齟齬が出るので悩ましいところ。

  • 2021年5月双葉文庫刊。書下ろし。シリーズ3作目。西琳寺の虎、目白鮫、暫、の3つの連作短編。今回の又兵衛の活躍は、痛快で面白かった。ようやく又兵衛の人となりがはっきりした。坂岡さん路線としてはありがちな展開だが、又兵衛のがんばりは楽しい。登場人物たちもうまく動き出した感があり、次回が楽しみです。

  • 馬鹿にされても気にしない又兵衛さん。そろそろ実力を認められる?

  • 63

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

坂岡真
一九六一年、新潟県生まれ。十一年の会社勤めを経て文筆の世界へ入る。江戸の情緒と人情の機微、そして花鳥風月を醸し出す筆致で、多くの読者を魅了している。主なシリーズに「鬼役」「鬼役伝」「帳尻屋始末」「帳尻屋仕置」「照れ降れ長屋風聞帖」「はぐれ又兵衛例繰控」「死ぬがよく候」「人情江戸飛脚」などがある。

「2023年 『うぽっぽ同心終活指南(一)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

坂岡真の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×