呪われた部分 (ジョルジュ・バタイユ著作集)

  • 二見書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576000237

感想・レビュー・書評

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  • 過剰は美である。
     ウィリアム・ブレイク

    p35
    太陽エネルギーがその過剰発展の根源である
    太陽は与えるだけでけっして受け取らない

    p30
    成長の拡大はかえって倫理の転覆を要求する!
    浪費や、贈与が必要とされる

    p97
    浪費が身分を決定づける

  • 一年半くらい前から経済に関する本を読んできた。
    なんとも生きづらく今のあり方に納得いかなかったから。
    バタイユさんの理論は私の中では筋が通っている。
    ただ、翻訳が古くてちょっと修飾関係とかかかり方が不明なところがあってわからないところがあった。

    栗本慎一郎さんの『幻想としての経済』や今村仁司さんの『暴力のオントロギー』にこの本の概説を読んでいたのでそれにそってなぞって理解したような気になっている。

    働くの嫌だだなぁ~
    労働ってなんなんだろう?
    なんでこんなにキツイんだろう?

    と思う方は読んでみてもいいかもしれない。
    その時はぜひバタイユさんの『宗教の理論』を先に読まれることをおすすめする。


    Mahalo

  • 経済システムの中でも、正統的な経済学が取り扱わない、社会学的、哲学的な領域の分析が、おもしろかった。
    このような仕事ができるのは、バタイユだけだ。

  •  本書は、富の蕩尽こそが、生産に比して、第一目標となるような「普遍経済」の原理を呈示するものである。

    <メモ>
    ・精神の自由にとって解決の追求は一種の過剰・余分であるという事実が精神に比類なき力を与える。

    ・生命の最も普遍的な条件について簡単に触れておきたい。決定的重要性をもつ一事実に注意を惹くだけにとどめよう。つまり太陽エネルギーが
    その過剰発展の根源であるということだ。・・・太陽のほうは返報なしにエネルギーを与える(p25)

    呪われた部分とは、生け贄のごとく、消費され尽くされるためだけに存在する過剰な剰余のことである。

  •  どうやら、これは完成品ではないらしい。だから読みにくかったのか。彼の経済学は、浪費がキーワードだろうか。文化人類学をベースにし、価値や効用ではなく浪費に意味を置く。だから、合理的なケースでは効果は発揮しづらいだろーな。
     仮に従来の古典経済学と、バタイユの見解を合成させようとしたらどうなるか?最初に考えたのは、負の価値として浪費を価値の概念化に組み込む。で、今まで価値と呼んだものを、距離の概念として定義する。つまり、ベクトル空間を新たに作ろう。ただ、挫折orz
     なぜならば、零元を定義できない。言い換えれば、無価値ってどういう事か?あと、客観的に有価値(正の価値)なのか浪費なのかを決める物差しがないのでは?と思ったから。難しいな、経済学。最も、古典経済学上の話だから、そもそも意味あるのか分からないけれども。

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著者プロフィール

1987-1962。フランスの思想家、作家。世紀を超えて今も各分野に影響を与え続けている。『エロティシズム』『眼球譚』など著作多数。

「2022年 『内的体験 無神学大全』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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