愛を刻んでほしい (二見文庫 ヒ 1-1 ザ・ミステリ・コレクション)

  • 二見書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576091365

感想・レビュー・書評

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  • ☆3.5

    1886年、南北戦争後のテキサス。
    戦争により愛する夫と弟たちを失ったヒロインは戦闘を拒否し戦争忌避者として生き延びて帰郷したヒーローへの憎しみを募らせていた。
    ヒロインは戦士した彼らの贖罪のために戦没者記念碑を彼に彫らせ苦悩する姿を見たいと思っていたがーー。

    ロレイン・ヒースの小説って貴族などの華やかな舞台のものしか読んだことないけどこれは南北戦争後の庶民を主役にしたもので趣が違って良かったです。
    「戦争忌避」や「良心的兵役拒否」した人たちの存在は歴史の陰に隠れてなかなか知ることはないと思うので、彼らの戦後を含めてこういうことがあったんだろうかと考えさせられました。
    ヒーローが「臆病者」と罵られ村八分にされながらもあまりにも高潔で誇り高い男なので胸が痛くなる部分もありますが、ヒーローの双子の弟たちの敬愛が救いでもあります。
    あとヒロインの亡き夫も裏があるわけではなくヒーローの親友で立派な男性だったのも良かったです(コインはイカサマだったけど)。

    " Always to Remember " 1996

  • 1866年のテキサス。南北戦争で戦うことを拒否した青年、クレイは帰ってきて弟たちと暮らしていたが、周囲の人間は彼を臆病者とののしり、憎んでいた。夫を戦争で失ったメグは、クレイに罰を与えるため、彼に戦没者の石像をつくらせることにした。家族には秘密にして彼に接触し、石像を作る様を見学しているうちに、メグはクレイのことを知っていく。彼は本当に「臆病者」なのか?
    クレイが、メグの夫とは幼馴染でずっと一緒に育ってきた、その場所で彼らの思い出とともに生きているんだなあ、というのがよくわかりました。(メグも彼らと一緒に育ったのだが、やはり男同士の絆というか)クレイとメグの弟たちの感情もよくわかるし、それを押しての双子の愛らしさがたまらん(笑)。いやー、これは当たり~。憎しみが絡んだ物語はあまり好きではないのですが、これはおすすめです。ちなみに、クレイは経験なしでメグは未亡人。こーゆー組み合わせも珍しくて面白かった。

  • テキサス州が舞台 ヒーローの “良心的兵役拒否”と村人たちの愛国心が話の軸
    プロローグは良かったが、読みすすめると同じ話の繰り返しでだれてくる ヒーローの信条とヒロインや村人たちとの考え違いはもう十分わかったから、先に進んでって思う 
    p147あたりでギブアップしかけたがAmazon、Dメーターのレビューが、絶賛の嵐のため再トライ 内容ずっしり重かった 投げずに読んでよかった レビューのおかげ
    村八分はいつの時代、どこの世界にでもある  あらためて人の集団心理って怖いと思った 銅像にドイツ人の石切り場の青年の名も刻まれたことがホントに良かった
    読んでよかったと思える一冊だった

  • ☆4.5
    すごく重くて辛い。
    欲望に流されてくっついたりするんじゃなくて、憎しみから愛に変わる様子が丁寧に描写されていて、ヒーロー・ヒロインと一緒に切なくなる。そういう点では、ヒストリカルロマンスなんだけど軽い娯楽小説の現代版ヒストリカルロマンスではなくて、どっちかというと今の時代に「ジェーン・エア」などを読むような、当時のコンテンポラリーを名作として現代に読む、みたいな感じ。
    いい話なんだけど、再読するにはエネルギーが必要。

  • なかなか辛い展開ですね。

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