片翼の皇子 <上> (二見書房 シャレード文庫)

著者 :
  • 二見書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576110202

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  • 鳥と人の間に生まれた異形の子供として、皇子から性奴へ身をやつした佳宵。
    心も体も傷ついた少年を、北方民族の長・泰誠は救うことができるのか――。

    広大な領土を誇り権力を恣にした翰帝国が衰退の兆しを見せ始めた頃――異形の少年が今夜も貴人の館で賓客に供されていた。少年の名は佳宵。かつては皇子だったが、鳥と不義をなした女の子供として地位を剥奪されて以来、銀髪に特殊な瞳孔、背に羽根が生えた人型の性奴という扱いを受けている。その佳宵が北方の異民族・匡祖氏へ下賜されることに。体のいい厄介払いに、父・帝をいまだ恋い慕う佳宵の心は深く傷つく。長の泰誠は精悍で心優しく、なにくれとなく佳宵を気遣うが、心を閉ざす佳宵は厚意を無にするような行動に出てしまい…。
    (出版社より)

  •  広大な領土を誇り、権力を恣にした翰帝国。
     佳宵は、その帝国の皇子だったけれど、十三歳の時に、異形の姿となってからというもの、貴人の館で、賓客に供されるようになってしまう。
     佳宵は、銀髪に特殊な眼光をしていて、背に羽が生えてしまっていたのだ。それは、佳宵の母親が、鳥と不義をなした証でもあった。
     それ以来、性奴として扱われる佳宵であったが、国の危機により、北方の異民族・匡祖氏へ下賜されることになる。
     体のいい厄介払いに、父に優しくされた記憶にすがるしかない佳宵の心は深く傷つく。おまけに、北方の民族は野蛮な一族であると吹き込まれた佳宵には、恐怖の対象でしかない。
     いやいやながらも、拒否権のない佳宵は、北方へと赴くしかなく、長である泰誠の元に囲われることになる。
     ところが、泰誠は佳宵の予想とは違い、精悍で心優しい男であり、なにくれとなく佳宵を気遣う。
     けれど、長らく人に優しくされたことなどなかった佳宵はその行為をどう受け止めてよいのかわからず、泰誠の行為を無にする行動に出てしまう。
     すると今まで良好な関係を築いていたのにも関わらず、一気に二人の関係は悪化してしまう。
     泰誠は、佳宵を犯し、囲うことで自分の鬱憤を晴らそうとするけれどまったくすっきりしない。
     一方の佳宵は、再びやってきた悪夢のような日々に、「やはり」という思いしか抱けずにいた。

     という話でした。
     せっかく、つらいところから出て行けたのに、すっかりつらいところの環境に慣れてしまっていた佳宵は、つらくないところでどうやって振る舞っていいかわからなくて、ついつい余計なことを言ってしまって、泰誠を怒らせて。
     けど結局、泰誠が自分の本当の気持ちに気が付いて、佳宵にそれを告げようとしたところで、火事が起こって、その隙に佳宵は攫われてしまう。
     泰誠は結局、自分ひとりで佳宵を助けに行くけれど、敵に囲まれて、絶体絶命のピンチを迎える、というところで終わっています。
     思わず「続きをくれ!!」と叫びたくなってしまうレベルです。

     なので、この本を読むときは必ず、続きを用意してから読んでください。
     かなり凄惨なお話ですが、その分だけ救いはあって……

     ファンタジーな鬼畜めBLが好きな方にはかなりオススメだと思います。

  • 鳥と不義をなした女の子として親にである皇帝にさげすまれ、宮廷の慰みものとされている異形の王子。彼は自分を抱いた男に一時的に不死の力を与える能力を持っていた。その彼が辺境の騎馬民族の長に下賜される。王子がてっきり宮廷と同じように性の捌け口として扱われるのだと思っていたところ思いがけず普通の子供のように扱われ、だがその優しさをすぐには信じられず……。架空歴史ものっぽい世界観でありながら、幻獣や触手を持つ異形のバケモノ、精気を吸う植物などファンタジーらしい要素もいろいろ。

  • 期待通りのエロさでした。主人公さん、仕方ないとは言え、我が侭なやっちゃなー、とハラハラしました。

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著者プロフィール

小説家。2006年『妖樹の供物』(二見書房・シャレード文庫)でデビュー。

「2014年 『巫女姫ウェディング ~いじわるな愛と束縛~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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