- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784576170466
感想・レビュー・書評
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科学っていうと取っつきにくく敬遠されちゃいそうなタイトルですが、難しい公式などは一切出て来ず、文系の方でも抵抗なく読めちゃうと思います。
量子力学とかシュレーディンガーの猫とか、「なんとなくいいたいことは分かった」程度にはなれるのかな。
クオリアの話を読んでいて、昔、色盲の後輩をイジッていた時の事を思い出しました。赤が灰色に見えるその人に対し「いやいや、ありえんやろ~」とか言いながら、ふと「いや待て、今自分が見てる世界の色が他の人と同じだという保証がどこにある?色だけでなく、世界の見え方自体も本当に一緒なのか?」と思ったのですが、今思うと割りと哲学的な事考えてたんですねw
人生の気付き、みたいなものはないですが、教養として読んどいて損はないかと。
数学の方も買いました。
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著者の飲茶さんは哲学の専門家ではなく、元理系のサラリーマン。著書に「14歳からの哲学入門」など哲学や科学などの学問を平易に解説する本を書いています。
本書も哲学を全く知らない人向けに書かれた、大変面白い本になっています。
「相対性理論」、「カオス理論」、「エントロピーの法則」等を大雑把にかつわかりやすく解説したあと、「2重スリット実験」、「コペンハーゲン解釈」、「シュレディンガーの猫」といった量子力学の入口まで読者を導き、だんだんと科学から哲学や倫理問題の領域に議論を移してゆき、科学論理の脆さを突いてゆくのはうまい流れと思いました。
「哲学的な視点で『科学的な正しさ』を問いかけていくと、実はそれがかなり危ういものだと気づかされるだろう。
いままで確かだと思っていた景色がガラガラと崩れる瞬間は、怖いけども、ちょっぴり楽しかったりもする」
終盤では「意識」の問題に入ります。「どこでもドア」の寓話はかなり怖いけど「意識」の本質がモヤモヤながらも見えてきました。
哲学の難しさよりも面白さに重点を置いた本。文庫版の面白い本です。哲学の入門の入門として手に取って損はないと思います。
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【星:4.5】
量子力学など科学的トピックスの具体的説明しながら、「科学ってなんだろう?」という疑問に答えてくれている。
そんな感じなのでタイトルどおり「哲学」の本であり、また「科学」の本でもある。
さらに説明はとてもわかりやすい。「科学の具体的なトピックス」「そもそも科学とは何か?」「哲学」を一挙に学べてとても満足だった。 -
当たり前のように有名だけど私にはよくわかってなかった科学や哲学の話が、
非常にわかりやすく説明されている。
様々な内容をまとめてどこでもドアで
例え話を作っているのも圧巻。 -
SNSで見かけてからずっと興味があった飲茶さんの著作。本当は数学の方を読みたかったんだけど、本屋さんになかなか置いてなくて、とりあえず手に入ったコチラから読んでみた。
手にとって驚いたのが、
…横書き!!
フランクな文体だし、とっつきやすそう。
きっと難しい、科学やら哲学の内容を、
めっちゃわかりやすく、おもしろく書いてあるんだろうな…と思いながら読み進めた。
…
…え、
普通にめっちゃ難しいんだけど。
とくに結構前から興味があった量子力学の二重スリット実験の話とか、シュレディンガーの猫の話とか、今ある薄い知識でも、もうちょっとそのあたりの理解が深まるつもりで読んでいたんだけど、
やさしくおもしろい文体で書かれていようとも、
前提知識が足りないとやはり難しいんだなぁ…、
ってことがよくわかった。
ただ、やっぱりおもしろいところもたくさんあって、相対性理論とか(そういう認識であっているのかどうかはちゃんと考える必要があるけど)、自分の知識にない新たな側面での説明だったし、
哲学的ゾンビの話は人間同士だけでなく、たとえばAIに意識はあるか?とかの問題に結びつけて考えてもめちゃくちゃ面白いなぁと思った。
いずれにせよ私にとってはなかなか難しくて、
思っていたよりは歯ごたえが凄かったけど、
興味深くて学びが多い内容であるのも事実。
数学の方もぜひ見つけ出して読んでみたい。
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科学者、哲学書の世界をチラ見できた
作者がわかりやすく書いてくれたおかげでだいぶ易しくなり、読みやすかった -
「電子は波であり粒子である」
という矛盾した命題
不確定性原理
原理的に絶対に観測不可能な領域
全てが不確実で満たされてるこの世の中で、「何が正しいのか」を考えること。それは哲学そのもの。 -
爽快な読み心地と言うべきか、哲学も科学もとっつきやすいとは言えない分野にも関わらず、誰でも理解できる言語、思考プロセスの再現によってわかり易く書かれている。
特殊相対性理論、二重スリット問題はじめ、科学って意外と大胆な解釈がたくさん採用されているんだなと良い気づきになった。
例えで出てくるダークなドラえもんの世界観も個人的に好きだった。