スーサイドホーム (二見ホラー×ミステリ文庫 し 1-1)

著者 :
  • 二見書房
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本棚登録 : 144
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576220673

作品紹介・あらすじ

イケメン動画配信者に依存する女子大生の古河真知佳には悩みがあった。自宅に繰り返し届く、身に覚えのない荷物。配信で話題になっている「開けると呪われる荷物」ではないかと不安に思い、封も開けず放置していた真知佳だが、ゼミの同期の変人女・羽野アキラは彼女に「呪いのネタ元を知っている」と告げ、開封するように言う。ひしゃげた小さな段ボール箱を開けると、中には?がされた人間の爪が入っていて……。(「幸福な王子」)
「家」を巡る呪いとそれに翻弄される人々、ネットで噂される霊能者「助葬師」の闘いを描く、民俗ミステリホラー。

感想・レビュー・書評

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  • 『アメリカン・ブッダ』の作者さんらしいホラーだなぁと思いつつ完読。

    民俗学と深く結びついている呪詛をうまく使われているなぁと感心!

    信じてないよ! と言いながら私たちはそうした風俗にがんじがらめになっていたりするんだよね。

  • ある家族に端を発する呪いのお話。連作短編風ですが、時系列を少しずつずらしながら各話はそれぞれにリンクしている作りになっています。最終話ですべてつながるので、ミステリーの要素もありますね。
    直接的に怖いものはあまり出てきませんが、わけのわからないもの、理不尽なものに対する怖さがじわじわと効いてきます。

  • 台湾の土着要素まで絡めてくるホラー、複数の登場人物の視点を切り替えてどう結びつけてくるか楽しみになってくる展開。初っ端から不気味な雰囲気が続くし、誰がどんな役を果たすのかもあっさりとは明かされないのでミステリ的にも面白かった。それでもさくっと読めてしまうし、もっとじっくりじんわり描いてくれても良かったかも。まだ登場人物の素性が謎な部分もあり、続編も期待出来るかも。

  • 1章ごとの短編かと思ったが最後に伏線を回収してまとまっていた。誰の視点かが分かりにくい事も含めて納得感があった。
    呪いについてはあまり聞いたことがないことが多く楽しく読めた。特に三隣亡は建築業界では大凶日らしく現在でも活きている呪いのようで興味深い。
    カテゴリとしてはホラーだろうが民俗学とも組み合わさって面白かった。

  • 続編期待レベルの本です。
    一見繋がっていない呪いが繋がったとき、そして最初のページと最後のページの謎がとける感じが最高でした!

  • 奇妙な事件に巻き込まれた人々の前に現れる謎の女・羽野アキラ。彼女は自分を、ネット上で半ば都市伝説となっている霊能者「助葬師」だと名乗る。事件の背後に何者かの意思を感じ、調査を進めるアキラはやがて呪いの根源へ導かれていく。(e-honより)

  • 帯の「民俗学×ミステリホラー!」に惹かれて、本屋で帯買い。
    主人公たちのキャラというか属性が濃くて、シリーズ化しそう。地方の風習と呪いを絡め、そこにYouTuberという新しい要素が入っているのがいまどき。
    主役が何を考えてるか分からなくて最初あまり好きではなかったけど、後になるにつれ好感度あがった。具体的なホラー要素はあまり強くなく、というか虫描写のほうがキツかったくらいだけど、続きが気になって最後は一気読み。
    台湾のあれは初めて知り、勉強にもなった。

  • 不気味な作品なのに、テンポ良くサラサラ読める。さすが柴田先生。いまどきの情景描写がなされているのが、物語をよりぐっと身近に引き寄せている。
    最後がすこし駆け足気味なのがもったいないが、よくできた良作である。

  • 始まりはどこからだったのか、最後ですべてが繋がったが、引きこもりだった僕が呪いの贈り物の主だったとは...。
    理不尽なことが一番怖い。

  • 武将作家柴田勝家なのにSFではなく純粋なホラー小説。
    しかもシリーズになるフラグがバンバン立ってる。
    ローランドさまみたいな俺様系YouTuber兼ミュージシャン兼呪い代行業兼助葬師と、彼と因縁のある女子大生助葬師見習いのコンビ。なかなかキャラたってます。
    連作短編になっていて、短編ごとに語り手が代わり角度も変わる凝った構成。
    澤村伊智っぽい。

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著者プロフィール

SF作家。ペンネームは戦国武将の柴田勝家にちなんだもの。1987年、東京都生まれ。成城大学大学院(文学研究科日本常民文化専攻)在学中にハヤカワSFコンテスト・大賞を受賞し、『ニルヤの島』で2014年にデビュー。このほか著作に、『ワールド・インシュランス』(星海社FICTIONS)、星雲賞日本短編部門を受賞した表題作を収録する『アメリカン・ブッダ』(ハヤカワ文庫JA)などがある。

「2022年 『メイド喫茶探偵黒苺フガシの事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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