ルシールはうま (ミセスこどもの本)

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本棚登録 : 157
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784579402427

作品紹介・あらすじ

ルシールはおひゃくしょうさんの馬。すきを引っぱり、畑で働くことにあきあきして、帽子や服を着て美しく装ってみますが……。

感想・レビュー・書評

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  • ローベルさんの作品というとそのほとんどが、芥川賞作家の三木卓さんの翻訳によるものだが、これは岸田衿子さんの手がけたもの。
    一昨年に亡くなられてて、確か岸田今日子さんのお姉さまでいらしたかと。
    読んでみたら異色な作品でしかも面白かったので、記録しておこう。
    挿絵は、これまでと一転して、明るい黄色が目立つようになる。
    タイトルどおり「ルシールはうま」なので、全ページにルシールが登場している。
    その華麗な(大げさな&変てこな)変身ぶりがとにかく笑えるので、これはもう小さな子と一緒にどうぞ。

    お百姓さんの仕事を手伝うルシールは、泥だらけで汚れた自分がイヤでたまらない。
    そんな時、お百姓さんの奥さんが町へ買い物に出かけ、ルシールにどんどん着るものを買ってあげるのだが・・

    ここはもう、遠慮無しに笑うところ。
    ほらね、ひとのことは羨ましいと思っても、それが自分に合うかどうかはやってみないと分からないものよ。
    な~んてお説教はナシ。
    気楽で自分らしいのが一番。それが身近なひとの役に立つならなお良いこと。
    ルシールはちゃんとそれに気が付くのだから、実はとても賢いのです。
    ただどうしても気になるのは、この奥さん。
    お百姓さんが働いているのに、家の中でお洒落してお茶を飲みながらラジオを聴いている。
    思わず絶句の場面だけど、これが奥さんにとっては気楽で自分らしいのでしょうね。
    ただそれは誰の役にも立ってないし、分不相応で滑稽なだけ。
    奥さん、ルシールに負けてますよ、と思わず言いたくなる。
    明るい彩色と躍動感のある挿絵で、読んでいてとても楽しい。
    少しずつ読んであげれば、年少さんくいらいでもついてこれそう。でも無理しないでね。

  • まず、ルシールはうまっていうタイトルが好き。そうだよ、ルシールはうまだよ!と読んでいて思う。登場するこぶたは、どろんここぶたのこぶたかな?と嬉しくなったり。

  • アイデンティティ。そう。ルシールはうまなんだよ。本分。どうあるのが幸せなのか。欲深くなると見失うね。

  • 貴婦人のような生活を手に入れたけれど、馬の自由な生活の良さに気づき、馬小屋へと戻っていくという、アイデンティティを巡る話。馬や豚のデフォルメされたデザインが可愛い。

  • 最後が痛快。絵がかわいくてカラフルで、どんどん読める。

  • それぞれらしく生きるのが一番と教えてくれる楽しいお話。

  • 人間みたいにおしゃれする。
    でもやっぱり人間と同じように取り繕えなくて、そんなルーシーがリアルでかわいい。

  • おしゃれをさせられたうまのルシールが、なんだかやんなっちゃって、「わたしは きふじんじゃ ないわよ。」「わたしは うまよっ!」と言い放つのは実に名言。うまはうま、ぶたはぶた、わたしはわたしってなことを、教えてくれます。ちょっと狂暴な一面もあるけどね…ルシールもわたしも。

  • y

  • 乙女心の分かるお馬さん!
    表紙もとってもかわいい。

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著者プロフィール

アメリカ・ロサンゼルス生まれ。プラット・インスティテュートで学び、1961年、ハーパー&ブラザーズ社の編集者と知り合ったことがきっかけで『かえってきた さけ』の挿絵で、絵本作家としてデビュー。翌年には、文と絵の両方を手がけた『マスターさんとどうぶつえん』を発表する。1970年『ふたりはともだち』が誕生し、そのシリーズで絵本作家としての不動の地位を築き、54歳で亡くなるまで、100冊以上の作品を残した。

「2023年 『ダッドリーくんの12のおはなし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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