- Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
- / ISBN・EAN: 9784579402427
作品紹介・あらすじ
ルシールはおひゃくしょうさんの馬。すきを引っぱり、畑で働くことにあきあきして、帽子や服を着て美しく装ってみますが……。
感想・レビュー・書評
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ローベルさんの作品というとそのほとんどが、芥川賞作家の三木卓さんの翻訳によるものだが、これは岸田衿子さんの手がけたもの。
一昨年に亡くなられてて、確か岸田今日子さんのお姉さまでいらしたかと。
読んでみたら異色な作品でしかも面白かったので、記録しておこう。
挿絵は、これまでと一転して、明るい黄色が目立つようになる。
タイトルどおり「ルシールはうま」なので、全ページにルシールが登場している。
その華麗な(大げさな&変てこな)変身ぶりがとにかく笑えるので、これはもう小さな子と一緒にどうぞ。
お百姓さんの仕事を手伝うルシールは、泥だらけで汚れた自分がイヤでたまらない。
そんな時、お百姓さんの奥さんが町へ買い物に出かけ、ルシールにどんどん着るものを買ってあげるのだが・・
ここはもう、遠慮無しに笑うところ。
ほらね、ひとのことは羨ましいと思っても、それが自分に合うかどうかはやってみないと分からないものよ。
な~んてお説教はナシ。
気楽で自分らしいのが一番。それが身近なひとの役に立つならなお良いこと。
ルシールはちゃんとそれに気が付くのだから、実はとても賢いのです。
ただどうしても気になるのは、この奥さん。
お百姓さんが働いているのに、家の中でお洒落してお茶を飲みながらラジオを聴いている。
思わず絶句の場面だけど、これが奥さんにとっては気楽で自分らしいのでしょうね。
ただそれは誰の役にも立ってないし、分不相応で滑稽なだけ。
奥さん、ルシールに負けてますよ、と思わず言いたくなる。
明るい彩色と躍動感のある挿絵で、読んでいてとても楽しい。
少しずつ読んであげれば、年少さんくいらいでもついてこれそう。でも無理しないでね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まず、ルシールはうまっていうタイトルが好き。そうだよ、ルシールはうまだよ!と読んでいて思う。登場するこぶたは、どろんここぶたのこぶたかな?と嬉しくなったり。
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アイデンティティ。そう。ルシールはうまなんだよ。本分。どうあるのが幸せなのか。欲深くなると見失うね。
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貴婦人のような生活を手に入れたけれど、馬の自由な生活の良さに気づき、馬小屋へと戻っていくという、アイデンティティを巡る話。馬や豚のデフォルメされたデザインが可愛い。
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最後が痛快。絵がかわいくてカラフルで、どんどん読める。
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人間みたいにおしゃれする。
でもやっぱり人間と同じように取り繕えなくて、そんなルーシーがリアルでかわいい。 -
おしゃれをさせられたうまのルシールが、なんだかやんなっちゃって、「わたしは きふじんじゃ ないわよ。」「わたしは うまよっ!」と言い放つのは実に名言。うまはうま、ぶたはぶた、わたしはわたしってなことを、教えてくれます。ちょっと狂暴な一面もあるけどね…ルシールもわたしも。
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乙女心の分かるお馬さん!
表紙もとってもかわいい。