友よ映画よ、わがヌーヴェル・ヴァーグ誌 増補 (平凡社ライブラリー や 9-2)
- 平凡社 (2002年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (503ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582764338
作品紹介・あらすじ
ゴダール、トリュフォー、アンナ・カリーナ、フランソワーズ・ドルレアック…。60年代、『カイエ・デュ・シネマ』誌同人として交友した、「ヌーヴェル・ヴァーグ」の仲間たちの熱気を瑞々しく伝える、映画評論家・山田宏一の代表作。今、なお新しくあり続ける「ヌーヴェル・ヴァーグ」を知るために欠かせない古典的名著。完全版「ヌーヴェル・ヴァーグ年譜」付。
感想・レビュー・書評
-
ヌーヴェルヴァーグを縦横無尽に。
あまり知らない監督や関係者も多く、流してしまった部分もあるが、ヌーヴェルヴァーグ代表格たちの相関が見えて面白い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あの時代を理解するための必読書の一つでしょう。著者の独特の立場と批評との微妙なバランスを失わず、かつ、戦後フランス映画ファンであれば、誰でも楽しめる本になっています。
-
ヌーヴェルヴァーグのパリに身をおいた著者が、運動の中心となったカイエドゥシネマ誌周辺の監督や映画について、あるいはそもそもヌーヴェルヴァーグがなんだったかについて書いている。と書くととりとめもないようだが、最後の章を読み終えるとやはり一冊の本を読んだなあという感触。ここでは、トリュフォーとゴダールが袂を分かつきっかけとなった、などの形でそれまですこしずつ触れられていた1968年5月(と中止されたカンヌ映画祭)についてジャック・ステルンベールのパンフレットをひきながら語られている。最後の文章が良い。
-
当時のヌーヴェル・ヴァーグの熱狂の中に著者はいた
-
たぶんずっと本棚にあるだろう本。
-
この本を独り占めはさせじ。
-
たぶん一番好きな本だ
-
著者がカイエ・デュ・シネマの同人であった時代から親交の深かったヌーヴェル・ヴァーグを代表する面々と過ごした幸福な時間から始まり、1968年5月のカンヌ映画祭で起こった出来事と、それを通じて著者が気が付いた"ある事実"までを、時には記録、時には回顧形式で綴られている一冊。単なるヌーヴェル・ヴァーグについての解説書、ヌーヴェル・ヴァーグを代表する映画・映画人に関する副読書などには留まらず、ある一人の映画狂青年の個人的映画体験記とも言える悲喜交々の感情溢れる自伝的小説のようでもあり、この本を読む度にまるで個人的な私映画を見ているような感覚にさせられる。読む行為そのものが映画を見る行為に変わる、いわば幸福な映画的体験である。例えゴダールやトリュフォーの映画を2、3本しか見たことがなく、例えロメールやジャック・リヴェット、ルイ・マルの映画をマトモに見たことがなく、例えクロード・シャブロルやアラン・レネと名前を言われても、ハァ・・・としか答えられない程度の知識しかなくても、本当に映画が好きな人なら楽しめるであろう自信を持って薦められる一冊。
-
ヌーヴェル・ヴァーグの現場を生き生きと描いた書物