アラビアン・ナイト (1) (東洋文庫 71)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582800715

感想・レビュー・書評

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  • この文庫とは言わないが、本自体は良く知られていると思います。けれど、読んだ人は意外に少ないのでは。

    私は中学生の頃、親が隠し持っている挿し絵鮮やかなハードカバー版を、私もこっそり読んだ覚えがあります。

    映画「アラビアンナイト・・・」を観たのを切っ掛けに読み直してみましたが、矢張面白いです。

    女性に失望し、毎夜新たな妻を迎える度にー晩で殺してしまう王に対して嫁ぎ、毎夜面白い話を途中まで聞せ続けることで命を繋ぎ続けて千ー夜まで続け、遂には殺されることなく王の愛を勝ち取った、大臣の娘シャハラザード。

    アラビアンナイトの一番の面白さはシャハラザードが語る物語の主人公が話を紡ぎ、その話の中の主人公が更に別の面白い話をするという、複雑な入れ子状の話にそれぞれ異なる面白味があることでしょう。

    前に本を読んだ私も新たに面白いと感じるのが古典のすばらしさでしょうね。

  • 一度は通しで全て読もうかと、最も原典に近いと聞く東洋文庫版に手を出してみた。
    詩の部分は私には正直読みにくいが、他の部分は思ったよりずっとすんなり読めて楽しめた。
    物語がマトリョーシカ状になっているのも面白い。
    各話のテイストが似ているので、ぶっ続けで読むとちょっと胸焼けしそうだけど…適度に間を置きつつ、完走を目指す。
    全18巻だったかな…?
    先は遠い…。

  • 中世ペルシア語からアラビア語に訳された説話をもとに,各地の説話を糾合して16世紀のカイロで編まれたアラビア語文学の傑作。アラビア語原典からの完訳は,重訳によって生じた従来の歪んだイスラム観を正す。第3回〈日本翻訳出版文化賞〉受賞。第1巻は,第1夜から第19夜,全編の枠物語と,「商人と魔王との物語」「漁夫と魔王との物語」「荷担ぎやと三人の娘の物語」の4話。

  • きっかけは、NHKラジオ第二で放送されていた「文学の世界 アラビアンナイト ~ファンタジーの源流を探る~」でした。
    いくつかの翻訳があるとのことですが、とりあえず原典訳のこの本から読んでみようと思い手にとりました。
    出版年が古いので読みにくいかと思っていましたが、全くそんなことはなく、楽しめました。こんなに面白いとは目から鱗です。
    半年~一年かけて全巻読破しようと思っています。

  • ベリーダンスの影響でアラブに興味出てきたのでアラビアンナイトシリーズを一気に再読。

    アラブの美女はことごとく夫の目を盗んで召使いと情事を繰り返すわ

    悪人は善人にどんだけ助けられても死ぬまでとことん悪賢くて性根直らんままだわ

    日本昔話のような創作されたほっこり感は全くナシ!!!
    子供に読ませる代物じゃないことは確か。

    そもそも
    先妻に裏切られ続けた王が「いっそ裏切られる前に殺しちゃえ」と、女と一夜を共にしては次々殺し、それを免れるために賢い妻シェハラザードが千夜一夜にわたって面白いお話をして、助かりました良かったね

    という過程で生まれたストーリーって時点で御伽話のレベルは超えている訳です。面白いはずです。

  • (1979.04.03読了)(1979.03.24購入)

  • これぞ物語。千夜一夜、てタイトルがいいです。大人になってから読むべきですね。文章追ってくだけだと飽きそうです。基本、魔人が出てきて人間があちゃー。なので。 「ほほう、この頃のアラビアはこんな町だったのか…」とか背景文化を想像しながらが楽しいです。 で、いつ最終巻に辿り着けるかな、これ。

  • 1400夜

  • さてどちらにしようか。

  • マルドリュス版にしてもバートン版にしても、原本からかなり手の加えられた翻訳(翻案)がされていると聞けば、ならば原本はどんな物語になっているのだろう、と知りたくなるのが人情というもので。

     こちらも登録は一巻だけですが、全巻そろえて大人買いしてみました。
     一読して――― うけた。
     話の内容、特に形容詞の量が違いすぎる。先にあげた二つの版と比べるまでもなく、文体が非常にシンプル、かつ、話の内容も男性的です。
    (底本の違いがあるため、ものによっては入っていない話もあります)

     読んでいた当初、ちょうど文化人類学の講義で「気候・環境の差によって宗教観や考え方に差が出てくる」という単元を受講していたこともあり、フランスとイスラム諸国のものの考え方の違いについて、いろいろと考えさせられたシリーズでした。
     学術書というだけあって、ちょっと値段が張りはしますが、一冊だけでも購入して読み比べてみるととても面白いと思われます。

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著者プロフィール

1903年生まれ。東京大学文学部東洋史学科を卒業。1940年満鉄東亜経済局に入り、厖大なイスラム文献を自由にする機会を得る。慶応大学名誉教授。著書多数。主要訳書に『アラビアン・ナイト』などがある。

「2023年 『三大陸周遊記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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