YMOコンプレックス (セリ・オーブ)

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 34
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (134ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582831757

作品紹介・あらすじ

YMOとともに、私たちのコミュニケーションに何が起こったのか。80年代以降のポピュラーカルチャーの変容を解析する同期的批評。衝撃のデビュー作。

感想・レビュー・書評

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  • 新井素子とYMOを絡めて語るのは目から鱗が落ちた。だったら大原まり子にも触れて欲しい。

    新本格ブームは牽強付会な気がするけど、YMOを語る時、80年代の宝島やビックリハウスや江口寿史のマンガ(でクラフトワークと並んでネタにされた)以外の語り方はもっとあっていいのかも。

  • 「一方テクノ的なるものは、「主体」をカッコにくくって非中心的になる。このため、個人が力を発するのではなく、力はあらゆる場所に偏在しており、たまたま誰かを通して発現するという図式になる。これは「魔法」に相当するだろう。60年代後半のロックで「魔法」を表現していたのは、あたりに浮遊する音響が人を包み込み、音と人の区別すらなくなって一体化するのを夢想したサイケデリックである(ドラッグの影響が大きい)。交信の鳴き声で震える「水」に体全体を包まれたニューエイジ的なイルカ像は、こうしたサイケ感覚と共鳴している。」


    「YMO結成時の合言葉は、この映画のセリフ「フォースを使え」だったという。フォースとは、東洋神秘主義的な大気のように「水」のように偏在する力を指す」



    「夢幻郷を欲する神秘主義と、「通信」やヘッドギアに象徴される科学イメージの連結。だがそれは特殊なものではなく、むしろポピュラーな発想だった」

    「『スター・ウォーズ』は初期YMOのヒントの一つだったが、同じ78年日本公開の『未知との遭遇』からも刺激を受けていた」


    「さらに、『BGM』で10曲中8曲が4分30秒に設定されたことには、ジョン・ケージ「4分33秒」の影響も指摘されている」



    写楽創刊イベント

  • 演じるものと操るもの。<br>
    リアルタイム世代ではないので、感覚的に掴みにくいところもありつつ、そういったものの捉え方もあるのかと。

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著者プロフィール

円堂都司昭(えんどう・としあき)
1963年生まれ。文芸・音楽評論家。1999年、「シングル・ルームとテーマパーク――綾辻行人『館』論」で第6回創元推理評論賞を受賞。2009年、『「謎」の解像度――ウェブ時代の本格ミステリ』(光文社)で第62回日本推理作家協会賞と第9回本格ミステリ大賞を受賞。ほかの著書に『YMOコンプレックス』(平凡社)、『ゼロ年代の論点――ウェブ・郊外・カルチャー』(ソフトバンク新書)、『エンタメ小説進化論――“今”が読める作品案内』(講談社)、『ディズニーの隣の風景――オンステージ化する日本』(原書房)、『ソーシャル化する音楽――「聴取」から「遊び」へ』『戦後サブカル年代記――日本人が愛した「終末」と「再生」』(以上、青土社)。共著に『バンド臨終図巻――ビートルズからSMAPまで』(文春文庫)など。

「2019年 『ディストピア・フィクション論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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