- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582832259
感想・レビュー・書評
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宮本常一と渋沢敬三の交流を描いた「旅する巨人」の作者佐野真一が、宮本常一の膨大な写真をテーマ毎に整理し読み取った一冊、詰まらないわけがありません。宮本常一の仕事を知るよいガイドともなっています。
「昭和」といいながらも、宮本常一が日本全国を歩き回った戦後から高度成長期とば口までの「昭和」。
宮本の生まれ故郷の周防大島文化交流センターで見ることができるようです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
民族学者宮本常一による昭和30年代の写真とその人物や仕事についての解説
高度経済成長前辺りの日本の様子が伺えて興味深い。
またそれ以上に「あるくみるきく」精神という民俗学やジャーナリズムといったもの等の大切な部分を示しているようで心を動かされる。
周防大島文化交流センターに行ってみたい。 -
何気ない日常を写真に切り取るのは難しい。
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基本的には記録写真だな、と思う。それは別に悪いことではない。土門拳の撮った昭和のような、胸をつかれるような切なさを感じることは少ないが、それは撮影者のスタンスの違いによるものなんだろう。人を撮るか、民俗を撮るか。文章は蛇足と感じた。
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そこで暮らしている人たちの顔が見える。
そこで暮らしている人の声が聞こえる。
そこで暮らしている労働が見えてくる。
宮本常一さんが撮った写真は本当に語りかけてくれますねぇ。子供たちがあのおぞましいVサインをしていないのが、何よりうれしい。
私たちが取り戻したい
「失われた日本人」がそこにある -
多くは昭和30年代の写真。確かに懐かしいが、貧しい。そういう時代があったということは知っていていいのだが、戻るべきところではない。やはり貧しい。
何が失われたのだろうか。失われるべきものではなかったのか? たぶんそれは多くは貧しさに起源した一生懸命や、逞しさや、無邪気さではなかったか。
それであれば、失ってもいいのではないか。仕方ないだろう。ただのつまらないノスタルジーにはくみしない。 -
自分の親がどんな風景で育ったのかわかる。また、自分の育った昭和と比較しても面白い。形は変わっても人の営みは案外変わらないものなのかなと思った
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昭和は平和な時代だった。白黒写真から昔の昭和がにじみ出ていてる。
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なんでもない日常も目的を持って撮影すれば、のちに立派な資料になる。
そんな思いと、なにより継続は力だということもよくわかった。 -
子どもも大人も、その顔がなつかしい。村も渚も、東京までも…。民俗学者・宮本常一が撮った何げないスナップ・ショット、10万点の中から厳選した約200点を収録し、高度経済成長前後の日本の社会と民俗を学ぶ。