黒と白のジャズ史

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 32
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582835519

作品紹介・あらすじ

黒人と白人の敵対と主導権争い、そして「白い黒」の誕生…。ジャズの一〇〇年史に、祝福されるべき勝者はいるのか?アメリカで生まれたジャズという音楽を、黒(黒人)と白(白人)、そしてドイツ人という三つの視点から眺めることによって、定説を超えた、新たなジャズとブルーノートの歴史が明らかに。

感想・レビュー・書評

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  • ▼「黒と白のジャズ史」中山康樹。2011年平凡社。中山康樹さんは自分などが読む<シロート向けのジャズ本>でよくお名前を拝見しますし、何冊か読んだことがあるんですけれど、これはとても面白い一冊でした。主に、ブルーノートと言うレコード制作会社の歴史について書かれたものですね。

    ▼アルフレッド・ライオンというドイツ人(当然白人)が、1940年代から70年代くらい?レコードとしてのジャズの黄金時代に、白人から社会構造として差別されてきた黒人たちがそのメンタリティをどこかしらかぶつけたジャズ音楽を好んでプロデュースしてレコードを作って世界に広げた・・・というような言ってみればとある文明の数奇な歴史物語ですね。

    ▼唯一、ちょっとタイトルが違和感ありますね・・・読了して見ると。黒と白、という対立項の前提にあるべき差別という歴史物語と、その当時のアメリカ社会での現実・・・についてはほとんど触れていません。まあそういう取材をしてきた訳ぢゃない、あくまでジャズの話だってことなんでしょうけれど。

    ▼中山さんが別のところでも書いていた気がしますが、謎めいた<芸術至上主義>の音楽の歴史よりも、<どれだけレコードが売れたか>というリアリズムから、あるいはそのリアリズムへの目線も忘れない歴史という物語の楽しみ方は、ジャズを楽しむ上でも素敵ですね。

  • ブルーノートの歴史について。

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著者プロフィール

1952年大阪生まれ。『スイングジャーナル』編集長を経て音楽評論家。ロックにも造詣が深くビートルズ系の本の中でも『ビートルズを笑え!』は辛口でありながら面白く書かれている。オノ・ヨーコに批判的で日本語が読めるオノに対して批判する評論家としては希有な存在。主な著書に『マイルスを聴け』(双葉社)『エヴァンスを聴け』(ロコモーションパブリッシング)『超ブルーノート入門』(集英社)『Jazz名曲入門』『Jazz名盤入門』(宝島社)『ジャズを聴くバカ、聴かぬバカ』(KKベストセラ-ズ)『スイングジャ-ナル青春録』(径書房)『ビートルズ アメリカ盤のすべて』(集英社)『ビートルズ全曲制覇』(エイ出版)『ビートルズを笑え!』(廣済堂)『ディランを聴け』(講談社)『音楽中心生活』(径書房)『超ビートルズ入門』(音楽之友社)『クワタを聴け!』(集英社新書)『ジャズ・ヒップホップ・マイルス』(NTT出版)等がある。

「2012年 『かんちがい音楽評論[JAZZ編]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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