- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582836608
感想・レビュー・書評
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これはもう。人種が違う(あ、宇宙人ってことか。)。このくらい調子に乗ることは大事。実は食べ物エッセイストになりたいような、なりたくないような、というささやかな夢がありました、が、ぜんぜんかなわない。
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面白い!もっと早く読めばよかった。
こういう、リアルタイムで生きている人が出した本は出版されてすぐ読むのがいいな。情報も入ってきやすいし。
(わたしは「あっ、好きだ!」と思った時にわざと興味ないような素振りをしてしまう癖があって、それは本に対してもそうで、この本の時にも、序文を読んで、はっ、この本と作者をとても好きだ!と気づいて、それから順序関係なくパラパラ流し読みして、翌日落ち着いてからまたはじめから読み直した。多分勿体無いのだ、読み終わるのが。はじめから読み進めると残りのページが左手の指先に感じられて、終わりが具体的に近づくのが切ないのだ。)
若くて勢いがあってドラマチックな文体は好き嫌い別れるかもしれない。
外食がすき!孤食好き!と決然と表明できることの強さ。
あと、パフェの語源がパーフェクトなの知ってびっくりした。名付けた当時の人には衝撃的で贅沢の極みみたいなものだったんだろうなあ。
ロイホの小林さんのエピソード、どきどきした。
ミシュラン三ツ星シェフが、例えばきゅうりを折って手渡すこと自体は料理でなないが、そこに「自分はきゅうりをこうして手で食べるのが一番おいしいと考えたからこうしました、あなたのために」という精神があればそれが料理である、というようなことを言っていて、食べ物って人との媒体物なのだなあと思った。 -
平成生まれの著者が綴る、世界一のレストランからロイヤルホスト観察記まで、斬新な視点で食をとらえたエッセイ。
これは決してただの食エッセイではない。こんなにも様々な切り口があるのかと驚かされた。道路に飲みさしで捨てられたスターバックスの透明のカップに目をやり、その美しさに感嘆するとか。雑誌「dancyu」の見出しをページいっぱいに切り貼りして「どう考えても露骨にエロイ」とか。否、もはやエッセイではない(笑 それでも時々、はっとする言葉が飛び込んでくる。
「他人の舌で味わったひとの言葉は弱い。最近じゃ、食べものを食べる前からその食べものに異常に詳しいということが当たり前で、情報を受け取った時から食べ始めちゃってるようなもので、実際にその食事と対峙する時には答え合わせの追体験でしかないなんて、そんな不感症グルメがあふれている気がする。」
インターネットの口コミが幅をきかせ、事前情報すら実物の一部のような現代において、情報化された食を鋭くとらえているように思う。画面に並ぶ文字からは何も味わえないはずなのに、私たちは過剰に情報に従いすぎているのではないだろうか。とはいえ私自身、外でご飯を食べるとなると当たり前にネット検索を始める。食べるなら美味しいものを食べたい、失敗したくない、という思いからの行動だが、最終的に美味しいか美味しくないかを決めるのは自分自身であることを決して忘れてはいけない。 -
フードブロガー平野紗季子さんの初エッセイ。
フードブロガーというと、あの店この店、とあれこれ語る場所紹介になっていることが多いのですが、この本は情報というよりも文学…と言いたい。
一流レストランのカチャカチャディナーから、普段誰もが一度は口にするようなカップラーメンやアイスキャンデー、アンパンマングミ、ボンタンあめ…そんな色んな食べものに彼女のみずみずしい感性が注入されて、とっても素敵なガストロノミーになっています。
※私もはじめて知りましたが、本の中に幾度も登場するガストロノミーという単語は、文化と料理の関係を考察するもの、美食学、の意味なんだそうです。
ひとつひとつのエッセイ、なんてかわいくて面白くて食べに行きたいの!とうっとりしました。
写真や筆者本人がかわいいのもポイント。
美食家というより読書家のお友だち何人かに猛プッシュしたい、押しつけ半分で貸し出したいぐらい良かったです。
関西在住の方はお問い合わせください、
東京在住の方はお近くの本屋さんへ。 -
―――舌で思想は食べれるのかな―――
いろんなものをすきなだけ。
飲食至上主義の著者がであったタベモノの風景。
電車で向かいに座った男に「幸薄」呼ばわりされても、
いまの恋人に上海蟹で釣られても、
たくさんの味のシロップがとけたかき氷を飲み干して
「味がいっぱいする」と、火垂るの墓の節子状態になっても、
ロイヤルホストの小林さん(仮)の正体を突き止めても、
彼女は、たべることへの幸福の純度をぐんぐんあげていくばかり!
グルメ、とか、大食漢、とか、そういうことはまったくなくて。
しかも、食ブロガーを名乗ってるわりにブログの更新は月2回ばかりで。
マッシュ(菊池亜希子)が出会いだと思っています。
その、意外と骨太な文章や感性を
もっと著作につなげてほしいお人。 -
平野さんの味な副音声がすきでポッドキャストを先に聞いてからこの本を読んだ。
彼女の食への好奇心とバイタリティに溢れてる本。
食を擬人化したり、多彩な表現が楽しい。 -
ZINEみたいな感じ。
文体がばらばらでおもしろい。どこから読んでもいい。つまみ食いみたいに読むのがいい。 -
表題のイメージと内容が異なっていたので。
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読みながら何度頷けば良いのだろう。
小学生からつけてる日記も楽しめたけど、平野さんの言葉というか文章が好きです。
『のさばるレモン考』でレモン牛乳・レモナックに物申す様は流石ですと思うほど。レモンを名乗るなら無果汁は無いだろう…
パッケージ裏の成分表記とか、普通ならこんなにまじまじ見渡さないだろうというところまで余すことなく追求しちゃうところとか…も。 -
本の構成の雑多感が面白かった。