田舎で起業! (平凡社新書)

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 66
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582852158

感想・レビュー・書評

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  • 田舎には仕事がない、それは会社員の話。資産や地縁、事業主としての才覚があれば地方でも暮らしていける。
    都会進出でエリートぶる人に読ませたい良著。故郷を捨てる人間はどこへ行っても逃げる。
    綿密な取材に基づいた成功例と、失敗の原因対策がわかる。地方民や行政関係者には耳に痛い苦言もあるが、読んでよかった本。借り本。

  •   文章も上手く、実に考えさせられる本。「田舎暮らし」の単なる成功事例の寄せ集めではなく、「起業」で成功するとはどういうことなのか、目の付け所が的確に記されている。
     埋もれている既存の価値をうまく組み合わせること、そして何より、経営感覚を持つこと。

    読み返すための参考URL
    http://shinrin-journalist.la.coocan.jp/chosaku-8.html
    http://shinrin-journalist.la.coocan.jp/column-kigyou.html

    目次
    はじめに  田舎はチャンスがいっぱい、だけど……

    Ⅰ 田舎の仕事を考える
     一、田舎こそ起業しやすい
     二、田舎のお仕事-農業の大誤解
     三、田舎のお仕事-産直の大誤解
     四、田舎のお仕事-山仕事の大誤解
     五、田舎のお仕事-観光と芸術の大誤解
     六、田舎起業に必要な五つのコツ

    Ⅱ 田舎で起業する!
     一、田舎に眠る資金を掘り起したリゾート 
     二、5W2Hで挑む高糖度トマトの起業
     三、粘り続けて積み上げた“つみきの家”
     四、廃材ボードに新用途見つけて注文殺到
     五、離島の新産物はインターネット販売で
     六、ネットワークが供する多品目少量産物

    Ⅲ 田舎で儲ける!
     一、電子メーカーの発想で週休四日の農業
     二、赤字を一年で解消した素人農家の秘密
     三、農林畜産複合経営は楽して危険も分散
     四、伝統技術を発展させた炭焼きビジネス
     五、ミュージカルで地域動かすペンション
     六、ゆず商品にドラマ生み出した広告戦略

    Ⅳ 田舎を元気にする!
     一、「田舎はかつて過密だった」論
     二、「田舎の没落」は誰が悪いのか?
     三、村おこしが失敗する本当のわけ
     四、平成の大合併は起業にプラスか
     五、ベンチャー迎える田舎側の論理
     六、田舎はベンチャービジネスの宝庫

    おわりに  田舎と都会が元気になるきっかけに

  • ・田舎起業に必要な5つのコツ

     1)地域のことを良く知る
     2)何をどう売るかという戦略
     3)情報を発信し、顧客の意見を集約する
     4)人づきあいの流儀を知る
     5)リスク分散は田舎の伝統

    ・多角化は、田舎のセーフティーネット。
    ・複数分野の複合経営。

    ・顧客の多くは、都会にいる。都会の人脈が大事。

    ・行政は無理な定住政策を掲げて人口増をもくろむより、
     新たな仕事を生み出す手伝いをしたほうがよい。

     起業しやすい環境を作り、軌道にのるまでの手助けをする
     システムを構築してほしい。

    ・地元と溶け合う最大の方策は、事業を通じて、地域に貢献すること

  • [ 内容 ]
    「田舎は過疎化が進み、仕事がない」と思うかもしれない。
    しかし、そこには多くのビジネスチャンスがあり、元都市生活者が成功を収めている例も少なくない。
    週休四日の観光農園、離島の新産物のネット販売など、多くの現場を歩き、働く人の声を聞いた著者が自然と密着した新しい生き方を提案する!
    田舎に注目すれば、ビジネスもライフスタイルももっと幅が広がる。

    [ 目次 ]
    第1章 田舎の仕事を考える(田舎こそ起業しやすい 田舎のお仕事―農業の大誤解 ほか)
    第2章 田舎で起業する!(田舎に眠る資金掘り起こしたリゾート 5W2Hで挑む高糖度トマト ほか)
    第3章 田舎で儲ける!(電子メーカーの発想で週休四日の農業 赤字を一年で解消した素人農家の秘密 ほか)
    第4章 田舎を元気にする!(「田舎はかつて過密だった」論 「田舎の没落」は誰が悪いのか? ほか)

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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 前回に続き起業に関する書物。


    よく「田舎で起業した成功事例!」が書かれている本はあるのですが、その背景にある起業家の必死の努力や、成功を可能にした環境など大事なところはスッポリ抜け落ちていて、「田舎では簡単に起業ができて自分のペースで働けるよー」というのが夢見がちな話が前面に出されている気がします。

    そういう本とはちょっと違うなと思ったのがこれ。
    田舎の資源を活用し、田舎ならではの起業事例が紹介され、成功事例から田舎で起業を可能にする共通要因が観察されています。
    具体的には・・・
    ・田舎だからこそ得られやすい資源は何なのか
    ・だからといってそれを得るにはどのような努力が必要なのか
    ・田舎で起業すると言っても基本的にはマーケティング手法や農業などいろんな知識が必要であること
    などが書かれていて実に現実的でためになる本だと思います。


  • 分類=田舎暮らし・起業・農業・林業・漁業。04年2月。

  • 田舎暮らし、脱都会などがブームというがいざできるかというとなかなか難しい。この本では都会の人から見た視点での田舎の誤解。田舎の人からみた都会から来た人、都会への誤解。どうやったら上手く田舎で生活できるか、その事例などを挙げている。興味あるひとにとっての入門書みたいなものだ。慣習や人間関係(これが一番大きいのだが)や落とし穴など、数多くの田舎を見てまわった著者だからわかる本。現場を良く知ってるなーというのが感想。僕にとっては目新しいことはほとんど書いてないが、わかるわかる、と読んでしまった。都会と田舎のギャップ、少しは埋まるかもしれない。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。静岡大学農学部を卒業後、出版社、新聞社等を経て、フリーの森林ジャーナリストに。森と人の関係をテーマに執筆活動を続けている。主な著作に『虚構の森』『絶望の林業』『森は怪しいワンダーランド』(新泉社)、『獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち』 (イースト新書)、『森林異変』『森と日本人の1500年』(平凡社新書)、『樹木葬という選択』『鹿と日本人―野生との共生1000年の知恵』(築地書館)、『ゴルフ場に自然はあるか? つくられた「里山」の真実』(ごきげんビジネス出版・電子書籍)など多数。ほかに監訳書『フィンランド 虚像の森』(新泉社)がある。

「2023年 『山林王』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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