義経伝説と日本人 (平凡社新書 259)

著者 :
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582852592

作品紹介・あらすじ

義経は衣川で死ななかったのか?本当に北海道へ渡ったのか?江戸時代に起こり、近代まで連綿と続いた義経生存説。敗者の弁として成立した「判官びいき」の起源を探り、江戸時代の偽書と学者たちの甲論乙駁を辿り、近代の義経=成吉思汗説を検証する。北海道渡海説や、義経=成吉思汗説を支えた、日本人の歴史的な心理構造とは何であったか。

感想・レビュー・書評

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  • ①室町時代、「義経紀」世情に流布。②戦国時代、多数の敗者出現、いわゆる判官びいきの風潮とこの風潮に対する好意的眼差し。③江戸時代、敗者の固定化と義経生存説の流布・伝播。④幕末維新以降、大陸侵略政策と義経=チンギス・ハーン説との親和性。義経伝説に関して、本書の記述をシンプルに捉えれば、こういう理解でよいように思う。

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  • 蝦夷地に渡った説や大陸に渡った説、挙句成吉思汗だったと言う各種源義経生存説についての反論。
    時代を追って生存説の位置付けが庶民の義経への憐れみや敗者の共感と言ったある意味素朴なものから江戸、近代へ移るにつれ施政者がわの意図を汲んだものから領土拡張、国威発揚的なキナ臭いものへの変遷がよく分かる。

    衣川で自害後、近代までこうも生死を弄ばれるとは。
    人々のかくあって欲しい、と思う同情や希望が国威発揚にまで利用される様をご本人はどう感じているのか…と思う。

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著者プロフィール

1963年長野県安曇野市に生まれる。著述家。おもな著書に『義経伝説と日本人』(平凡社新書)、『歴史みちを歩く』(洋泉社)、『美しい日本の伝統色』(山川出版社)、『世界の海賊大図鑑全3巻』(ミネルヴァ書房)、『古墳のひみつ』(メイツ出版)などがある。日本経済新聞日曜版「古代ロマンに興奮 墳丘や石室を見学できる古墳10選」で、古墳選定者として関わった。

「2022年 『図解 つなげてみれば超わかる 日本史×世界史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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