- Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582855951
作品紹介・あらすじ
植民地闘争からヴェトナム戦争へ、プラハの春から全共闘へ、そして「郊外暴動」へ。六八年五月、パリで起こった「革命」は、二〇世紀後半の世界史的転換点だったのではないか。それはまた「私」の変革への希望でもあった。政府給費留学生として現場に居合わせた著者による、迫真のドキュメント、革新的思想の再起動。
感想・レビュー・書評
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ロランバルト
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新書文庫
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2013/2/25購入
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質量共に充実した一冊。
1968年、パリを燃え上がらせたフランス五月革命。その現場に居合わせた著者による、「試論」にして「私論」です。
六十八年五月以前を経て、ナンテールで燃え上がり始めた学生たちの「革命」。記録と記憶を頼りに革命の情景を記し、過去と現在両面から思索する様は一見の価値あり。革命の記憶に肩入れすると同時に思想的検討をくわえる姿は、現場にいた学者ならではでしょう。
知識人と革命の関わりについても多くを割いており、示唆に富みます。祝祭的性質を持つ革命が、フランスのトップエリートたちに先導されていたという矛盾にも切り込んでいます。
とにかく読み応えがある、これぞ新書とでもいうべき新書。是非どうぞ。 -
パリ五月革命に関する、筆者の貴重な体験談が満載。「私論」にはそのままの意味と、「私に関する論」の意味合いも私は強く感じました。「私」について、読中、読後、しばらく考え込む日々が続くほどに。
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パリ五月革命、という魅力的なタイトルに魅かれて思わず購入。
ただし、西川長夫という名前にまったく覚えなく、新たな書き手かと思いきや、まてよ、ひょっとしてと、書棚を確かめると、ありました、岩波文庫のアンリ・ルフェーブルの『パリ・コミューン』の翻訳者の内のひとりとして名を連ねている方でした。
新書ながら477頁という厚さで、読み応えがありました。 -
読んだ。面白い。