思考停止という病理: もはや「お任せ」の姿勢は通用しない (1028;1028) (平凡社新書 1028)

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 138
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582860283

作品紹介・あらすじ

教育の現場から政治・社会問題、歴史に至るまで、いかに日本の社会が思考停止に陥っているか。実例を交えながら検証し、思考停止に陥らないためにはどうすればいいかを考える。

感想・レビュー・書評

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  • 新型コロナ関係で、毎日の感染者数報告やマスクのゴタゴタなどで、世の中の思考停止具合にあきれることが多かった。なぜそんなことになっているのか考えるために読みたい

    #思考停止という病理
    #榎本博明
    23/5/17出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/3Ih3E4H

  • 考える、それでも人は考える、でもそれが深い思考にならなくなっているのかな〜

  • 自分で物事を考えないと、いいようにカモにされるのは事実なんだろうが、考えることも負担であったりストレスだったりもするので、本人がそれでも構わないと思うなら他人がどうこう言う話でもないような気はする。内容的にはそんなに目新しいものはなく、半分ぐらいは老人のボヤキという印象。

  • 疑問を持たず、素直に従い、何でも「お任せ」にする。そんな日本人の思考停止に心理学者が警鐘を鳴らす。

    第1章 考えることを忘れた社会
    第2章 思考停止に陥りやすい日本人の心理
    第3章 その根底に流れる教育のあり方
    第4章 権力者による愚民政策の一環か
    第5章 考える力を奪う教育からの脱却を

  • 老人のボヤキを聞かされているような気分になるが、共感できる部分もいくつかあった。

  • ぼやき漫談というか、著者の主張はタイトルにつきる。
    「思考停止」の結果、著者もおまんまを食べられたんじゃないの? という嫌味をいいたくなるけれど、言っていることは概ね同意。

    日本人は人がいい(=性善説)なのかもしれないけれど、同時に意地も悪いと思う。単に何も考えてないのかもしれないけれど。

    日本人とは……? と考える本は毎日のように出版されているけれど、これって他の国でもこんな感じなのだろうか? 読んでいるうちにそんな疑問が浮かんできた。

    英語が母国語となっている国では書かれている本が他の国の人にも読まれる蓋然性が高いし、日本語で書かれた日本人論ほどはかかれてない気がするけれど、どうだろう?
    もちろんナショナリズムやその反転としての自国を卑下する文章は他の国にもあるだろうけれど。

  • 疑問を持たず、素直に従い、人を信じて疑わず、何でも「お任せ」にする習慣を私たちは身につけてきた。だが、グローバル化で人を疑うことを基本とする価値観が流入し、これまでのモラルを裏切るような犯罪も多発している。自らものごとを考え、判断し、行動しなければ、知らぬ間に都合よく利用される恐れもある⁉️教育から政治・社会問題に至るまで考察を深め、思考停止に陥る日本人に警鐘を鳴らす。《目次》はじめに
    第1章 考えることを忘れた社会
    第2章 思考停止に陥りやすい日本人の心理
    第3章 その根底に流れる教育のあり方
    第4章 権力者による愚民政策の一環か
    第5章 考える力を奪う教育からの脱却を あとがき

  • 成人年齢の引き下げは成熟が遅くなり、寿命が延びているのになぜ行われたか。
    兼業副業容認の意図は人件費削減ではないか。

    簡保保険の不祥事は、分化の違いを踏まえずに成果主義を取り入れたことに問題がある。
    日本は信頼社会、お任せ文化。
    おせっかいな注意書き。天気予報でおすすめの洋服まで。駅のアナウンスが過剰。ものを考えさせない雰囲気。
    本を読まないから、語彙が乏しい。
    ネット社会は、幻想的万能感を持ちやすい。匿名性が保立てる。即時反応が可能=考える間がなく感情をむき出しにする。

    生まれた社会の文化にふさわしい人間になる=社会化。
    日本では自己主張を慎み謙虚でいる方がうまく生活できる。
    アメリカでは説得力を磨き堂々と主張する。
    日本の教科書では温かい人間関係、最後には誠意が通じる物語が多い(ニャーゴ、きつねのおきゃくさまなど)。性善説。
    中国では逆(尻尾を振る狼、農夫と蛇など)

    何のために勉強するか。アメリカでは自分の知識が増える、日本ではお母さんが喜ぶ、だれかのために。罪悪感に基づく達成への義務感=モラルマゾヒズム。
    絶えず相手の期待を意識して裏切らないように行動する。

    制空権がない中で大和が沖縄まで到達することはできない、と分かっていた。空気で突撃が決まった。
    採否は空気で決まる。

    日本ではお任せする方式になじんでいる。
    寛容な態度で良好な雰囲気で相手の譲歩を引き出すことが日本流。
    コロナで罰金ではなく自粛要請で大丈夫だった。
    自粛でうまくいくことの功罪=本屋の営業を続けるか、自主警察が出現する。
    県外ナンバーの車に張り紙がされる。県内在住者です、のステッカーまで出現した。

    英会話は頭を鍛える勉強ではない。英語が学びなおしの一位。
    小学校低学年から英語を始めることは効果的ではない。母語をしっかりしてからのほうが効果がある。言語は思考の道具でもある。
    英会話は幼児期にできることを教えるだけ。文章を読むことは言語能力も鍛えられる。日本語への翻訳は国語力と英語力が必要。英語ができる子は勉強ができる子である理由。
    実用性を重視して英会話を教えると英語力は低下する。

    見ればわかる教材の功罪。スライドの功罪。ノートを取らない=スライドを配るから。
    現代文は、論理国語と文学国語に分かれる。

    知識は思考の邪魔をしない。知識と思考は双方向の関係にある。
    ネットで得られる情報は答えではなく考える素材。

    日本では認知的複雑性の高さに価値がある。多方面から見る習慣。反論しにくくなる。
    欧米人は、自己主張しなければ生き残れない社会。薄っぺらな意見でも堂々と自己主張する。
    日本人の礼儀正しさ、思慮深く不平不満を口にしない。お上にお任せ、謝罪すれば水に流す。
    欧米ではうっかり謝ると責任がかかる。「アイムソーリー法」=患者が死亡したとき医師がアイムソーリーといっても、医療過誤の証拠にしないという法律。自己正当化が必要な社会。
    日本では、非を認めているのに責めるのは弱い者いじめ、みっともない、粋ではない。世間体を気にする感受性がある。
    日本組織は空気で動いている。コンプラ重視は運用面で属人志向が入り込む。

    2016年の大統領選では、イギリスのコンサルティング会社が、Facebookの個人情報を不正利用してトランプ当選の後押しをしたといわれる。
    マニュアル主義の功罪。
    脱知識偏重教育の弊害は知識がなくて視点をもてないこと。指示待ち人間や承認欲求に振り回される。思考停止に向かっている。
    知識を高めることと思考は矛盾しない。知識の吸収は思考力を高めることに必要。
    本を読むと情報収集だけでなく素材が活性化せれる効果がある。
    グループワークよりも知識の吸収が必要。
    考えることの苦痛=昔は外に出ると考える以外にできることはなかった。
    考えることは魅力的な娯楽。

  • タイトルですべてを語っている本。そしてデータというよりは、著者の主張がひたすら続くんだけど、まあそうだよね〜と共感する点は多かった。日本は性善説、海外は性悪説っていうので、どなたかが調べた小学校の国語の教科書のお話のテーマの話はほんとかいな、と思いつつ気にはなるエピソード。

    思考停止はマズいけど、かといって陰謀論もヤバいしなあ。まあ陰謀論もある種の思考停止なわけだが。

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著者プロフィール

榎本 博明(えのもと・ひろあき):1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒業。東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。心理学博士。川村短期大学講師、 カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在MP人間科学研究所代表。産業能率大学兼任講師。著書に『〈自分らしさ〉って何だろう?』『「対人不安」って何だろう?』『「さみしさ」の力』(ちくまプリマ―新書)など。

「2023年 『勉強ができる子は何が違うのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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