アドラーに学ぶ よく生きるために働くということ (ベスト新書)

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  • ベストセラーズ
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レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584125205

作品紹介・あらすじ

本書の第一章では、「なぜ働くのか」という根本的な問題を考え、第二章では、「働かない」「働けない」という事例をもとに、「働くことの意味」をどう見るかについて考察します。続く第三章では、職場での対人関係の問題を取り上げ、風通しがよくなるための具体的な方法を提案します。最後の第四章では、幸せになるためにはどんな働き方をすればいいかについて考えてみます。どの章においても、働くことの意味を職場で働くという狭義ではなく、活動、さらには生きることと同義で考察します。

感想・レビュー・書評

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  • 現在、働かないと人は経済的に暮らしていけないため、働くか働かないかという選択肢は事実上ない。したがって、なぜ働くのかということを考える意味はあろう。
    アドラーは、「誰かが靴を作るとき、自分を他者にとって有益なものにしている。公共に役立っているという感覚を得ることができ、そう感じられるときにだけ、劣等感を緩和できる」と述べている。すなわち、人は働くことで他者に貢献すれば貢献感を持つことができ、そのことで自分に価値があると思えるため、働くことは自分のためでもある。その意味で、自分から働くことに意味はあり、働くことは生きることと密接な関係にあると言えよう。
    自分が仕事をすることで共同体(職場)に役立っていると感じることは、自分に価値があると思うことになる。上司は部下に〇〇すべき、〇〇すべきでないという様々な主張がなされているが、そのことを踏まえれば、上司は部下が貢献感を持てるように援助することが大切なのである。この貢献感は、誰かから与えられるものではないので、部下に貢献感を持たせようとするのではなく、あくまで自発的に持てるように援助すべきである。
    一般に、仕事が楽しくないと考えられるのは、第一に、自分が取り組んでいる仕事の遂行に必要な知識・技術が十分に身についていないとき、第二に、その仕事に貢献感を持てないときである。自分には不向きと思うような仕事でも、その仕事を極めることで、自分の力に自信を持てるようになったり、貢献感を持つことができるようになったりする。一見、自分に向いていないような仕事であっても、全力を尽くすことで、自分に価値を生み出すことがある。したがって、まずは、目の前の仕事に前向きに全力で取り組むことが大切なのである。

    全体を通して著者は、働くことを通じて、貢献感を持つことの大切さを説いている。貢献感を持つことができれば、自分に価値があると思うことができ、価値があると思うことができれば、対人関係の中に入っていく勇気が持てるし、その分プライベートも豊かになるという流れである。
    確かに社会人として働いてみて、自分がその組織に役立っているという満足感が働くインセンティブになっているときもあるが、著者はその貢献感を絶対視しすぎているようにも感じられた(その意味で本書の内容は、理想論のようにも思われた)。
    また、儲かる仕事か好きな仕事かどちらかを選ぶという問いに、著者は当然、好きな仕事を選ぶべきであると主張している。しかし、仕事は、自分に合っているか合っていないかで決めるべきであり、その仕事の好き嫌いを気にしすぎない方が良かろう。好き嫌いだけではなく、自分の性格、能力、得意不得意に適合した仕事を選ぶべきではなかろうか。

  • ●筆者は40歳で初めて常勤の仕事についたそうだ。
    ●仕事は人生の全てではありません。仕事のため他のどんなことを犠牲にしていいわけではありません。
    ●家事は決して犠牲的な行為ではなく、家族に貢献する行為です。家事をすることで家族に貢献することができ、貢献できる自分に価値があると思えるのであれば、たとえ他の家族が手伝ってくれなくても、むしろ率先して家事をしようと思えるようになります。
    ●経済的な自立は、人間関係の上下には関係ありません。

  • 「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」の補完資料のようなものだと思った。さまざまなエピソードが盛り込まれているが、「今ここ」「貢献感」という主張は勇気シリーズから変わっていない。

  • 途中で飽きちゃった、なんでかな。
    貢献感ありの仕事して、よく生きたい。

  • 前半は色々と気づきがありましたが、後半は著者の体験談も多く、少しダラダラと感じました。また、章によって想定読者が異なるように思いました。
    「部下を自分の支配下に置こうとする…その行動/育成が、指示待ちの部下を生む」というあたりは注意しようと思いました。

  • 「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」の解説本ともいえるが、岸見氏の既刊本とかぶる内容も多い。アドラー心理学はわかったつもりでも実は本質はわかっていない、と再認識させられた。

  • 今の仕事で貢献感を得らているかどうか?

  • 自身にとって〝働く〟とは?
    アドラー心理学における第一人者が、現代人の働く意義について考察した新書です。
    アドラーをはじめとする心理学者や哲学者の教え、そして著者の実体験を織り交ぜながら書かれています。
    仕事中心の生活に疲れてきたなぁ、、と生きづらさを感じた時、アドラーの定義は勇気へ繋がる力をくれます。
    他者の存在を認め、自分の価値を認める。
    難しいことですが、対人関係を築く上では何より大切なことかもしれません。

  • 『嫌われる勇気』でベストセラーになった岸見一郎の自伝的な内容。

    彼に興味がある人なら、彼のアドラー心理学とのかかわりを含めて楽しめるかと。

  • タイトルのとおり。「よく生きるために」働くのである。
    プライベートの語源は自分で奪い取るもの、というのは印象に残った。
    仕事というのはよく生きるために行われるものであり、ではよく生きるとはなにか、というと、全体の幸福に貢献すること、である。わかりやすく言えば、人類の歴史に何かを残すこと。それはスケールの大きいものもあれば、そうでないものもあるが、その大小に優劣はない。
    存在するだけでも、だれかがいる、ということになり、だれかのためになる。仕事によってそれを消してはいけない。仕事というのは最もよく生きる証に最たる手段なだけである。

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著者プロフィール

1956年、京都府生まれ。哲学者。日本アドラー心理学会認定カウンセラー。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。専門はギリシア哲学、アドラー心理学。主な著書に『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』(以上、古賀史健氏と共著、ダイヤモンド社)、『老いる勇気』(PHP研究所)、『プラトン ソクラテスの弁明』(KADOKAWA)、『幸福の哲学』(講談社)、『よく生きるために働くということ』(KKベストセラーズ)など多数。

「2019年 『「今、ここ」にある幸福』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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