今そこに迫る「地球寒冷化」人類の危機

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584131701

感想・レビュー・書評

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  • 地球は温暖化しているのかしていないのか、次の氷期はすぐにも来るのか来ないのか、石油エネルギーはじきに枯渇するのかしないのか、地球は何億人の人間と動植物たちを養えるのか……沢山の問題があり、沢山の立場や研究結果があって、素人にはとても何が正しいのか判断はできないけど、色々な意見を知っておくのは無駄ではないと思う。
    著者の論調は好戦的かつ独断的で、好感は持てないけど、面白くはあった。
    つい何日か前に、いよいよ太陽の黒点活動が低下して、どうもまた寒冷化しそうだという話を読んだので、ふと興味を持って。

  • 今そこに迫る「地球寒冷化」人類の危機。丸山茂徳先生の著書。今そこに迫る「地球温暖化」人類の危機というタイトルではなくて、今そこに迫る「地球寒冷化」人類の危機というある意味常識外れでいわば非常識なタイトルに目を奪われて読みました。地球温暖化ではなく地球寒冷化に向かっているという明確な根拠や証拠が感じられませんでした。地球が温暖化に向かっているというのは世界のリーダーたちや研究者たちをはじめとした世界中の人たちの常識だけど、たとえ非常識であっても一般常識の枠にとらわれずに物事を考える姿勢は大切なのかな。

  •  温暖化問題に疑問もっている初心者にお勧め。
     難解な言葉を使わずに説明されていますが、本質を外すことなく説明しているのは好印象。

  • もうすぐGWだと言うのに、朝早く家を出る私はいまだにコートを手放せません、本当に今年は寒いと思います、4月3日に遅めの花見を仲間とやったのですが、昼間だったにも拘わらず寒かった。自分の連用日記を見てみたら、昨年の3月末も寒かったと気づきました。

    世の中では未だに「地球温暖化」のために何かをするという動きがあるようですが、このような寒さが続く限りは実感が湧きません。そのような私にとって、この本のタイトルは衝撃的でした、もっと驚いたのは、私の勤務している会社の本社(米国)から来た技術者は「そんなことは当然」のごとく知っていることでした。

    日本だけ取り残されているのでしょうか、そうでないと思いたいです。

    以下は気になったポイントです。

    ・IPCCのシミュレーションはモデル報告から2009年で9年経過しているが、完全に外れている(p16)

    ・地球寒冷化の根拠として、太陽活動の異常低下と、宇宙線の増加が挙げられる(p17)

    ・IPCCモデルの前提は、1)地球の過去1300年間の気候はほぼ一定(実際は古気候研究で変動を確認)、2)直近の50年の気温上昇原因は、二酸化炭素原因と特定した、にある(p19、20)

    ・雲は地球表層の50%ほどの面積を覆っている、過去20年間の人工衛星の観測では、時期によって±1.5%変動する、1%増加すると気温が1度下がる(p24)

    ・地球の大気における温室効果ガスにおいて、水蒸気が温室効果ガスの90%を占める、二酸化炭素はその10%(p25)

    ・1958年から1988年までのハワイの気温と二酸化炭素の濃度の相関関係は、気温の変化が二酸化炭素量に影響しているとも見える(p27)

    ・イギリス気象庁は2009年2月に、「2008年の世界平均気温は今世紀で最低であった」と発表した(p32)

    ・東京湾口はヒートアイランド現象で暖められた東京湾の海水が外洋に流れでるところで、付近を流れる暖流よりも暖かいので、サンゴ礁ができた(p36)

    ・英国のノーマン・マイヤーズは、1年間に4万種が絶滅しているとしている、絶滅危惧種は、哺乳類:21%、鳥類:12、両生類:30、昆虫類:50、魚類:37、顕花植物:73%(p37)

    ・IPCCの最近50年間の気温上昇の分析の反論として、1)銀河宇宙線の照射量の減少、2)太陽活動の活発化による雲の減少、で説明可能(p40)

    ・地球平均気温が1℃上昇した場合、赤道地域は0.1℃、中緯度地域は2~4℃程度上昇、高緯度地域では7℃、両極では10℃以上上昇する(p42)

    ・日本において化石燃料なしの太陽エネルギーのみで暮らす場合、日本に許される人口は江戸末期の3400万人が限界、世界人口は3~4億人(p48、152)

    ・地球平均気温が0.3℃下がる場合、赤道付近は0.03程度下がるのみだが、中緯度:0.8~1.6℃、高緯度:3℃以上下がると予測される(p64)

    ・温室栽培では、重油を燃焼させることで二酸化炭素濃度を上げて光合成の効率を上げる、二酸化炭素濃度を200~400ppmに上げると、光合成速度は2倍以上となる(p70)

    ・海水面は青、濃青色なので、太陽エネルギーを吸収しやすいが、一旦氷結して白くなるとエネルギーが反射されるために急激に寒冷化する(p75)

    ・1万年前に急激に氷が溶けて、巨大な淡水湖が出現した、アメリカ五大湖は巨大な淡水湖、シベリア平原にも多くの淡水湖、カスピ海は現在の10倍、北アフリカと中東には緑が溢れていて、農業と牧畜を発見できた(p84)

    ・最近起きるゲリラ豪雨はヒートアイランド現象による、新宿で豪雨であっても、中野では晴れていたことあり(p101)

    ・最近400年で地磁気の強さが16%減少している、現在比較で3分の1になると、宇宙線量は10倍になる、これは雲の増加を招いて寒冷化となる(p116)

    ・百済や高句麗が滅亡した頃に日本には多くの渡来人が流入した、50万人と言われているが、その当時の人口:300万人と考えるとすごい人数、さらに遭難者も考える必要あり(p135)

    ・ロンドンの霧は、蒸気機関によって温められた水が大量にテムズ川に廃棄されたことと、蒸気機関による煤煙が原因(p144)

    ・石炭を利用した外燃機関は大型であり鉄道までしか利用できなかったが、石油を利用した内燃機関は軽量化できるので、自動車、飛行機にも展開できた(p169)

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  • 本の内容は、地球の寒冷化、石油をはじめとするエネルギーの話が主です。
    話の流れは概ね理論だっており、非常に参考になる文献です。
    以前より、地球温暖化、特に二酸化炭素をはじめとする地球温暖化係数GWPの大きいガスを発生することにより、大気が暖まるというなんともセンスのない論理には共感していなかったのですが、こうやってキチンと理論立てて整理してくれると理解する人も多くなるのではないでしょうか。

  • 地球の平均気温は確実に下がっている!
    食糧危機、石油枯渇、第三次世界大戦勃発…
    そして人類は史上最悪のパニックに陥る―。

    第1章 寒冷化が始まった
    第2章 マスコミによる「温暖化」の洗脳
    第3章 地球環境の変動メカニズム
    第4章 ヒートアイランドの功罪
    第5章 21世紀の気象予想
    第6章 寒冷化が人類に及ぼす影響
    第7章 警告学―人類の黄金時代の終焉
    第8章 石油の枯渇と人類の危機

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著者プロフィール

丸山 茂徳(まるやま・しげのり)
1949年徳島県生まれ。スタンフォード大学、東京大学などを経て、1993年から2019年まで東京工業大学教授および特命教授・特任教授。地質学、地球惑星科学を専門とし、地質学会賞、アメリカ科学振興会フェロー、紫綬褒章、トムソンサイエンティフィックリサーチフロントアワード、アメリカ地質学会名誉フェロー、瑞宝中綬章ほか受賞・受章、著書多数。

「2024年 『TEN vol.5 科学教育の現在と未来』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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