日米戦争を起こしたのは誰か ルーズベルトの罪状・フーバー大統領回顧録を論ず

制作 : 加瀬 英明 
  • 勉誠出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784585230366

感想・レビュー・書評

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  • フーバー元米国大統領が著した「裏切られた自由( Freedom Betrayed)」の中で、「第二次大戦」と、戦後の「ソビエトの東欧支配」「中華人民共和国の成立」「戦後冷戦世界」を招いたF・ルーズベルトの責任を厳しく批判した。
    その骨子を特に日本との関係で言えば、「1941年の開戦に至る前の日米交渉において、アメリカは開戦を前提に経済戦争を仕掛け、日本を挑発し続けた」「日米戦争はアメリカが仕掛けた戦争である」「原爆投下の必要はなく、その重みは今もアメリカ国民の上にのしかかっている」・・・といったものだ。第二次大戦を考える際に米国側から出た資料として一読に値する。

  • 27頁:農機具を賑売していたが……
    ・たぶん「販売」
    103頁:The ninth time statesmanship was wholly
    lsot was Roosevelt's contemptuous refusal of
    Prime Minister……
    ・lsot⇒lost
    127頁:Ameri-can
    129頁:Tru-man
    132頁:Confer-ences
    168頁:妹尾作男(さだお)訳である。
    180頁:訳者・妹尾作太男氏である。
    197頁:勇気を以て
    ・この「以て」に違和感をおぼえました。
    203頁:チャーチルは……大栄帝国そのものを失ってしまった
    ・たしかに英国は,大いに栄えた帝国だったかも知れないが……
    204頁:(前掲書上巻三二頁)
    ・本論文の体例からすれば,「前掲書」は必要ないはず。またここの引用文もゴシックにすべきではないか。
    216頁:(拙論『ウェデマイヤー回想録』を読む(2)『新日本学』第二号、一一三頁)
    ・そもそもこの論文「ウェデマイヤー将軍の回想」は,『季刊 新日本学』に連載した「ウェデマイヤー回想録を読む」(1)(2)(3)をまとめたものだと,はじめに書いてある。であれば,このような注釈は必要ないのではないか。どうしても付けたいのであれば,本書での該当する箇所の頁数を指摘すればすむはずではないか。著者は連載に「若干の補筆・修正を加えて再録」したというが,単行本に収録するにあたっては,「補筆・修正」だけではなく,不要な部分の削除をする必要・義務が,著者としてあるのではないか。著者・編輯者は,そう考えないのか。
    234頁:軍事情勢全般で主導権を握っている。……情熱がひきつづき悪化すれば,……(下巻四四四頁)
    ・『ウェデマイヤー回想録』で原文を確認していないが,意味が通じないので,「情熱」は「情勢」の誤りではないか。原文のままなら,ルビで「ママ」とかつけるはずである。
    234頁:ウェデマイヤーの先見の明が生かされていれば,
    ・「いかす」は,活用するという意味であろうから,漢字で書くのであれば「活かす」としてほしい。
    238頁:敗戦国日本の汚名を削(そ)ぐためには
    ・「汚名」は「そぐ」ものではなく「雪(そそ)ぐ/濯(そそ)ぐ」ものであろう。
    244頁:ローズマンは壁耳をして,聞き耳を立てていた。
    246頁:ソ連は,持続的に日本ジャップに政治宣伝を行なっており,……日本に浸透作戦を行っている。
    ・「壁耳をして,聞き耳を立て」「日本ジャップ」は英語の文選読み?「行なって」からすると「行っている」は「いっている」と読むのだろう。
    247頁:迅速に止めなければ,ソ連は満州(まま)国に傀儡国家を作る可能性があるが,軍事手段を持って阻止するのではないと,マッカーサーは考えている。
    ・「持って」?「もちいて」の意味を漢字で表現したいのであれば,この文こそ「以て」がいいのではないか?「阻止するのではない」の主語は,マッカーサー?米国?
    265頁:日米間ののど仏に刺さった骨を取り去ってしまう
    ・「のど仏」は,喉頭隆起(軟骨)で,ふつう魚の骨をのみ込んでも,ここまで刺さらないでしょう。食道だけでなく,気道も突き抜けないと,のど仏までは達しないのではなかろうか。
    278頁:国際的な人道支援事業者,徹底的は共産主義批判の自由主義者であった
    ・たぶん「徹底的な」。

  • Freedom betrayed
    裏切られた自由

    7年間に冒した19回の過ち

  • 如何に、戦後の日本社会が、GHQ・東京裁判史観に毒されているか、この本を読めば、明々白々に理解できる。
    第31代アメリカ合衆国大統領ハーバート・フーバーが書いた「裏切られた自由」の紹介本だ。
    フランクリン・ルーズベルトの偏狭な思いで、戦争を仕掛けられた日本。
    原爆投下の戦争犯罪性をフーバーは、アメリカ合衆国としてしっかり認識している。
    その件であるが、第17番目のアメリカのさまよえる政治家道は、トルーマンが日本人の上に眼脂爆弾を落とす命令をするという非道徳な命令をしたことである。
    日本は繰り返して平和を求めていたにもかかわらず、原爆を投下したことは、アメリカの全ての歴史のなかで、他に比較するもののない残忍な行為であった。
    アメリカの良心にとって、永久に重くのしかかるであろう。

    フーバーが亡くなって、長らく封印されていた著作である。
    ルーズベルトとアメリカの正義を批判する論に対しては、直ちに「修正主義者」(レヴィジョニスト)という批判というより罵倒が浴びせられる。
    アメリカで、もともとマルクス主義者用の用語であった「修正主義」という言葉が、同じニュアンスで使われているというのは甚だ奇妙なことである。
    共産主義の一有力流派のフランクフルト学派がアメリカの知的世界をリードしていることをこれは暗示しているのかもしれない。
    それをアメリカで常識にまで持っていくほどマルクス主義は、アメリカで影響力を持っているのであろう。

    とにかく、一刻も早く日本語訳版が刊行されることを願う次第である。

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著者プロフィール

1952年、東京都生まれ。国際政治学者。早稲田大学政治経済学部卒。クレアモント大学院政治学部(修士)を経て、ハーバード大学政治学部大学院助手、同大学国際問題研究所研究員。1982年から近未来予測の会員制情報誌「ケンブリッジ・フォーキャスト・レポート」を発行。インターネット上でもYouTubeを中心に世界政治や経済情勢について発信している。現在、呉竹会アジア・フォーラム代表幹事、一般社団法人日本クルド友好協会理事も務める。主な著書に、『米中新冷戦、どうする日本』(PHP研究所)、『アングラマネー』(幻冬舎)、『国連の正体』(ダイレクト出版)、『世界恐慌2.0が中国とユーロから始まった』『希望の日米新同盟と絶望の中朝同盟』『国境ある経済の復活』(以上徳間書店)などがある。

「2020年 『米中最終決戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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