あなたがたに話す私はモンスター

  • 法政大学出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (146ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588130342

作品紹介・あらすじ

2019年11月パリ、〈フロイトの大義〉学派の国際会議日に、3500人の精神分析家らの前で行われ、聴衆に激震をもたらした講演の全文。精神分析や医学的な知は、性的マイノリティを病者・異常者扱いしてきた旧来の異性愛中心的規範や、家父長制・植民地主義にもとづく性の科学を自己批判し、多様性に開かれた未来へと生まれ変わることができるのか? 学問とジェンダーをめぐるラディカルな問題提起!

感想・レビュー・書評

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  • 相変わらずプレシアドの強靭な精神力と度胸に度肝を抜かれ、しみじみと魅了される。
    フロイト学を信奉する集団の前に一人立ち、本著に記載されているような精神分析学の根本に埋め込まれたバイナリー構造、白人優位主義的な古く寂れた認識論を新時代のために変革させようと熱烈で正直な批判をおこなうプレシアドの表現者、活動家としての無尽蔵なエネルギーに心の底から敬愛の想いを抱きます。

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著者プロフィール

ポール・B.プレシアド(Paul B. Preciado)
1970年生まれ。スペインのブルゴス出身の哲学者。トランス・クィア活動家、キュレーター。ニューヨークのニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチでジャック・デリダとアグネス・ヘラーに師事した後、プリンストン大学建築学科で博士号を取得。早くからトランスを自覚していたが、30代半ばからテストステロンを用い、外科手術をともなわない「緩やかなトランス」を開始。2015年に出生時に与えられたBeatrizの女性名でなくPaulを名のるようになり、2016年には戸籍上の性も「男性」に変更したが、ノンバイナリーなトランスの立場をとる。フーコー、ドゥルーズ、デリダの思想をハラウェイのサイボーグ・フェミニズムと接続し、現代の先端テクノロジー状況(先端生殖医療、サイボーグ技術、遺伝子工学、コンピューター技術、メディア技術、新薬理学、等々)におけるセクシュアリティをめぐる生政治・生権力の問題を、トランスジェンダー、クィアの立場から鋭く論じる。ニューヨーク大学やプリンストン大学の招聘教授を務めたほか、バルセロナ現代美術館、ソフィア王妃芸術センター、LUMA Arlesのキュレーターを務め、前衛的な性芸術や性文化の創造・普及の現場でも活躍している。未邦訳の著作に Pornotopia:an essay on Playboy’s architecture and biopolitics(Zone Books, 2014). Un appartement sur Uranus:Chroniques de la traversée(Grasset, 2019), Dysphoria Mundi: La révolution qui vient(Grasset, 2022)、ほか。

「2023年 『テスト・ジャンキー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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