妙なる技の乙女たち

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591101841

感想・レビュー・書評

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  • SF×お仕事系×妙齢の女性な短編集となります、
    青い表紙が印象的で、図書館で出会いました。

    舞台は近未来、シンガポール沖のリンガ諸島。
    軌道エレベーターの設置に伴い、宇宙への最前線となったとの設定。

    物語は全てで7編、主人公はすべて異なりますが、

     ・岐路に立つ下働き社員
     ・法的なグレーゾーン下で社員を抱える社長
     ・船上タクシーの艦長
     ・独立心の強いアーティスト
     ・経歴詐称で起動エレベーターに潜り込んだアテンダント
     ・現地に根付こうとしている保育士
     ・宇宙のあり様を変えたいと願う事務社員

    共通しているのは、働く女性であるという点と、
    そして、皆さん魅力的で、前向きであるとの点でしょうか。

    ちなみにいくつかの話は、ちょっとだけクロスもしています。

    ふと思ったのは、新海さんの手による映像化が観たいな、と。
    軌道エレベーターとか、メガフロートとか、妄想です、エエ。

  • SF作家、小川 一水のオムニバス。
    二本、三本と読み進めるうち、小川 一水作品の面白さがわかってきた。
    他のSF作品を以前に読んだけれど、こっちのほうが入り込みやすかった。
    「働く女」がベースにあるからかな?

    2050年、南の島に「宇宙エレベーター」が建設される。
    宇宙にまつわる産業都市となった南の島で働く、様々な職種の女性たち。
    宇宙工業デザイナー・船タクシードライバー・宇宙キャビンアテンダント
    機械彫刻家・リゾート開発の社長・研究者・・・・・・
    戦うように働く乙女たちの姿を、SF世界の中で描いた物語。

    どれも仕事への価値観や取り組み方の違いがあって、
    でも情熱は同じように燃え上がっていて、
    気持よく楽しくよめる種類の本でした。

    宇宙と南の島のギャップ、
    壮大な発展工業都市と労働者の身近な悩み、
    そういう設定のつけかたが、面白さに繋がっていて、
    久々にテンプレじゃないギャップ感を味わえたなーと思った。

  • 「妙なる技の乙女」というので何やらロマンチックなイメージを抱いてたらどっちかというと「熱血!宇宙女子!ウチジョ!!」みたいな雰囲気
    宇宙エレベーターができた世界。その舞台でデザイナーや不動産業で働く女性の奮闘記。全てが架空の職業で実際にありそうでひたむきな感じが良い。でもなんかリアリティを出そうと架空の専門用語や対立があったりしてサクッと読みたい身としては中途半端に引っかかってしまった。

  • 装画/D・キッサン
    装幀/新上ヒロシ(ナルティス)

  • 宇宙がより身近になった未来。

    アジアのとある島国で働く、日本人女性たちの活躍を描く。

    SF作家だけに、舞台や世界情勢は未来じみたものが入っているが、描かれる人物は現代となんら変わりない。
    職の違いもさることながら、仕事への考え方やブレイクスルーの方法が違っている。

    さくさく読めるのはいいのだが、短編集でもボリュームとしては少ない方なので、もっと読みたい、と思う話がちらほらあったのは残念だ。

  • 光る虫の話が面白かった。
    もうちょっと話がぶっ飛んでても良かった。

  • 25:軌道エレベータを抱く町・リンガと宇宙を含めたその周辺で働く女性たちの物語。短編連作という形式かつ、登場人物たちがみなさばけた性格で嫌味がないのでとても読みやすいです。その分、少しあっさりしすぎてるかなと思う面もあるのですが、ソフトでとっつきやすいSF作品です。一話めと最終話が好きだなあ。大石まさるさんとか、プラネテスとかがお好きな方はぜひ。

  • 読後、SFだった事に気付く。だから、取っつきやすかったのか?技あり乙女達の「達成感」とかが、小気味よかった。現実を目の当たりにされたら、あり得んだろうで終わっただろうと。

  • 読後感はよいです。
    ちょっとご都合主義ではありますが。
    設定の良さはさすが小川一水さん。

  • 短編集。様々な手に職を持つ女性のお話。
    なんで視点を女性にあわせたのか、意図がよくわからなかった。
    ただ、天冥の標シリーズの基となるような設定がちらほらあり、
    作者のSF感が感じられる。

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著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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