- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591104354
感想・レビュー・書評
-
生死一如
彼女は
ガンになったことで
この領域にたどり着き
結局あとがきの部分で
再発したことを告白し
そうなってもなお
大胆に
「ガンになってよかったかもしれない」
と言い切っている
私がもしそういう境遇になったら
という
もしを
考えたくない
もし
を考えるだけで
辛くなってしまうぐらい
私はまだまだ人間ができていないのだ
永遠に行き続けることなのできないのだけれど
どこか自分自身の中で
死というものを遠ざけている
そういう私には
この本は
チョッとつらいのだけれど
読むべき本だったのだろう
新聞の書評に載ってから
ずっと気になっていた本だったけれど
それがたまたま図書館にあったというのも
それもまた
めぐりあわせなんだろうな詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
…先生、こんなに大変だったんだ(ノ_<。)
今も癌と闘いながら、執筆活動を精力的に続けていらっしゃる。
尊敬します。
ワタシも両方の祖母を癌(それぞれ胃癌とすい臓癌)で亡くしていますが、先生はすい臓癌。
当時ワタシは中・高校生で看病とかしなかったけど、母が病院に通って大変だったのは覚えているし、お見舞いに行く度に衰弱していく祖母の姿は覚えています。
何か…、先生は突き抜けた(?)感じ。
もう悟りの境地にいらっしゃるのか。
そうですよね、生存率とか告知されれば、誰だって残りの人生を考えるでしょう。
…少しでも多く、グインを、他の作品を書き続けてくださいとしか言えません。
これからも先生の作品を1年でも長く読み続けられることを願って。 -
中島梓というより僕にとっては栗本薫ですね。その訃報を知った時は少なからずショックでした。そして手にしたのがこの本でした。このタイミングで読むのはどうかと思いつつも、このタイミングだからこそ読んでみようとページを繰りました。
私はこう思う、こう振舞うと自分の考えをどんと前に出されています。個人的な考えと言いつつも、それが活字となって出版されるという意味も含ませながら書かれているのが何ともらしいなと思ったり。生きるとはどういうことなのか、生きることと死なないということは同じなのか、自分にとって譲れない想いとは何なのか、色々と考えさせられます。うん、やはり読んでよかった。そう思います。 -
私はこの方を存じ上げない。
今まで本も読んだことがなかった。
今回初めてこの本を読んで、闘病以外の事に関しては、首をかしげてしまうことが多かったけれど・・
あくまでも病に立ち向かっている考え方に関してだけの感想です。
乳癌のあと、下部胆管癌と診断され手術をした後の記録が淡々と綴られている。
私は小さな手術はいくつかしたけれど、その中で子宮筋腫が一番私にとって大きい手術だった。
あのときの腰からの麻酔注射だけは今でもはっきり覚えているし、術後の起き上がれるまでの何日かのしんどかった日々も忘れない。
二度と手術はしたくないと思ったものだ。
彼女は退院して抗がん剤の治療を受けてリハビリをしていながら、さらに肝臓への転移が見つかったそうだ。
私よりちょっとお若い方だけど、実に強い女性だと思いながら読み終えた。
内臓の手術は元夫の手術で見てきたけれど、管だらけで水も飲めない日々が続いてと、まさに彼女と同じような日が20日以上も続いた。
本当に大変だった。
私は絶対やりたくないと思っているけど、実際自分がその場に立たされたらやはり生きるために・・生きたいと思うかな・・手術をするかな。
彼女も書いているけれど、癌に限らず年とともに身体のあちこち傷んでくるわけで、日々の暮らしの中でも事故にあうかもしれないし、死というのはどこにいてもどんな状況でも生きている限り常に隣り合わせな訳で。
今私自身が抱えてる病が難病だけれど直接死に繋がるわけでもないからそれほど深刻に考えてもいないけど、彼女のように実際強くいられるだろうかと考えてしまった。 -
闘病記を読んでるのか自慢話を読んでるのか、というぐらい読んでていろいろ閉口する本だった。実際、著者の受けた手術は数ある手術の中でも一二を争う大変しんどいもので、精神的にも肉体的にもキビシイ現実と直面していることは確かなので、そういう中でこのような本を書けるというのはまあ、すごいなあ(いろんな意味で)と思う。てなこと書こうと思ってたが、後書き読んで書けなくなった(書いてるけど)グインどうなるのかな…と余人が心配するのも筋違いだよね。願わくば著者が正しい予後を知り、正しく自分の余生への決定権を与えられんことを祈る。
-
ガンと戦う壮絶な体験をあくまで飄々と淡々と描き、一気に読んでしまった。ガンがあるからこそ、自分の役割が見えてきて、一行でも多くまた一冊でも多く書きたい、という小説家としての業や覚悟に感動してしまった。