クラシックを聴け!完全版 (ポプラ文庫 き 1-1)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591108390

感想・レビュー・書評

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  • ずいぶんと前に読んで、おおっと思って感化され、自分のクラシック好きが倍増した。今回読み直してみると、著者の好みを一方的に述べているように思えて、冷ややかに読んでしまった。そのとき、チェリビダッケがいいというので、CDの選集をどかーんと買って聴いてみたのだけれど、うーんなんじゃこの遅い演奏は!?私の好みには合わなかったようだ。また聴いてみるけどね。別の本で、日本のピアニストKI女史をくしゃくしゃに貶していたけれど、まあそういうところが許流なんだろうね。

  • 著者自身が書いている通り、忖度なしの自身の意見なので、好みは分かれるのはやむを得ないが、良くも悪くもざっくばらんに分かりやすく解説してくれているが、結構芯を食った内容になっている。

  • この本はクラシック音楽の入門書の様な体裁をしているが、実は中級者以上向けだ。

    文章が読みやすいので、入門者にも優しく、さらさらと読めるが、これからクラシック音楽を聴いてみようと考えている方や、ビギナーの方が読むには適さない内容である。

    いや、入門者に適さない内容どころか、最初の数冊としては読まない方が良い本であるとも思える。

    たしかに、ソナタ形式は提示部があって、ここからが展開部で〜みたいな説明があるので、それは入門者に有用な情報だと言える。しかし、取り上げている曲がたったの3曲だけなので(あとの2曲は流しすぎ)、取り上げられた曲に対してだけは、ある程度理解した気になれるといった程度の内容でしかない。

    当然これだけで、クラシック音楽が理解できるわけがない。もっとこの路線で何曲も紹介していれば、入門者向けの良いガイド本になったことだろう。

    私が入門書として適さないと思ったのは、許氏は裏の裏までに知っている真の理解者で、著者以外は誰も書かない真実を教えようという立ち位置で書いていることだ。

    だから、ある程度クラシック音楽に通じていないと、読者は、許氏だけが真実を知っているすごい人で、この人の言っていることこそが真実なのだと信じてしまい、誤った先入観を抱いてしまう可能性が高い。

    他の人が書いた入門書も読んでみようと思う人なら良いが、この一冊だけを入門ガイドとするのは危ない。

    一例を挙げれば、「チェリビダッケは最高だ」と、たびたび書いてあるので、ビギナーがこの本を読んだら、そうか、チェリビダッケが「正しい」演奏をする最高の指揮者なのか!と思ってしまう可能性は高い。そして、まず、チェリビダッケの演奏から聴いていったとすれば、どうなるだろうか。「これが、最高のクラシック音楽なのか。うーん、やっぱりクラシック音楽は私には合わないな」と思ってしまう可能性が高いのではないだろうか。

    せっかくクラシック音楽に興味を持ったのに、色々な演奏家を聴いて行こう、先に進もうとは思わなくなる危険性がある。

    私はクラシック音楽のアルバムを何千枚も持っているので、チェリビダッケも何枚も持っているが、やはりチェリビダッケは異端であり、玄人好みの指揮者であると思う。

    チェリビダッケは、一つの曲を様々な指揮者で聴いて、ある程度曲のイメージを持った上で聴かなければ理解できないような指揮者であり、どの演奏をとってみてもビギナー向けのファーストチョイスにはなり得ない。

    これは私だけの意見ではなく、世間的な評価から見ても、そう言えるだろう。

    一例だけを挙げて、この本は入門者向けではないということを書いてきたが、中級者以上なら、笑い飛ばせるところや、うなずくところもあり、面白く読めるだろう。本書の3分の1以上を占める第4章の「コレッキリ!実用情報」は特にそうだ。

    この本は全体として見れば、許氏が書いた本の中では、頑張って書いた本で、力作という感じは伝わってくる。決して悪い本ではない。クラシック音楽愛好家なら、読んで損はない。入門者には向いていないだけだ。

  • 好き嫌いは分かれるが、自分は好きである。
    音楽の好みも、8割方一致している。

    「クラシック音楽はこういうものですよ」
    と、わかりやすい比喩で書かれているのが、とてもおもしろい。

    今となっては、おすすめの演奏家リストが古くなっているのが、気になると言ったら気になるのだが。

  • 2015/5/3読了。
    クラシック音楽に興味が出てきた所で入門書を読もうと思い購入。
    紹介されている曲を聴けば、クラシックのキモがわかるというような内容。しかも、紹介されているのは三曲+二曲と極めて少ない。これを元にクラシックを勉強できればと考えている。

    文章としてはクラシックを語るにはやや砕けている。(というかどちらかというと毒舌に近い)
    好き嫌いの分かれそうな文章である。

  • 090410

  • クラシックの入門書を読みたくても、入門とは思えないほど専門的な言葉ばかりの本が多い中、この本はとても読みやすいです。

    読みやすいだけでなく、「クラシックは滅びた!」「クラシックの演奏家のほとんどは失礼ながらクズである。」など、毒舌な文体がおもしろい。毒舌なのに不思議と嫌味を感じないのは、文章に説得力があるのと、著者のキャラクターによるものでしょう。

    クラシックに関する本特有の上品さや小難しさがなく、むしろ「こんなに噛み砕いていいものなのか」とこちらが心配になってしまうくらい簡潔に言い放って(解説して)いるのが小気味よいです。

    345ページと意外とボリュームがある割に600円と価格も手頃。

  • Music

  • 筆者が最初に言っているように、この本はクラシック解説書としては特殊な本だ。多少表現が妙だが、本格推理小説とサラダ、の部分で言いたいコトはわかる。しかし著者の言うとおりだとすると私ら初心者ファン(しかも東京近郊在住じゃない)は、いったい何を聴いたらいいのかと思う。オススメCDを紹介してるが、本人がしょせん録音であると言いきっているし、どんなに素晴らしい巨匠の演奏でもナマの迫力には敵わない、というかまったく違うものだということは、私らでさえわかる。オススメ演奏家リストも古くて役に立たん。

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著者プロフィール

1965年、東京都生まれ。慶應義塾大学教授。著書に『クラシックがしみる!』『問答無用のクラシック』『コンヴィチュニー、オペラを超えるオペラ』『オレのクラシック』『クラシック批評という運命』(いずれも青弓社)、『クラシック魔の遊戯あるいは標題音楽の現象学』(講談社)、『世界最高のピアニスト』『生きていくためのクラシック』(ともに光文社)、『痛快!クラシックの新常識』(リットーミュージック)、『これからを生き抜くために大学時代にすべきこと』(ポプラ社)、編著に『クラシック知性主義』『絶対!クラシックのキモ』(ともに青弓社)、共編著に『クラシック・スナイパー』シリーズ、『クラシック反入門』(ともに青弓社)、共著に『クラシックCD名盤バトル』(洋泉社)など。

「2016年 『クラシックの秘宝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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